英中央銀行(BoE)金融政策理事会が本日より2日間に渡り 始まりました。明日木曜日 ロンドン昼12時に政策金利が発表されます。ロイターによると
72人のアナリスト全員が 変更なし との予想をたてているそうです。私も今回は 変更なし予想です
変更なしだったら ポンド どうなるんですか

という素朴な疑問を みんな 持ちますよね、私も 同じです。先日 頂いたコメントの返事にも書いたと思うのですが ポンドって 今年になってから ファンダメンタルズでは売り、テクニカルで買い という相反する力により あっちに引っ張られ こっちへ押しやられ を繰り返してるように感じます。昨年11月に2.11をつけてから 年初には1.9336まで落ちました。5月に再度1.93台へ突入しておきながら 安値更新に失敗、しかし マーケット参加者は 戻ってもたかが知れてる、もう流石に 2.0000台は無理だろう と決めかかり 買いから入ろうとする人は皆無、みんながみんな 上がったら売り、更に上がったらナンピン売りの繰り返し。ナンピン売りの翌日 朝起きて ポンドが全然下がってないのを見て

気味悪くて 損切り

という展開だったと思います。ストップ用の買い以外 一体 誰がポンドを買っているのか?英国籍企業合併の為のポンド買い以外にも需要はあるのか?

IMFが発表した数字で面白いものがありました。
IMF 世界各国の中央銀行保有の外貨準備金の内訳です。リンクを貼っておきましたので 時間がある方はご覧下さい。
下記の数字は 全て 百万ドル単位です
1999年第1四半期外貨準備金合計 1,606,057
ドル建て 882,325
ポンド建て 34,015
ユーロ建て 224,936
2006年第1四半期外貨準備金合計 4,357,993
ドル建て 1,952,973
ポンド建て 115,857
ユーロ建て 720,098
2007年第1四半期外貨準備金合計 5,362,392
ドル建て 2,257,764
ポンド建て 154,960
ユーロ建て 879,752
2008年第1四半期外貨準備金合計 6,873,920
ドル建て 2,723,029
ポンド建て 203,067
ユーロ建て 1,158,409
2006年第1四半期~2007年第1四半期の1年間に於ける増加率は 外準残高全体 +23.0%、ドル+15.6%、ポンド +33.8%、ユーロ +22.2%。2007年第1四半期~2008年第1四半期の1年間に於ける増加率は 外準残高全体 +28.2%、ドル+20.6%、ポンド +31.0%、ユーロ +31.7% となります。つまり ポンドはここ数年ずっと 30%を越える伸び率を示しています。たぶん これは ポンドが他の主要通貨に比べ 常に高い水準の金利を維持している事によるのかもしれません。こういった外準用のポンド買いが後を引かない為
ポンドは金利水準が今後 大きく下落するというコンセンサスが一般的になるまでは いくらファンダメンタルズが悪くても 大暴落が望めません。
それでは いつになったら <期待の>大暴落

が起こる可能性が出て来るのか ですが、一番早い時期として 8月発表のBoE四半期インフレーション・レポート辺りと睨んでいます。その理由は キング総裁をはじめBoE理事達は 年内インフレ4%台突入確実 という見方を崩しません。しかし 今 英国を襲っているインフレは 英国発のインフレではないので BoEとしても自国の金融政策のみで この世界的なインフレと戦うのは かなり無理があります。これは 主要国の中銀全体に言える事ですね。
もし 現在~8月のBoEインフレ・レポートを書く迄の間に インフレは現在同様 悲惨な状態だが 見方を変えれば 行き着くところまで行った感もある となった場合を想定します。その時 英国の景気後退が激しく このままで行けば リセッション入り確実、下手すると 戦後最悪のハードランディングにも なりかねない、雇用状態も 悪化するばかり という感じになれば BoEのインフレ・レポートには ハードランディングを防ぐ為にも早期の利下げの必要性がある みたいな内容になる可能性は十分にあると思うんです。そして これが ポンド売り誘発の引き金になると 私は思っています。
しかし...................キング総裁がいつも仰っている事

英国は 経済成長率が下がり 景気活動が穏やかになれば インフレも下がる という事が気になります。私は経済の専門家では ありませんし キング総裁 (ノーベル経済賞候補になり得る英国の代表的な経済専門家) の意見に楯突くのも なんなんですが、この記事の中にも書いたように 今回のインフレはイギリス発ではないので 果たして どこまで BoEの金融政策で対応出来るのか 正直 かなり懐疑的です。と なると、イギリスGDPは下がるが インフレは上がりっぱなし=スタフグレーション, なんてこった

という事に落ち着いてしまう危険性も十分にあります。
ちなみに 昨夜 英商工会議所のオッサンが 明日の理事会での利下げ要求を出していました。私は このブログに何度も書いていますが イギリスの雇用市場にかげりが見え始めたら イギリス経済は落ちるところまで落ちる と今でも信じています。今年5月くらいまでは 住宅価格は下落、景気も悪いけど 雇用はしっかりしてる という中途半端な安心感がありました。しかし それ以降 英建築業界の大手3社が全て減益、人員削減を発表。そして 皆さんの御記憶にも新しい小売大手:M&Sの減益発表。これにより 建築業界だけでなく、金融・小売業界での人員削減も待ったなし状態

になりました。こうなると イギリスは腰が弱いです。どこまで落ちるか 見守って下さい

最後になりましたが ロイター社が行なった今後のポンド予想によりますと 半年後 1.90、1年後 1.87、一部では 来年の夏くらいまでに 1.85台 という予想も出ているようです
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