英国は2大政権の歴史が非常に長い国です。そこに来て 今回は65年振りに連立政権が誕生しました。連立内閣に不慣れな

英国の読者に対し、英ガーディアン紙が 今回の連立内閣に関するQ&Aを載せているので ご紹介します。
Q: 次の総選挙が行われるのは いつですか?現在の連立政権同意書によると、2015年5月最初の木曜日になります。その理由は 保守党と自民党との連立の際に交された連立合意書によると「5年間期限付き連立内閣」で合意したからです。
議会召集後すぐに「今後5年間、議会の解散、総選挙を行わない」との合意を法令化する手続きに入ります。つまりキャメロン首相は議会の解散権を奪われる形になる というものです。
Q: という事は今後5年間に何が起こっても、保守党と自民党は連立の間柄でいるという事ですか?いいえ、下院の55%以上の賛成があれば解散

新たな総選挙実施を可能にすると定められております。
今回の保守/自民党5年間期限付き連立内閣では、キャメロン首相の議会解散権を奪う形になりますので、如何なる理由にせよ、5年の任期満了前にキャメロン首相が自民党との連立の継続が不可能だと判断した場合は、野党のいずれかの党と連立を組む必要が生じます。もし それ(野党との新連立政権)すらも継続不可能となった場合は、国家の長である女王が解散総選挙に持ち込む権利を有します。しかし英国議会は、このような政府の混乱状態にエリザベス女王

に巻き込む事だけは避けたい

という強い意志を持っております。
最初に「下院の55%以上の賛成があれば解散、総選挙が可能」と書きましたが、この55%という数字には意味があります。それは 下院に占める保守党議席数は全体の47%。つまり万が一 連立相手の自民党が連立解消

総選挙

というシナリオを立てたくても、自民党と野党全体の議席数は53%にしかならない

ので、55%以上の賛成を得るのは、ほぼ不可能

となるからです。
Q: 副首相となったクレッグ氏は、キャメロン首相同様 首相官邸が与えられるのですか?いいえ、副首相用の官邸はありません。しかし首相官邸であるダウニング街10番地と 一部分がつながった形の政府所有の不動産があり、そこをクレッグ副首相ご一家が使用する事になる可能性は残されています。
Q: 国会会期中 自民党議員は与党側に着席するのですか?それとも 野党側ですか?与党側です。しかし、自民党は自民党だけのブロック、保守党は保守党だけのブロックという真っ二つに分けた形になるのか、それとも 保守党/自民党が隣同志 好き勝手に座るようになるのかは まだ決定されていません。
Q: 下院議会での首相との質疑応答
は どういう形になるのですか?キャメロン首相と最大野党である労働党の暫定党首であるハーマン党首とのやりあいになります。キャメロン首相が外遊や病気などで議会に出席出来なかった場合は、(キャメロン首相に代わり) クレッグ副首相が質疑応答に答えます。


質疑応答は国会中継の一番の見所です。私も車で移動中の時は、必ずラジオで この質疑応答中継を聞きます。これは国会会期中の毎週水曜日に行われます。
Q: 連立政権を快く思っていない
造反議員が続出し、政治機能が麻痺するような事にはなりませんか?心配ないと思います。保守/自民党連立内閣は下院、上院ともに過半数を優に超えています。逆に 今回の連立内閣は1980年代以来 一番安定した政権になる可能性を秘めています。
Q: 地方選挙や補欠選挙は どうでしょうか?連立を組んでいる
と言っても、これらの選挙では保守党と自民党との争いになるざるを得なくなると思いますが?はい、地方選挙や補欠選挙が行われた場合、各党間の争いになる事は避けられません。この点に関しては、既に保守党と自民党との間で 各党別に争うよう規定されています。
しかし 選挙運動中に於ける保守党と自民党議員間の言い争いは 以前と比べ使う言葉が柔らかくなる可能性が高い筈です。
Q: 党大会は どうでしょう?党大会は 保守党も自民党も 個別に行います。
Q: 内閣改造が必要となった場合は?キャメロン首相が新組閣メンバーの最終決定権を持握っています。しかし クレッグ副首相にも必ず相談し意見を聞く事も決っています。
こんな感じになっているようです。なんだか 芸能人が結婚する時に交す「離婚に関する誓約書」みたいですね

もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ

御願いします!
人気blogランキングへ
にほんブログ村
こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!