週末のFT紙を読んでいたら、結構判りやすい記事が載っていたので、ご紹介します。
昨年はユーロ圏債務危機が収束したことを受け、今年はユーロ圏の経済回復に期待する声が多かった。景気回復と平行して、失業率も改善し、企業投資も活性化する筈であった。
ところがいざ蓋を開けてみると、第2四半期のユーロ圏は、ゼロ成長に留まり

他の主要国と比較すると、欧州の出遅れがやけに目立つ1年になりそうである。しかし、心配はそれだけでなく、域内のデフレ懸念とスタグネーションという2つの「恐怖」


を撃退するため、加盟国政府や金融関係者が全力投球しているのか?についても、疑問符

が生じることとなった。
ユーロ圏の経済規模は、リーマンショックが起きた6年前と比較してまだ小さいままであるし、失業率は2桁のまま、加盟国によっては債務残高も高いままとなっている。
Q: ユーロ圏の景気回復は、一体どうなっているのか?Q2GDP速報値を見る限り、域内の30%の経済規模を誇るドイツは、マイナス成長。フランスも2期連続ゼロ成長となっており、ユーロ圏の2大経済大国は、予想を下回る結果となった。3番目のイタリアは、この6年で3度目のリセッション入りが確実となってしまっている

それとは対照的に、周縁国と呼ばれるスペインやポルトガルでは、強い経済成長が確認された。これは非常に喜ばしいことであるが、この2カ国だけでユーロ圏全体を引っ張っていくだけの力はない。
ユーロ圏の経済大国を取り巻く状況が早急に回復しない限り、周縁国がこのまま好景気を維持できるのかについても、疑問が残る。
Q: 今回の弱いGDPは、一時的な現象か?ほとんどのエコノミストは、ドイツのマイナス成長は、一過性のものという認識を持っているようだ。ドイツ統計局は、地政学リスクによる輸出の落ち込みや企業投資の減少が、今回のマイナス成長の大きな要因であると分析している。
ドイツの個人消費は引き続き健在で、ウクライナ/ロシア危機が今後大幅に悪化しない限り、Q3も引き続き堅調に推移すると見られている。
Q: それでは、フランスとイタリアは?この2カ国は、たくさんの問題を抱えている

そして、今年下半期に、大きく経済が持ち直すとは、考えにくい。
ドイツ銀行のエコノミストによると、フランスは、国内外両方から信頼と自信を取り返すような経済対策を打ち出すことに、苦慮

しているようだ。「フランスは、にっちもさっちも行かなくなっている」

ECBが発表したユーロ圏・2014年GDP予想は、+1%となっているが、この数字は楽観的すぎるようだ。このままでいけば、ECBは量的緩和策(QE)の導入実施への圧力が、かかるであろう。
Q: ECBはこれ以上の追加緩和策導入を実施するのか?それは、まだわからない。
ドラギ総裁は、ユーロ圏経済の回復度合いは依然として脆弱で、まだらであると語った。しかし、この背景にあるのは、加盟各国政府の努力不足であるという認識をもっている。特にフランスとイタリア政府に対する不満は、決定的だ。
たぶん、ドラギ総裁の意見は、「加盟各国政府が早急に構造改革に着手しないのであれば、ECBも追加緩和策の導入には、動かない」というものであろう。

現在のところ、ECBが年内にQE策導入に動くと見る意見は、そう多くない。それよりも、6月の追加緩和パッケージの効果を見守るという姿勢が強くなりそうである。
楽観的な見方としては、年末までにユーロは更に弱くなり、9月と12月に実施される条件付LTRO (TLTRO) のおかげで、企業融資が増加することに、期待がつながる。
悲観的な見方としては、6月の追加緩和パッケージの効果を見守るという姿勢は、そもそも間違いである可能性が高いというものだ。
もし悲観的な見方が正解だとすれば、ここからの低インフレや低成長傾向は今秋も継続し、QE策導入に対するドイツの抵抗が少なくなることが予想される。

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