日本では馴染みがないかと思いますが 英国は 本格的な予算案 (3月) 以外に 予算編成方針 = プレ予算案(
PBR Pre-Budget Report) が 予算年度の中盤に発表されます。PBRとは 英国の経済に関する最新の予見と、公共予算に関する予測、そして政府が2009年度予算が成立される前に検討している改正に関しての情報などが記載されています。今年のPBRは 来週月曜日(11月24日)英国時間午後3時半より ダーリング英財務相が発表します
世界的金融危機の真っ只中、先週のG20緊急首脳会合の席で 財政措置を通じた早急な協調行動を訴えた英ブラウン首相。その言葉通り 今回のPBRは 借り入れ増による減税、公共投資の前倒しなどを盛り込んだ景気対策を発表する見通しとなっています
*減税自分の口座にお金がなければ (お金を)借りて 消費に廻していた英国人

、その行動は 英国政府も全く同じ。16年に及ぶ好景気の間ですら 借りて使う行為を繰り返していた英政府ですが、最大の金融危機の現在 借り入れるお金がありません。

IMFはG20後 ブラウン首相が提案した<世界各国協調>による景気刺激策の必要性を強調、刺激策の規模として
自国のGDPの 2% という数字を提示しました。英国ですと GDPの2%は 約300億ポンド規模の刺激策となります。今回のPBRでは 当初 約150億ポンドの刺激策が予想されていましたが このIMFの一言で 一挙に2倍になってしまいました

大雑把な捉え方として もし 政府が300億ポンド規模の減税をした場合
各所帯に対し1,000ポンドの減税が 行なわれる事になります。この金額が大きいと感じるか否かは その所帯の住宅ローン残高や 今後の雇用状況に かなり左右されてしまいますね。私は個人的に 減税よりも 住宅ローン金利下げの方が ありがたいですが.......
では 減税と言っても どの税金をカットするのが一番効率がよいのでしょうか?
政府は クリスマス

が近い事を重視し 即効性のある減税を考えているようです。所得税カットという話しも聞こえてきますが 所得税ですと 実際の減税が開始されるのは 2009年税制年度が始まる2009年4月、これだと 今年のクリスマスに間に合いません

私は税金についての知識 全くないのですが、社会保険料は 週ごとに調整が出来るらしいんですね。だから これに手を付けるのでは ないか?というのが 一般的な予想のようです。しかし どの程度の調節になるのかは 全く不明
*低所得者優遇低所得者家庭の光熱費手当て 的なものが発表されるみたいです。
*公共投資の前倒し来年度以降 建設予定の学校、病院等を前倒しし 雇用創出を狙うみたいです。
英国の失業者は 来年末までに 300万人まで増えるという予想が出ており 政府の<失業保険>給付額も それに比例して増大します。ですので 一石二鳥効果を狙い 公共施設等の前倒し建設が噂されています
*注意点
PBRの内容以上に注目されるのは 政府が どこまで借り入れを増やすのか です。以前 このブログにも書きましたが 英政府による止まらぬ借り入れを嫌気した世界の投資家達が 英国債(Gilts)の投売りをしました。
(PBR発表後) 来週火曜日以降 英国債売り(イールド上昇)が現実となった場合 それは 世界の投資家達が 英国政府に対し ”もういい加減に借金漬け政治を止めたらどうだ?”

という姿勢を明確にしたと理解して よいかと思います。その際には 再度 ポンド安が進行せざるを得ないでしょう

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ありとキリギリスじゃないけど、そろそろその生活習慣病を直さないといけないときかもしれませんね
今日のポンドは議事録注目しています