本日は、英国の5月分・消費者物価指数(CPI)の発表がありました。
パッとしません
* 5月分 消費者物価指数(CPI)4月 2.4%

5月予想 +2.5%

結果 +2.4%
英国中銀のインフレ目標は、2% (±1%の幅があるので、1~3%の間に収まるのが好ましく、出来る限り 目標の2%に近いことが望まれる)
2016年6月の国民投票でBrexitが決定となり、その後のポンド急落の煽りを受け、輸入物価上昇

インフレ高騰

が続きました。
CPIは、「前年比」の数字がメインなので、国民投票以降のポンド急落のインフレ押し上げ要因も、1年過ぎれば なくなります。結果として、今年に入ってからのインフレ率は、グングン下がってきました。
が・・・・

今回発表された5月分の数字は、この期間に原油価格が急上昇したため、数字は振れるとしたら上方向 ということが、コンセンサスとなっていました。
実際に、今週木曜日に開催されるECB理事会でも一気にQE策終了の話しが盛り上がってきていますが、この背景には5月31日に発表された5月分・ユーロ圏消費者物価指数(HICP)が+1.9%となり、ECBのインフレ目標である「2%以下ではあるが、2%近く」まで一気に近づいたことを受け、6月6日には複数のECB関係者がタカ派的内容の発言をしたことがきっかけとなっています。
つまり
、「原油高」という同じ材料があるのに、ユーロ圏はインフレ上昇
英国はインフレ変わらず
こういう違った結果となったのです。
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* 英国の景気、マズイかも・・・・原油高となっても、インフレ率が上がらない。
普段の英国では、あり得ない現象です。しかし、それが目の前で起きているということは、「原油高」を相殺するような、インフレ押し下げ要因があるということになります。
そこで、このグラフを見ると、納得ですね
これは、4月から5月の間に物価がどのように変化したのかを表わしたチャートです。

(クリックすると拡大します)
運輸 (原油高の影響を受ける分野) だけ、思いっきりプラスになっていますが、
それ以外全て はい、全て がマイナスです。
住宅関連コスト、レストラン、レジャーなど、ありとあらゆる項目がマイナスでした。
私がわざわざここで書くことでもありませんが、インフレ率が下がるということは (まぁ 今回は下がらずに据え置きですが、心理的には下がった感 半端ないです) 通貨高以外の要因としては、経済の力が萎えてきていることが考えられます。
大丈夫か、イギリス

