イギリスの財務相は 年に一度、英国の代表的な政治・経済・金融関係者に対し、英国経済・金融・財政状況を説明する機会が与えられ、これを『マンション・ハウス・スピーチ』と呼びます。このスピーチを通して、財務相が<自分の言葉で自由に英国経済について語る>のが趣旨とされています。このマンション・ハウス・スピーチがいつから始まったのかは判りませんが、1911年のスピーチ原稿が存在するところを見ると、かなり古い習慣のようです。
このスピーチは伝統的に毎年6月中旬の水曜日に行われるのですが、今年は今週水曜日(6月19日)の夕方に決定

日本では全く無名のスピーチですが、ここイギリスでは、金融関係者の間では知らない人はいない有名なスピーチ

と位置づけられており、注目度

も高いですね。
*ここだけの話し...私がまだ現役で働いていた当時は マンション・ハウス・スピーチがある夕方は、ディーリング・ルームに残らされました。財務相や中銀総裁が、結構きわどい発言

をするので、ポンドが右往左往したからです。私は当時イギリスの3大銀行のひとつで働いていたので、うちの銀行の会長は当然マンション・ハウスのディナーに招待されていますから、財務相や英中銀総裁のスピーチや<ここだけの話し>を直接聞く機会に恵まれていました。マンションハウスの翌朝、ディーリング・ルームの朝のミーティングでは<ここだけの話し>の内容も含め、そこから考えられる今後の金融政策や金利・通貨動向を話し合ったものでした。
*マンションハウス・スピーチの名前の由来どうして マンション・ハウス・スピーチと呼ぶかと申しますと このスピーチがマンション・ハウスで行なわれるからです。マンション・ハウスとは、公式にはロンドン特別区の区長公邸の事です。ロンドンには33自治区あり、ロンドン金融界・シティーは このロンドン特別区内に存在します。ロンドンに観光・商用目的で来られた方でしたら、バンク駅と言えば”アッ!行った事あります”という方も多いと思います。バンク駅で電車を降り階段を登って地上に上がると、すぐ目の前にあるのが英国中央銀行(バンク オブ イングランド)、通りを渡って右にあるのが王立取引所(ローヤル・エクスチェンジ)、反対にバンク・オブ・イングランドから通りを渡って左にあるのが’’マンション・ハウス’’です。
*今年のマンションハウス・スピーチの内容予想2008年のリーマン・ショック後に一部国有化されたRBSやロイズ銀行。その民営化について話しがあるようです。
現在英国で予想されている内容や雑感などについては、6月18日(火曜日)にセントラル短資FXさんで行う『英国・欧州の経済・政治・金融と為替動向』のWEBセミナーで直接お話しする予定です。
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