本日、ボリスは議会停会を発表しました。
* 昨日の「合意なき離脱反対集会」を受けてだと思います昨日、労働党コービン党首が野党各党の党首を招いて、集会を開きました。各党、それぞれの思惑はあるものの、ひとまずそれは一旦忘れ、「合意なき離脱は絶対に阻止しよう

」 ということで合意しました。
ここが一番大事な点ですが、この会合が開催される前、コービン党首は内閣不信任案動議提出

内閣不信任

2011年議会任期固定法(FTPA)で定められている14日間の「組閣期間」を利用して、「合意なき離脱反対暫定内閣」を樹立

コービン党首が暫定内閣の首相となる
こういうシナリオを描いていました。しかし、野党の中には、「コービン首相」の部分で
絶対に無理 


という意見もあり、昨日の集会ではこの案はひとまず保留し、内閣不信任案動議の提出は、最終手段で取っておこう!という結論となりました。
* 早速、ボリスが議会停会内閣不信任案動議の提出がないのなら、話しは簡単だ! と、たぶんボリスは思ったのかもしれません。
早速、議会停会を申し出たのです。
この提案は、エリザベス女王のところに行き、そこから機密院の判断を仰ぐ形となりました。結論から申し上げますと、機密院の幹部会みたいなエライおっさん達は、停会を認めたのです。


これが、その承認の書簡ですが、よ~く見ると、機密院の決定者の名前の中に、保守党Brexit強硬派のリースモグさんの名前があった



そうだった



ボリスは、リースモグさんを 「下院院内総務・枢密院議長」に任命してたんだ・・・ ((((;゚Д゚))))
忘れてました ((((;゚Д゚)))) ((((;゚Д゚)))) ((((;゚Д゚))))
もし、ボリスはここまで先を読んで、リースモグさんを任命していたのであれば、すごい先読み力だわ・・・ 感心したくないけど、やはり凄い
* 議会停会は、異例なことなのか?議会は、勝手に休会や停会することは出来ません。必ず議会採決を取り、過半数以上の賛成を持ってはじめて、休会が可能となります。しかし、これにはトリックがあったんですよ

それは、次の国会が再開する前に停会を決定してしまうやり方です。そして、これを実現するためには、エリザベス女王の承認と機密院のアドバイスが必要となります。
エリザベス女王は、議会停会を拒否することは、可能です。しかし、国家の君主としてニュートラルな立場を崩さず、毎週必ず一度は首相と話し合いを持ち、首相に寄り添う姿勢を見せている女王様です。もしその方が首相の考えに反対の意を示したら、Constitutional Crisis

を招くリスクが出てきます。
気になったのでいろいろ調べてみたのですが、英国議会はほとんど毎年秋に、議会停会を行なうそうです。しかし、1ヶ月かそれ以上続く停会は、戦後、前例がないと書かれていました。一番最近の停会は、4営業日だったそうです。
今回、ボリスが発表した停会は5週間に渡ります。しかし、これにもトリックがありました。 というのは、秋の年次党大会の季節ですので、もともと9月2週目から3週間に渡り、議会休会することが事前に決まっていたからです。そのため、「5週間」と数えることは無理があるそうです。最初からの3週間の休会が、ちょっぴり延びた・・・ こんなニュアンスだそうです

停会は、
9月11日くらいから10月13日くらいまで。 そして、10月14日にエリザベス女王の施政方針演説が実施される運びとなります。
いずれにしても、停会期間中、議会では何の審議もできないため、合意なき離脱反対派の議員にとっては、苦しい展開となるでしょう。
野党も、法的措置などを検討しており、スコットランドSNP党は、スコットランドの裁判所に訴訟を起こし、9月6日にヒヤリングが行なわれると発表されました。
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