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2010年に向けて -英インフレ率 -

今回は インフレ率です
UK inflation Dec 09
最初のグラフは 英中銀が作成した今後のインフレ率予想です。グラフの脇にも明記しましたが 将来のインフレ率は濃い赤の範囲に収まる可能性が高いと予想されています。そして 予想期間が長くなればなるほど 予想が難しくなるので 赤い部分が 徐々に拡大されています

現在 英CPIは +1.9%、英中銀インフレ・ターゲット 2%に近いレベルにおります。英中銀のインフレーション・レポートを読む限り 中期的インフレ予想は 不確かな点が多々あると認めていますが 短期的には インフレ高騰 (CPI +3%越え) を予想しています。

短期的なインフレ率高騰の要因として
1)2010年1月より VAT(付加価値税)が 15%から 17.5%へ戻る
2)ガソリン価格の上昇
3)ポンド下落による輸入製品高
4)最近の金価格の上昇は 近い将来のインフレ懸念を反映したものでは ないか?

VAT上げにより 短期的なインフレ率上昇は確実に英国を襲いますが 個人的には その持続性は ない 手書き風シリーズ30顔5 と思っています。まず 需給の面から考えると 英経済が いきなり 需要増大するほど回復しているとは思えない点 焦る 、設備投資も設備稼働率の低さなどを考えると 急激な回復は無理かと思います。それに何と言っても 6月までに行われる総選挙までは 各企業 「待ちの姿勢」アップロードファイル を貫くと思っているので 下手すると 超短期的なスタグフレーションに追い込まれる可能性は捨てきれないかもしれません 

「お金はある けれど 買いたくない」人が多い時には、需要を喚起する事は容易ではありません。老後  のために 手元資金を貯蓄する消費者、工場の稼働率が低いために設備投資を手控える企業などに お金を使わせる事は難しいです。
一方で、「買いたいけれども お金が借りられない んー 」人が多い時には、需要を喚起する事は容易です。返済能力のある人が お金を借りられるようにすれば 良いからです。英国のクレジット市場が回復すれば この国の需要は高まると考える理由が これです。そして その時には インフレ率も同然 上昇し それが継続すると考えられます。しかし まだ その時期には 来ていません。

需要の高まりを予測するには 英住宅市場予想は避けて通れません。とりあえず 現在 市場で出回っている2010年英不動産価格  (全国平均)予想は
・英不動産大手:Savilles -6%
・Emst&Young  -5%
・ブルーンバーグが14名のエコノミストに行ったアンケートの平均値  -1.6%
・英不動産鑑定士協会 +1~2%
・ロイターが32名のエコノミストに行ったアンケートの平均値 +1.8%
・なんだか よく分からない会社の 聞いた事もない名前のオッサン +2~3%
・シティーバンク +5~10%

まぁ これは 全国平均ですので 地域差は かなりあると思いますが、ある不動産関連ウェブが行ったアンケートによると
33% 不動産価格は来年 上がる
28% 不動産価格の変動は ほぼ ない
39% 不動産価格は来年 下がる

これまた ほぼ 横並びとなっています。これらを総合すると 不動産価格が高騰し それにより 消費意欲が向上し インフレ懸念が発生する可能性は 限りなく低い事になりそうですね


万が一 私の予想が外れ怖い  英国のインフレ率上昇傾向が 持続性を持った場合 考えられる理由として

1)量的緩和策の継続
一応 2010年2月を持って 英中銀は量的緩和策を終了すると 市場参加者は理解していますが 何らかの理由で 2月以降も継続となった場合 市場は 流動性過多となり 資金が商品市場などに流れ インフレ懸念発生しないとも限りません。中央銀行の伝統的な役割は、流動性の供給である事は事実です。通常「流動性」というと 資金流動性だけを考えがちですが、今回の金融危機下における「流動性」は 資金流動性に加え 市場流動性 も同じくらい重要な位置を占めていると 私は理解しています。とりあえず インフレ懸念という意味からすると 資金流動性に注目でしょうか

2)財政、金融 両建ての緩和策となった場合
来年6月までに実施される英総選挙で 政権を取ると信じられている保守党が 思ったよりも 緊縮財政策を取らなかった場合 きょろきょろ 、既に歴史的な金融緩和策を取っている英国では インフレ懸念が高まらざるを得ない

3)金価格高騰
これは 最初のところでも書きましたが 現在の金価格高騰は 将来のインフレ懸念を先取りしているのでは ないか?という点


短期的なインフレ率高騰理由として筆頭にあげた VAT 15%から 17.5%へ戻る点ですが 本日 ガーディアン紙に 消費者の味方とも思える記事が載っていましたので ご紹介します

今週月曜日(28日)は 英国では 振り替え休日となりました。例年ですと 買い物客のピークは クリスマス前の週末土曜日なのですが、今年は 28日振り替え休日が 最高の買い物客数を記録。この背景としては 単なるクリスマス後のセール目当ての客だけではなく、今週金曜日(1月1日)からのVAT上げに先駆けて 安いうちに買っておこうという客が ストアーに押し寄せた為です。

見方を変えれば 前倒しで買い物をした消費者は 来年 VATが元に戻った後は しばらく消費を控えるでしょう。それを懸念した小売業者の一部は VATが元に戻る来年以降も 最初の1~6ヶ月の間 VAT据え置きキャンペーン  を繰り広げると宣言!内容は ストアーにより様々なので 一部 紹介します

・英最大手スーパー:テスコ(Tesco)
全店一斉で据え置きキャンペーンは やらず、各店舗が 独自のキャンペーンを行う。期間も 対象物品も 店舗により 様々ですが、据え置き期間は 1月末くらいまでを念頭に置いている模様

・英大手スーパー:アスダ(ASDA)
全店で販売するVAT関連商品のうち半分 (約10,000アイテム)のVAT据え置き。しかし 期間が書いてません

・英最大手デパート:ジョン ルイス(John Lewis)
2月まで据え置き。

・英カタログショッピング最大手:アーゴス (Argos)
2010年の最新カタログが出る1月末まで 据え置き

・英衣料品グループ最大手:アルカディア (Top Shop, Bhs 等)
期間は書いてありませんが 据え置き決定。
Top Shop は 若者に最高に人気があるチェーン店

しかし 悲しい ふるーつ☆Cultivation・泣(小) 事に VATを一時的に据え置きするスーパーでも ガソリンにかかるVATは 上げます。これにより 英国のガソリン代は 1月1日から リーター当たり 約2.5ペンス値上げ びっくり 。来年4月から 燃料税が上がるので その時 更に リッター当たり 2ペンスの上げ むきー! 。そして 来年12月だったと記憶していますが 原油精製所に対する優遇措置期限終了に伴う増税 リッター当たり 2ペンスくらい ´д`トホホ だったと記憶しています。原油価格が上がらなくても 英国に於けるガソリン代は 来年末までに 増税により 10ペンスくらい 上がる予定 jumee☆surprise2 。これら増税に加え 原油価格が上昇したら 私達庶民は 一体 どうすれば よいのでしょうか? orz

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最後が 


こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!
[ 2009/12/30 10:21 ] 経済 | TB(-) | CM(2)
N20さんへ。
今年はN20さんの記事のおかげで、
良いトレードが出来ました。
情報内容の的確さ、情報範囲の広さ、
共に素晴らしいと思います。
姉はロンドンにいた時に、シティの
金融関係の人に、シティで働いていて、
凄く敏腕で有名な日本人女性の
為替ディーラーさんの事を聞いた事があると申しておりました。
仕事のレベル・利益のレベルが半端ではない
ということで、大変有名な方とのこと。。
年齢がN20さん位の方と聞いているので、
もしかしたらN20さんのことなのかな。。
と先日も話をしたところです。
私は自分での情報源は限られていますが、
N20さんのブログは大変重要な情報源です。
お忙しいとは思いますが、来年もブログは
ぜひ頑張って続けてください。
毎日訪問します。
では、良いお年をお迎え下さい。


[ 2009/12/31 20:31 ] [ 編集 ]
えつこさん
あけまして おめでとうございます。身に余るお褒めの言葉を頂いて 恐縮しております。私は ごく普通の利益レベルを挙げていた凡人でしたので きっと 他の方ですね(笑) ただ 当時 ロンドンで働いていた日本人女性ディーラー、セールスは私が知る限り 3名だけですので きっと そのうちの一人の方の話しでしょう
[ 2010/01/03 08:29 ] [ 編集 ]
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プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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