欧州委員会は、ドイツの経常黒字について調査することを決定したようです。
え?

黒字なのに調査って

と驚かれる方もいらっしゃると思いますが、これには深い訳があります。
そもそも...の背景説明をするには、1時間のセミナーをしなければならなくなるため

簡単にしますね!(これは、パワポを使ったほうが、ずっと判りやすいかも...)
*財政統合に向けた動き1)安定成長協定(SGP Stability and Growth Pact)ユーロの価値の安定を目的として、1997年に合意。具体的な内容は
・毎年の財政赤字対GDP比を3%以内に抑える
・公的債務残高対GDP比で60%以内に収める

これは、ユーロが導入された当時の収斂基準と同じです。

その後、ギリシャをはじめとする加盟国の債務問題の悪化

を受け、「ユーロ圏加盟国の財政に対する相互監視機能の強化」が必要であるという認識で一致しました。
2)シックス・パック2011年12月に、5つの規制と1つの指令「シックス・パック」が導入。この導入により、今までの赤字対GDP比3%や公的債務残高対GDP比で60%という
財政基準だけでなく、マクロ経済不均衡にも焦点を当て、その部分でも相互監視を徹底しよう!という動きになりました。
*ドイツの経常黒字について今、説明したシックス・パックでは、財政相互監視に加え、マクロ経済不均衡是正策(MIP Macroeconomic Imbalance Procedure)により、加盟国の経済状況を監視し、もし不均衡が見つかれば早期是正に取り組む仕組みが導入されました。

このMIPにはいくつもの【評価項目】があるのですが、その筆頭として書かれているのが「経常収支の過去3年後方移動平均」というよく意味がわからないもの

があり、内容をみると
『GDP比6%以上の黒字、もしくは、4%以上の赤字」と基準が設定されていました。
欧州委員会が、上記いずれかの条件に該当する加盟国があると認定すると、過剰不均衡是正手続きというものが発動されるようです。
当該国は、欧州委員会が定めた期限内に、是正行動計画書の策定を義務付けらえており、この中で是正方法の詳細や、実施日程を明記しなければなりません。もし、この是正策内容が不十分と判定された場合、ドイツはGDPの0.1%に相当する課徴金が課されます。




たぶん、現在の段階は、ドイツでマクロ経済不均衡があったと欧州委員会が認定した段階なんじゃないか

と私は理解しています。
先日行われたバローゾ欧州委員長の記者会見では、「大幅な黒字は必ずしも不均衡を意味しない」と言いながらも、「詳しく調査し、ドイツの高水準の黒字が欧州経済全体の機能に影響しているかどうか把握することは必要だ」と述べていました。
とりあえず、本日の段階で判っていることは、欧州委員会は来年2~3月までに調査を終える見通しで、黒字が過剰でありドイツや欧州の経済に悪影響を及ぼしていると判断した場合、是正措置を提言する見通しのようです。
*レーン委員の発言たしか先週だったと記憶していますが、レーン委員は「今年6月のEUサミットで、ドイツは国内の需要を高め黒字対策をするよう、勧告を受けている」と発言しています。
南欧州各国はデフレや財政赤字に悩んでいる

のに対し、ドイツが一人勝ち

している情況を少しでも緩和し、域内の不均衡を是正するために、赤字だけでなく黒字にも焦点を当てたことは、物凄い前進だと私は思っています。
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EUにはこんなのもあるなんて。。。ビックリです。
財政統合される日は本当に来るんでしょうか。。。