中国でG20が開催されていますが、英国からはメイ首相がはじめてG20に参加します。そのG20に先駆け、日本政府が取った 「前代未聞」の行動に英国中が驚いています


*Japan's Unprecedented Warning To UK Over Brexit今回の日本政府からの予想外の警告に対し、英国のほとんどのテレビや新聞での報道では、このタイトルが使われていました。
日本語に訳すと、
「Brexitを巡り、日本から英国に向けた前代未聞の警告」日本政府が作成した15ページに渡る問題の書類 (英語版) の日本語版がないかと思い、日本の外務省のホームページを探してみたら、
日本語のレポート がありました。
*日本から英国/EUに対する18の要求【英国及びEU双方への要望事項】
・ 現行の関税率や通関手続等の維持
・ 原産地規則の累積規定の導入
・ 英国籍・欧州大陸籍の労働者へのアクセスの維持
・ 金融単一免許制度を含む金融サービスの提供及び設立・開業に関する自由の維持
・ 国境を越えた投資・サービスやグループ企業間を含む資金移動の自由の維持
・ 情報保護の水準とデータ移転の自由の維持
・ 統一的な知財の保護
・ 英・EU間の規制・基準の維持(既に確立している相互承認や同等性の枠組みの維持を含
む。)
・ ユーロ決済センターの機能,欧州医薬品庁等の英国内EU機関の立地等の利便性確保
・EU研究開発予算へのアクセス,日EU共同研究開発への英国の関与
【英国のみに対する追加的要望事項】
・ 関税や税関手続等の負担の無い物品貿易の自由
・ 必要な技能を持つ労働者へのアクセスの維持
・ 外資参入に係る基本政策の維持
・ 投資促進策の実施
・ 独自のデータ保護法制を制定する際の情報保護の水準とデータ移転の自由の維持
・ 英国の独自規制・基準のEUの規制・基準との整合性の確保
・ 英国研究開発予算へのアクセス
【EUのみに対する追加的要望事項】
・ 単一免許制度に係る経過措置等の導入
*どうして、こんなに話題になっているのか?「物言わぬ日本」 が 突如として世界で一番最初に英国に問題提起をしてきたことが、最初のショック

だったと思います。
英国はまだ、どういう形でEUから離脱するか、何も決まっていません。EU単一市場には残らず、他のつながり方を選択するというのが、現在一番あり得る形のようですが、それについても、まだ何も確固とした 「概要」 が出来上がっていません。
英国とEUとの間では、英国がEU基本条約50条(離脱の手続き)を行使しない限り、
事前の話し合いは一切禁じられています。つまり、まだ話し合いは始まっておらず、個別の要求を英国にしてきた国は前例がないのです。そこにきて、
メイ首相と安倍首相は、公式会談 (お互いの自己紹介) をまだやっていない + メイ首相にとって、はじめての国際舞台で、自分達の要求/手の内を見せてきた最初の国が日本だったのです。当然ですが英国政府も英国民も驚いています。
とにかく驚きのあまり、全ての英国の新聞とTV局が報道していました。それら全てをざっと読んでみたところ、「日本からの脅し」 「恐ろしい警告」 「非常に強い口調で書かれた要求と警告」 「前代未聞の警告」 などという表現が使われています。
ただし、個人的には、2国間の公式首脳会談をせずに、このような要求をしてくるということについては、タイミング的/内容に関してとっても驚きましたが、英国政府が日本政府からの警告を歓迎しないか?と言われれば、どうかな?と思いました。
海外の国が、Brexitについて、こういう要求をしてくるんだ... それが分かったことは、良い面もあるのではないでしょうか?
上田ハーローFX
さんでキャンペーン始めました!
キャンペーン期間中に新規口座を開設し、翌月末の預かり保証金残高が20万円以上ある方全員に、「松崎美子のロンドンFX」をプレゼントいたします。著書を読んで、「視る」ブログをう~んと活用しましょう。