マーケットから 3日間 離れていただけで こんなにリハビリが必要になるとは思っていませんでした。
このブログでは 先日に続き ドバイ やばい その3 の記事を書こうと思っておりましたが、今のところ UAE中銀による緊急流動性供給措置などにより 一時的にせよ 沈静化しています
とりあえず 私個人的には 今週の目玉として 木曜日の ECB金融政策理事会、そして 金曜日の 米NFP を考えていました。その中でも ECB理事会と その後に行われるトリシェ総裁の記者会見は 絶対に見逃せないイベントとして とらえています。ですので 本日の記事は ECB理事会に関して 書く事にしました。
木曜日ECB金融政策理事会の見所は 2点
1) 政策金利 現行の 1.0%に据え置き、金融緩和からの出口戦略の輪郭を示す見通し
2) 2010年の経済成長に関するスタッフ予想発表まず
1)出口戦略の輪郭 に関して 書きます
先週 独連銀ウェーバー総裁が 「ECBと政府による景気支援は 既に限界点に達した。これ以上 出口戦略を無期限に延期することは出来ない」 との認識を示しました。その発言と前後し ビーニ・スマギECB専務理事は 「ECBが危機対策の一部を解除した場合、金融市場は それを 利上げの下準備と みなすべきではない」 とも述べています。同時に 「出口政策は段階的に行われ、中銀が実施した非標準的措置 と 金利水準 という 2つの側面を伴う」 「出口政策が遅れるほど利上げを開始した際に調整が大きくなる。出口政策を先延ばしすれば 痛みも先延ばしできるが、最終的に 痛みが大きくなる」 と指摘しています。
簡単に言ってしまえば 中央銀行が 市場の過剰反応を恐れる為に その時に最も必要とされる決定事項を遅らせるような判断をとってはならない という事でしょうか
そして 一番最近では ドバイ・ショックが表面化する数日前に トリシェ総裁が 「非標準的措置の解除は 段階的かつ時宜を得たものとなるが、これについては 次回12月の理事会で検討することになろう」 と 語りました。
それでは ここで言う
「非標準的措置解除」とは 具体的に 何を示しているのでしょうか?私は ずっと為替畑で働いてきたので 金利方面のニュースには 非常に疎いんです

.... とりあえず いろいろ調べてみましたが たぶん これに違いないと思うものをご紹介します。
それは
12月16日に実施される 12ヶ月物LTRO (Long Term Refinancing Operations 資金供給オペ)の金利 です。
ユーロ圏に於けるLTRO (資金供給オペ) は 原則的に 期間:3ヶ月として実施されていた補助的な資金供給手段でした。しかし リーマン・ショック以降 オペ期間が多様化され 今年の春以降 1%固定金利の12ヶ月物が 導入されました。一番最初に12ヶ月物LTROが実施された今年の6月、その時の供給額は 4,420億ユーロに達しました。9月30日に実施された第2回目は 供給額が 当初予想されていた1,350億ユーロを大幅に下回り 750億ユーロに留まりました。この大幅な減額の意味するところは 銀行に対する信頼感が上昇し始め 金融市場も徐々に立ち直り 体力が回復した と受け止められいる模様。その結果 資金需要が低迷しているのであれば 今回12月16日のオペ金利が 引き上げられる可能性があっても 当然ではないか?という議論のようです
*今回のLTROも 今まで同様 1%固定金利 とする意見年末を控えている現在 わざわざ オペ基準を変更し 無駄な市場混乱を招く危険性がある事を ECBが実施する訳がない という考え方。もし この予想が当たり 1%固定金利で オペが実施された場合は、今回が最後の1%入札となる可能性が高いので 参加者が殺到し 違う意味で マーケットが混乱する可能性は あります。
今回の12月物LTROが最後となった場合 来年以降 LTROは 1,3,6ヶ月物のみとなる模様
*固定金利では なく、1%に いくらかの上乗せ金利が発生した場合ECBによる 初の金利上げ示唆と 市場は受け取り 予想以上の混乱を招く危険性があります。この時の12ヶ月物オペ金利が 12ヵ月後のECB政策金利のベンチマーク・レートとして 一人歩き

するでしょう。
この ’オペ金利に上乗せすること’は 出口戦略の一歩とみられています。
この記事の最初の部分でも書きましたが ビーニ・スマギ専務理事が述べているように 「ECBが危機対策の一部を解除した場合、金融市場は それを 利上げの下準備と みなすべきではない」 「出口政策は段階的に行われ、中銀が実施した非標準的措置 と 金利水準 という 2つの側面を伴う」 これは 正論なのですが マーケットの最初の反応は こういう<正論>は 一旦 どこかに置いといて イケイケ

・ヤリヤリ

利上げムードとなる可能性が非常に高いのではないか?と 個人的には 思っています。
そして 第一段階の興奮が少し冷めた

ところで トリシェ総裁の記者会見が始まります。たぶん 総裁自ら 決定背景の説明をされ その一言一言で また 一喜

一憂

。その後の質疑応答の時間には 記者達からの質問が多数出てくるでしょうから また あっちこっち

と振り回される。やっと一夜明けてから

言われなき興奮状態から覚め 冷静に<ECBの今後、出口戦略について>を考える事になるのかもしれません
2) 2010年の経済成長に関するスタッフ予想発表たぶん 2010年度 ユーロ圏GDPは 現在の予想 +0.2%から +0.7%くらいへの上方修正が行われると予想されています。ただ 正直言ってしまいますと 0.2から 0.7%に修正されたから 利上げ時期を急ぐというほどのインパクトなし。
2011年度 GDP予想は +1.3%、インフレ率 +1.6%と予想されているようなので 2010年に入ってから 出口戦略開始といったところでしょうか?
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