記事を書く前に 業務伝達ですが、今週は お手伝いしている算数教室の夏休み宿題準備週間となっています。ですので 今週水曜日まで 私は ほとんど 家におりません。ブログ記事の更新も たぶん 水曜日まで 出来ないかと思います。しかし 夜 寝る前に 必ず 頂いたコメントには目を通します。木曜日からは 相場に参加出来ます!
日本でも報道されていると思いますが アイスランド議会は7月16日、EU加盟交渉を始める事の是非を問う採決を実施。同議会の議席数は63である為 承認には32票が必要となる。投票結果は 賛成33票、反対28票(棄権2票)のギリギリ賛成多数

で交渉開始承認。翌日17日に アイスランド政府は 欧州連合(EU)への加盟交渉の開始を EU議長国であるスウェーデンに正式に書面申請しました。
今後の予定としては 早くて 来年2月頃から EU/アイスランド政府間に於ける加盟交渉が開始

EU加盟国によるアイスランド加盟承認

アイスランドEU加盟の是非を問う(アイスランド)国民投票 (2011~2012年)

国民投票でYESが出た場合 EU正式加盟実現 (早くて 2013年)
昨年 金融危機の直撃を受けたアイスランドは 経済再建へ向けて <EU加盟とユーロ導入>を求める見識者の声が強くなっていました。その流れを受け 今年4月25日に実施された総選挙では 早期加盟交渉の開始を公約としていた加盟推進派の社会民主同盟(SDA)が勝利。これをきっかけとして 一日も早いEU加盟が期待される筈なのですが.....
*EU加盟に関し アイスランドが抱える問題点アイスランドは 40年に渡り EU加盟国と自由な貿易ができる欧州自由貿易連合(European Free Trade Association EFTA)に参加しているだけでなく 過去15年に及ぶ欧州経済領域(European Economic Area EEA)のメンバーでもあるので 経済分野の加盟交渉は円滑に進行すると予想されています。
1)漁業権一番の問題点となるのは 漁獲量の国別割り当て。私も詳しく調べていないのですが アイスランドは漁獲海里に関する特例を受けているようです。漁業

はアイスランド輸出全体の40%、輸出収支の70%を占めており 主要産業である漁業の特例の一部放棄を余儀なくされる危険性が高い為 漁業関係者からのEU加盟反対論は 未だに高いようです。
2)民主議会制この1年 にっちもさっちも行かなくなる程の経済危機に晒されたアイスランド、それにも関わらず 未だに EU加盟交渉に反対する人がいるというのは どうしてなのか?人口 わずか 32万人の小国 (EU加盟国全体の総人口比率 0.05%)であり 加盟国のマルタやルクセンブルグよりも小さいのです。自分達の声がEU内で反映されない事への不安なのか?と思い 調べてみると 私の知らない事実を発見しました。それは アイスランド議会は 930年に誕生した世界最古の民主議会である事実。大統領も首相も全て 国民による直接投票により選ばれます。つまり アイスランド国民は 民主的決定プロセスが侵害される事を恐れていると受け取れます。事実 EU加盟が実現された暁には 法規則全体の84%はEUでの決定とされる為 これは アイスランド人にとって受け入れ難い事実かもしれません
3)雇用アイスランドがEU加盟に成功した場合 アイスランド労働市場は EU加盟国全体に解放されます。アイスランドは伝統的に 国内雇用はアイスランド人のみで賄われてきたので 労働市場解放は素直に受け入れられない人が多い
4)世論調査最近Gallupが行った世論調査によると 39%の国民がEU加盟に賛成、38.6%が反対、22%が 分からない と答えており 賛成絶対多数とは言い難い事実が浮き彫りになりました。しかし アイスランドがEU加盟に向けてEUとの交渉開始を支持するか については 60%が 支持する と答え 27%が 支持しない と答えたようです
5)ノルウェーの孤立化アイスランドがEU加盟した場合、俗に言う北欧圏(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランド)の中で ノルウェーだけが EU圏外国となり 孤立した形になります。もしかしたら ノルウェーも EU加盟に向けて動き出すのでしょうか?
*EU加盟に関し EU側が抱えるであろう問題点アイスランド国民の本音は 「ユーロは欲しいが EUは欲しくない」。

皆さんもご存知と思いますが EU加盟後 ユーロ導入が認められるには マーストリヒト収斂基準 (インフレ率、長期金利、財政収支、政府累積債務、為替安定実績)に基づき、欧州連合、及び欧州中央銀行、欧州中央銀行制度の定める基準をクリアしなければなりません。新規加盟国は、法体系の整備、収斂基準を満たすための経済運営、ERM Ⅱ(Exchange Rate Mechanism Ⅱ)への加盟を踏まえて、欧州委員会にユーロへの参加を申請し、委員会の審査を経て、ユーロ参加が認められる という気が遠くなる

ような時間が必要です
しかし 参加申請、審査を受けずにユーロを使用している国があるのも事実

。モナコ、サンマリノ、バチカン、アンドラは EU加盟国と特別条約を結んでおり 欧州議会の承認を得ています。モンテネグロとコソボは 昔 ドイツ通貨(ドイツ マルク)を自国通貨として使用していた為 特例として 現在は ユーロを使用しています。
アイスランドも 上記特例国同様 (EU加盟をしない)ユーロ使用特例国として取り扱って欲しいようですが ECB理事や ドイツ政府高官は はっきり その可能性を否定しました

。
アイスランド経済は とことん病んでいます。マーストリヒト収斂基準のひとつ 長期金利をとっても アイスランド10年債ベンチマークの金利は 約9%、ドイツ10年債金利が 3.45%程度ですので その差 5.55%。参加までの道のりは 長~~く険しいものとなるのは 間違いありません

。あるEU関係者は 「アイスランド経済に破たんのリスクがある限り、EUは加盟を認めないだろう」と述べているようですので 加盟交渉だけでも 相当の時間が必要になると予想されますね。
予想に反して アイスランド政府とEU間に於けるEU加盟交渉が順調に進み いざ アイスランド国民投票実施 となった場合 果たして楽観していて よいのでしょうか
ユーロ導入に於ける裏切りの国民投票として記憶に残っているのは デンマークとスウェーデン。デンマーク議会は ユーロ導入賛成 82%という絶対多数の賛成票を投じましたが 国民投票では ユーロ導入賛成は 47%に留まりました。同様に スウェーデン議会は ユーロ導入賛成 91%という驚くべき結果

を見せましたが 国民投票では ユーロ導入賛成は 42%

に留まりました
ユーロ加盟条件、手続きに関する記事は 以前 いくつか書いておりますが、
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