
自分で言うのもなんですが、私はいままでずっと、ドラギECB総裁に好感を持っておりました。しかし、本日を持って、その好感度は一気に地の底まで落ちてしまった感じです。
この記事 でも長々と書きましたが、3月のECB理事会で追加緩和策導入がなかったことは、私には不思議でした。それにもまして、インフレ率を押し下げる要因となるユーロ高に対する言及が一切なかったことにも、もっと驚きました。
*ユーロ高けん制発言本日講演されたドラギ総裁は、
・ECBは、ユーロが強い状態が続いていることをうけ、デフレ懸念をあおることを防ぐために、追加政策の導入準備をしている
・デフレリスクは、限定的
・低インフレ状態が長期化してしまうと、デフレリスクを助長してしまう可能性も高まる

3月の理事会後の記者会見では、最近のユーロ圏は、景況感が高まってきており、景気回復に向けて頑張って進んでいく みたいな発言をされていて、「やけに強気だわ...」と驚いていたのですが、急に方向転換しています。
*ユーロ実効レートこの記事 でも書いたように、ユーロは私が今回の上げの上限と見ていた1.3970を本日ほぼ達成してしまいました

なので、そろそろ口先介入でるな、とは思っていたのですが、今日だとは夢にも思ってませんでした。
先ほどのリンク記事でチャートを確認して欲しいのですが、もしドラギさん率いるECB理事会が、トリシェ前総裁時代と同じ価値観を共有しているのであれば、そろそろ口先介入が出てもおかしくないレベルなんですね、実効レート...
一応レベルだけ繰り返しておきますが、
トリシェさんが口先介入されたのが、実効レートのレベルでは、106~109あたり
3月ECB理事会の日の実効レートは、103.9450
本日は、105.0978トリシェさんが口先介入したときは、その後も数日間 ユーロは上げて、その後急落

2度目の口先介入の時には、その後数ヶ月に渡り、ユーロは上昇

その後、急落

しかし、数ヵ月後にはまた上昇し、トリシェさんが口先介入したレベルより高い実効レートが1年近く続いていました。
なので、一筋縄では行かないかもしれませんね、これ...
ていうか、ドラギさんが仰る【追加緩和策】がなんであるのか判りませんが、先日の会見での発言を聞く限り、SMP不胎化の停止ではないでしょうが、残る選択肢は
いきなりのマイナス金利、SMP不胎化の停止(まだ拘ってます、私...)、長期物LTROの再導入、銀行の預金準備率の引き下げ/撤廃、QEの実施、BOEが実施したFLSの欧州版の導入くらいしか、いまのところ頭に浮かびません。
QEの実施とOMTとは内容が全然違う点も理解したほうがよいかもしれません。
この記事 からの抜粋になりますが、
>>>
まずFRBやBOEが実施したQE(量的緩和・資産買い入れ策)を振り返ってみると、いずれの中央銀行もこのQE策を通じて自国の国債を購入しています。ECBがこれと同じ形のQEを導入した場合は、ユーロ圏加盟各国のECBへの出資比率にあわせて、各国の国債を購入することになります。出資比率は、各国の人口とGDPのEU全体に占めるシェアを勘案して決定されていますので、当然、ドイツやフランスの国債を大量に買うことになります。
本来であれば南欧州各国の国債を購入したほうが、ユーロの安定にはより多く寄与しますが、 QEは、南欧州の中でも、特にスペインとイタリアの国債利回り低下を念頭に置いて作成されたOMT(Outright Monetary Transactions 国債購入プログラム)と、この点が決定的に違ってくるのです。
そのため、ECBがQEを実施したとしても、恩恵を受けるべきスペインやポルトガルの国債は何のメリットもなく、既に利回りが相当低くなっているドイツなどの国債が大量に買われてしまうため、ECBがFRBやBOE式のQEに動く可能性はないに等しいと、私は考えています。
言葉を変えれば、今までとは全く違う形でのQE策が出来上がり、ECBがデフレ対策としてそれを導入するのであれば、ユーロという通貨にどのような影響を与えるのか、非常に興味深いと思っています。<<<
最後になりますが、以前から何度も書いておりますが、ECBの責務は、物価安定の維持であり、それを遂行するために、2%というインフレ・ターゲットを設定しています。ターゲットを導入しているECBにとって、デフレ容認はあり得ないことだと私は信じています。なので、3月の理事会結果とドラギ総裁の記者会見には非常に違和感を持ってしまったのです...
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