先週10月21日 欧州版政府系投資ファンド(EU SWF)設立を提唱しましたが EU加盟国のどこからも賛同の意を得られず

不貞腐れていたフランスのサルコジ大統領

。2日後の23日に 自国でフランス版SWFを設立する予定があると発言。設立を決断した理由として ”半年後のある朝 目覚めた時

フランスの名だたる企業達が 海外資本の手に渡ってしまった後だった。そういう事実を許した大統領として 自分の名前を残したくない” と語っていたそうです。
今迄に このブログでは
SWFに関する記事を 3つ書いていますので SWFって なに

という方は 是非 お読みください。フランス版SWFと 既存のSWFとの決定的な違いは フランス版は フランス企業の他国による買収防衛と 中小企業の保護 という国益優先に主眼が置かれている事です。つまり 世界的な金融危機の打撃を受けた企業の株式を取得し、「収奪者」から守る という非常に保護主義の強い内容となる点です。
SWFの運営は 国営フランス預金供託公庫(Caisse des Depots et Consignations)が行い SWFの規模は まだ 公表されていません。早ければ 今年の年末にも活動開始となる予定。大統領によると、政府系ファンドは安く資金を調達し、取得した株式をいずれ売却することで利益を得ることが可能だとしています。
どうして 他の欧州諸国が フランスが提唱したSWFを受け入れられなかったか と言えば、ドイツやイタリアでは 外国籍SWFによる投資への規制法案を模索しているのに対し、スペインはアラブ諸国のオイルマネーによるSWF投資を積極的に受け入れている

、つまり 各国がSWFに対し 違った考え方を持っているからのようです。
話しは逸れますが
ウインブルドン現象という言葉を御存知でしょうか?ウィキペディアを見ると
市場経済において自由競争が進んだため、市場そのものは隆盛を続ける一方で、元々その場にいて「本来は地元の利を得られるはずの者」が敗れ、退出する、あるいは買収されること。 競争により活性化し望ましいという見方と、在来のものが除外され望ましくないという見方がある と書いてあります。私は この目で ロンドン・シティーで繰り広がれるウインブルドン現象をずっと見る機会に恵まれましたので 今回 サルコジ大統領が提唱したSWF設立には 同意しません。

世界的金融危機、リセッション、失業と フランスだけでなく 世界中が戦々恐々としています。特に金融界では 優秀な人材が失業し 職を探して右往左往しています。こういう時だからこそ フランスに必要なのは 企業家精神を盛り上げる対策なのでは ないでしょうか?現在 失業中の優秀な人材の中には 政府の金銭的/技術的援助や 税的優遇があれば 新しい事業を立ち上げるだけの力がある人(集団)が 必ず いる筈。SWFに廻す資金を こういった将来の企業家達への投資に廻すという発想は ないのでしょうかね?順調に行けば これにより生まれた会社が フランスを代表する企業に育ち 雇用を生み出す事にも なりますよね。
それとも 私が唱えているのは あくまでも 理想論で 現実は そんなに甘くない という事なのでしょうか?

SWFとは そもそも オイルマネー(中東 、ノルウェー、ロシア) 又は 豊潤な外国準備金(シンガポールや中国)が財源となって出来ています。これらの国々は それぞれの手段で得た収益に対し 投資の多様化を求め SWF設立に踏み切りました。その点でも フランス版SWFは 全く 形の違った出来方、投資方法をする事になります。もしかしたら 金融危機が深まれば深まるほど フランス同様 (投資の多様化を目指す事をせずに)自国の国益重視で運用先を設定するようなSWFが 続出する事になるのかもしれませんね。その筆頭は 日本でしょうか?
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