hiroさんが コメント欄で 中国銀行が英住宅ローン市場に参入 という産経新聞の
記事リンクを下さいました。
中国銀行の話しは 先月末頃 新聞で読んだ記憶があります。しかし 特に気に留めていなかったというのが 正直な感想です。その理由は 住宅ローン貸し出し対象価格帯等で かなり規制が厳しかったからです
英国住宅ローン事情に関しては このブログでも いくつか書いています。そこから 主要事項をコペピ(一部 修正)すると....
1990年代のはじめまでの 一般的な住宅ローンとは
最大借り入れ額: 購入希望不動産価格の75%まで
借り入れ可能額: 共働きの場合 合計年収の2.5倍 / 共働きでない場合は ひとりの年収の3倍
1990年代までは 平均賃金の3.5倍が住宅価格の妥当な値段とされていましたが その後の住宅ブームの影響で 平均賃金の8倍というレベルにまで 住宅価格が跳ね上がってしまいました。
そこで 登場してきたのが 今は国営化されたノーザンロックが取り扱った イケイケ住宅ローン
最大借り入れ額: 購入希望不動産価格の125%
借り入れ可能額:
ひとり 又は 共働き合計年収が 2万ポンド以下は 3.8倍
ひとり 又は 共働き合計年収が 2万~24,999ポンドまでは 4.0倍
ひとり 又は 共働き合計年収が 25,000~34,999ポンドまでは 4.3倍
ひとり 又は 共働き合計年収が 35,000~59,999ポンドまでは 4.6倍
ひとり 又は 共働き合計年収が 6万ポンド以上は 5.0倍新聞を読む限り 中国銀行による住宅ローンの条件は かなり厳しいです
最大借り入れ額: 購入希望不動産価格の75% (個人住宅用) 65% (賃貸物件用)
住宅ローン対象となる価格帯: 10万~35万ポンド
借り入れ可能額: ひとり 又は 共働き合計年収の3倍まで
トラッカーレート: 英中銀ベース・レート+2.5% (個人住宅用)、ベース・レート+3.5% (賃貸物件用)
面接: 住宅ローン申請後 承認されるか否かは 中国銀行の住宅ローン係との面接結果による
今のところ 中国銀行が直接 TVや新聞広告等で住宅ローンを呼びかけている訳ではなく 仲介業者を通して 営業しているようです。英系銀行/住宅ローン会社と 中国銀行との最大の違いは 英系は市場から資金を調達し 住宅ローン貸し出しに当てるのに対し 中国銀行は 自行のリザーブ資金を住宅ローンに当てるやり方です。そもそも 英系銀行が住宅ローン市場に積極的に参加しない (出来ない) 理由は 以前のように市場から資金を簡単に調達出来ないからであり、その意味では 中国銀行は 本気で勝負に出るなら 今が最高の時期かもしれません。
私も知らなかったのですが 私が渡英する以前の英国では 住宅ローンを組む時 銀行/住宅ローン会社の人と 面接が必要だったそうです。私は こちらに来て 覚えている限り 住宅ローン取得時に面接を必要とされた事は一度もありません。
最後になりましたが 産経新聞の記事を読んで

になった箇所があります
10年前には平均7万5000ポンド(約1200万円)を下回っていた平均住宅価格は、中東やロシアの石油マネーの流入で高騰し、2007年には18万ポンド(約2900万円)を突破した。もちろん 中東、華僑、ロシア等の成金組が 英国の不動産を買い上げた時期もありますが 住宅バブルの一番の原因は レベレッジをきかせすぎた住宅ローンだったと信じて疑いません。これに関する記事を 以前書きましたので お時間があれば お読み下さい。リンクを
ここに載せておきます
やはり 産経新聞にも書いてありますが 英国で 不動産購入の問い合わせが増えてきているという話しは イースター頃から出ています。それに関しての記事(4月12日)は
こちらです
追記
住宅ローンには 全く関係ない話しですが
ユーロ/ドル オプション
DNT 1.3950-1.4450 が 市場の話題を集めている模様
一体 いつ 誰が作ったのか、期日は いつなのか 私は知りません
Pay-out 1,000~2,000万ドル相当だそうです
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こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!
英国の住宅バブルの原因も色々あるのでしょうが、外国人の投資よりも、ノーザンロックの「イケイケローン」等が強い追い風になっていたのもうなずけますし、そのころにバブル期の日本と同様に「土地転がし」や「家転がし」のような不動産投資が状態化していたようですね。現在外国人がいくら買いにきても、かつての「ブーム」とそれを可能にした環境の再来はなく、外国人需要だけでは住宅不況を抜け出して元に戻るには不十分であると理解しました。また、中国銀行のローン条件に飛びつける人は限定されているようですし、雇用や信用状況が劇的に改善しない限り、出口どころか、そろそろイギリスの住宅価格も戻り高値かもしれませんね。「マスコミが騒いだところが相場の天井」だそうですから。
イギリス中銀は最悪のシナリオとして、日本のバブル崩壊を念頭に行動していると以下の記事にありました。産経新聞の記事とはまた雰囲気が違いますが、簡単な話ではないと力説しています。量的緩和も今後もっと遠慮なく実施するかもしれません。
英中央銀行が恐れる「日本化」の危機
http://money.jp.msn.com/investor/mktsum/columns/columnarticle.aspx?ac=fp2009081200&cc=04&nt=04
この記事とは裏腹に、ポンドはなかなか下落しませんね。ユーロはもっと強いです。オプションを目指した動きでしょうか。
お忙しいところイギリスの事情を御教示いただき有難うございます。今後ともどうぞよろしくお願いします。