トランプ米大統領は、「イランの核合意に関し、5月8日のロンドン時間 19時 (日本時間 27時)に決定を発表する」とツイッターに書いています。
この発表を巡り、原油市場は大きく動きそうです。
* イラン核合意って なに?2002年にイランでウラン濃縮施設が見つかったことをきっかけに、イランが核兵器を持たないよう、2015年7月に米英仏独中ロ、欧州連合(EU)とイランが「包括的共同行動計画」で合意。
これにより、イランは核兵器に転用できる高濃縮ウランや兵器級プルトニウムを15年間は生産せず、10トンあった貯蔵濃縮ウランを300キロに削減。1万9千基あった遠心分離機を10年間は6104基に限定する。 仮にイランが核開発を再開しても、核爆弾1発分の原料の生産に最低1年はかかるベルに能力を制限する。
見返りに、米欧などは金融制裁やイラン産原油の取引制限などを解除する。軍事的手段ではなく、外交で核不拡散体制(NPT)を維持した成功例として評価される一方、イランが制限付きながら核開発を続けられるため、敵対するイスラエルなどが反対姿勢を示してきた。
* 米議会とイラン核合意との関係アメリカ政府は、イランへの経済制裁再開の是非を120日ごとに議会に報告するよう、義務付けられているそうです。次の期限は、5月12日であり、トランプ大統領はその日までに、制裁再開を視野に再開条件を見直す法改正を求めています。
英国のボリス・ジョンソン外務相も、この問題についてトランプ大統領と話し合うために、現在 米ワシントンに滞在中。
* そもそも、どうして今?イスラエルが動いているようです。最近 イスラエル政府は、この計画が合意された直後、イランは秘密で核兵器開発を進めている証拠を入手したということで、イランのやっていることは、核合意に違反すると主張。
これに対し、イランはイスラエルが入手した資料は、国際原子力機関(IAEA)が既に対応した古い疑惑の焼き直しだと述べているそうです。
* トランプ大統領は、何を発表するのか?果たして、本日 トランプ大統領は、どのような決定を発表するのでしょうか? 可能性は3つと言われています。
1) ひとまず 今まで通り、制裁解除を再継続。そして、イランと協議に入る。
2) 制裁解除を打ち切り、制裁再開する。ただし、イラン産の原油を輸入する国/企業には、180日間の猶予が与えられる。この180日間の間に、経済制裁解除に合意している欧州などが、米国の解除継続の是非を判断する時間にあてられ、アメリカが制裁解除を再開する可能性も出てくる。
3) 制裁解除の即刻打ち切り。
3)になった場合は、原油価格のさらなる上昇があり得ます。
追記:私がこのブログ記事をアップした5分前くらいに、米CNNテレビでは、
「Trump to announce new sanctions against Iran but will NOT withdraw from deal
トランプ大統領は、イランに対し新しい制裁を発表か? ただし、制裁解除は継続」というヘッドラインが出たようです。これを受けて、原油急落中
