今週月・火曜日はお休みを頂き、温泉

などにも行ってきました。楽しい仲間との集まりで、だいぶ心が元気になったのが、一番嬉しいです



さて、仕事に戻りますが、昨日と本日2日間に渡り、ドイツ連邦憲法裁判所は、欧州中央銀行(ECB)の新たな国債購入プログラム:アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)と、ユーロ圏の恒久的救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)について審理を開き、承認するかどうか判断します。
*今回の動きの発端昨年9月、ドイツ憲法裁は一定の条件付きでESMと財政協定の批准を認めるという合憲判決

を下しました

ここでいう「一定の条件」内容ですが、今後ドイツからESMへの負担金を積み増す必要性が生じた場合、独議会の承認を得る必要があるというものとなり、議会に将来の負担増に対する拒否権を与える形となりました。
今回の公聴会では、OMTの部分にスポットライト

が当たっています
*判決の言い渡し時期この公聴会が行われるという話しが出た当時は、早ければ数週間以内にも判決が出るのではないか?というのがコンセンサスとなっていましたが、最近になってからは、9月のドイツ連邦議会選挙(総選挙)を控えているため

判決は選挙後になるという見方が一般的です。
*公聴会でのみどころ欧州の市場では、この公聴会の話しでもちきりですが、その理由を説明します。
この公聴会に出席する主なドイツ人メンバーは、ショイブレ財務相、ドイツ連銀総裁のバイトマン氏、アスムセンECB理事となっておりますが、ショイブレ財務相は初日のみ。そして残りの2人が、今回の公聴会では全く反対意見を持つ立場として出席し、真っ向から対決

する形となるからです。
*バイトマン連銀総裁の立場OMT反対派


バイトマン総裁は、ドイツ連銀の立場を代表した意見を述べることになります。今回の公聴会に向けて作成された書類によると、連銀の反対理由として
・欧州通貨同盟の継続/維持させることは、ECBの責務では、ない
・OMTでは1~3年物国債の購入を約束しているが、果たしてこの短期債だけの購入だけで有効な手段となり得るのか?
・債務超過の国の財政政策を救済するということは、ECBの責務を完全に超えている
*アスムセンECB理事の立場OMT賛成派


ユーロ加盟国、特に南欧州各国の長期金利上昇が過度になってしまった場合、ユーロ崩壊のリスクが生じる。このリスクを最小限に食い止め、金融市場の安定を維持することはECBの責務の範囲内である



つまり同じドイツ人で、ECB金融政策理事会に一緒に出席しているバイトマン連銀総裁とアスムセン理事が、今回の公聴会では全く反対の立場として、対立することになってしまいました
*ドイツ憲法裁に関する予想ドイツ憲法裁には、ECBに対し「ああしろ、こうしろ」と命令を出す権限は、持ち合わせておりません。しかし、判決内容によっては、
今後ECBがスペインやイタリアの国債を大量に購入し続けるような状況になった場合、ドイツ連銀がOMTに参加することを禁止させる権限は、持っています。ギリシャ、ポルトガル、アイルランドと債務危機が拡大したにもかかわらず、今年になってからユーロ圏が平穏でいられるのも、OMTのお陰であると言っても過言ではないでしょう。それを根本的にくつがえるような判決内容となった場合、ユーロ危機再燃というリスク

も出てきます。
文頭で書いたように、昨年9月に憲法裁は条件付きでESMを認めています。今回、OMTに関しても条件を付けたり、最悪の場合は違憲判決などが出てしまった場合には

ドイツのユーロ離脱にも繋がりかねないという判事の意見もあるようです。個人的には、ドイツがユーロから出るという選択はあり得ないと信じていますが、憲法裁のユーロ専門判事がこのような見解を述べているという点が気になりました。
最後になりますが、他の意見としては、ECBの権限に影響を及ぼせない独憲法裁は、それが出来る欧州司法裁判所の判決を仰ぐという選択もあり得るのではないか?という見方もあるようです。
いずれにしても、欧州ではこの話題でもちきりとなることは間違いありません。判決結果が9月の選挙後となった場合でも、バイトマン・アスムセン両氏の発言が市場にもれ、それがユーロの動きに繋がる可能性もありますので、ご注意ください。特に南欧州各国の10年もの国債利回りには要注意!

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