このすぐ下の記事の続きです。
*ベルルスコーニ元首相に関する伊上院での公聴会イタリアの憲法では、首相在職中は刑事訴追の対象外とする免責法を2008年に制定しました。今回のベルルスコーニ元首相の有罪判決を受け、イタリア上院では判決結果に「訴追免責」が当てはまるのか?に関する採決を、早ければ9月末にも実施する予定でいると伝えられています。
昨日(9月9日)、訴追免責適用に関する公聴会が上院特別委員会で始まりました。ここには23名の上院議員が選ばれ、出席していると伝えらえており、この23人のうち少なくとも14人が同氏の議員資格剥奪を支持するとみられています。
同氏の有罪判決決定による議員資格剥奪の最終決定は、この上院特別委員会での審議の後、上院本会議において採決が取られ、それで最終決定となる見込み。
*ベルルスコーニ氏の動き同氏の弁護士は、フランスのストラスブールにある欧州人権裁判所に、この問題を持っていきました。
「え?人権裁判って、どういうこと?」と思って調べてみると、イタリアでは2012年に「イタリア議会に属する議員で、2年以上の有罪判決を受けた人物は、議員資格を剥奪される」という法が設定されたそうです。
これに対し、ベルルスコーニ氏の弁護士は、
1)同氏の有罪判決は、政治的な圧力で決定されたもので、そもそも有罪判決自体が間違っている
2)有罪判決の対象となった脱税は、この法律が設定される以前に起きた事件なので、対象外となるべき
3)
(追記) 有罪判決の対象となった脱税やそれに絡む問題は、汚職防止法が設定される2012年12月より以前に起きた事件なので、対象外となるべき
以上の3点を訴えており、少なくともこの人権裁判所での判決が言い渡されるまでは、同氏の有罪判決は最終決定とは言えない

イタリア上院特別委員会での審議は見送られるべきであると主張しています。
同時に、この弁護士は、ベルルスコーニ氏の有罪判決について、欧州最高裁に持ち込む用意があるとも語っている模様。
ちなみに、問題が複雑なため、人権裁判所での判決には、少なくとも3~4ヶ月かかるようです。
*ここからの注意点泣いても笑っても、有罪判決

議員資格剥奪に関する決定は、イタリア上院が握っています。
人権裁判所の判決を待つか、待たずに採決を実施するのかは、わかりませんが、現在の報道を読む限り、待たずに採決する可能性が高そうです。
いろいろな情報を集めた結果、上院での採決は、早くて今月末という予想もありますが、ほとんどの報道を読む限り、今後1ヶ月後、つまり10月上旬という線が妥当のようです。
*最悪の場合同氏の議員資格が剥奪

PDL党の連立脱退

レッタ政権も崩壊寸前

とりあえず最優先問題である選挙法改正を片付ける

早期解散総選挙

来年の春に総選挙実施
こんな感じでしょうか?
いずれにしても、今年に入ってから鳴りを潜めている【ユーロ圏債務危機】問題が、これがきっかけとなり新たな危機がイタリアから出てくるかもしれません。
このように政局が不安定の中、イタリアは予定通り、今週木曜日に国債入札を実施すると発表しました。
MNI社の報道によると、9月12日(木)には最大55億ユーロ規模の入札が行われ、内訳としては、3年物国債が最大40億ユーロ、10年物が同じく最大15億ユーロとなる模様です。
読者の方でもお気づきの方がいらっしゃると思いますが、最近のイタリア長期金利(10年物国債利回り)はスペインと同レベル(4.5%台)まで上昇し、両国のイールド・スプレッドがほぼゼロとなっていましたが、とうとう本日イタリア>スペインと逆転しています。
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