この週末、大きな出来事がありました

ラッド内務相が辞任しました。 正確に言えば、辞任に追い込まれた・・・と言っても過言ではないでしょう。
辞任するかどうかに関する議論が週末になされ、最終的に日曜日の夜遅く、正式に辞任を発表しました。
これが今朝のタイムス紙一面です。




これは笑い話になりますが、たまたま 今朝ロンドンに到着したラッド・オーストラリア首相。飛行場からの道すがら、英タイムス紙を購入し、一面を開いたら 「ラッド、辞任」 という見出しが見えたので、自分のことか?と一瞬 慌てたとそうです

英国のラッド元内務相とオーストラリアの首相の苗字が同じだったという笑い話
しかし、英国政府にとっては笑い話では済まされません。
* ラッドさんって、どんな人?ラッドさんは、メイ首相の後任? というか、最終的に首相の座を狙う人という認識で一致していました。そして、彼女は、メイ首相を尊敬しており、師弟関係的な間柄でした。
メイさんがご自分が首相になった時、自分の後任として、ラッドさんを内務相に任命しています。
* どうして辞任?これは話すと1時間も2時間もかかりますので、要点だけ
Brexitに向け、英国は移民の制限を最優先しています。つまり、これは内務省の仕事です。
移民削減を具体化するため、毎年のターゲットを設置する/しないで、揉めていました。
そして、先週 複数のBrexit関係者が議会証言をし、ラッド元内務相もその一人でした。
議会証言の席で、ラッドさんは、「移民制限の数値目標は、ない」 と証言。
しかし、翌日開催されたBrexit委員会の席では、「ある程度の数値目標は、ある」と発言を覆しました。
この発言の不一致に気付いた野党:労働党が、「ラッドさんは嘘をついている。即刻辞任すべきだ」 と始まったのです。
以前、ブログにも書いたと思いますが、キリスト教の国で最大の侮辱の言葉は、「嘘つき」 です。誰かとケンカして、「嘘つき」とその人に言ったら、それでその人との関係は終わります。そして、相手の人が万が一、嘘をついていなかった場合は、そう言った貴方が恥をかき、友達を失うでしょう。そのくらい、嘘つきという単語は、禁句です。
* ラッドさん辞任後のBrexitラッドさんは、保守党で一番か二番くらいに 「欧州寄り」の方でした。閣僚が集まるBrexit委員会でも、ラッドさんがソフトBrexit路線を主張することが多かったとも言われています。しかし、この方がいなくなった今、Breixt委員会のメンバーは、ハードBrexit路線の方がメインになったとも言われており、今後EUとの協議でも、よりハードなBrexit路線に修正される可能性も出てきたようです。
実はこれ以外にもBrexitを巡り、保守党内がゴタゴタしています。
しかし、日本では全くニュースになっていないと思いますが、今週木曜日(5月3日)は、英国の地方選挙が実施されるため、議員みんなが地方選挙に集中しています。
果たして、保守党はどのくらい議席を失うのか

かなり苦戦を強いられることは、間違いありません

この辺りについても、明日か明後日くらいに動画で配信できれば嬉しいです。
