現在までにメディアからもれ聞こえてきている予算報告内容について書いてみます。
1)経済成長率予算責任局(OBR)からGDP予想が発表されます。
予想としては、今年3月の本予算発表時に公表された2012年GDP予想を、+0.8%

ゼロ%へ

、2013年GDP予想を2%

1%へ

それぞれ下方修正するという見方が一般的です。
2)財政均衡達成年2010年に連立政権が発足した時に、オズボーン財務相は財政均衡達成目標を2015/16財政年度に定めました。イギリスの政権は5年間続くので、ちょうど自分達の任期が切れる2015/16年に目標を設定した訳です。しかし既に同財務相は達成年度を数年遅らせる可能性が出てきた

と発言しています。大方の見方としては2018/19年度くらいまでずれ込むと発表されると予想しています。
3)負け組(増税) 
増税の対象となっているのは富裕層だと言われています。所得税控除の廃止や、価格帯が高い不動産に対する特別税の導入などが囁かれています。
4)負け組(生活保護などの補助金に関して) 
今までは補助金の支払額の毎年の増加率は、インフレ率またはそれ以上となっていましたが、ここからはインフレ率よりも低い増加率に設定される可能性が高まってきたようです。
5)勝ち組 
ガソリンにかかる燃料税の凍結が発表されるという話しになっています


これは私にとっても、非常にありがたい措置です~
6)景気浮揚対策政府の歳出を50億ポンド削減し、その資金を公共投資(学校、鉄道、道路)に振り当てるという案が最有力視されています。
*発表後のリアクションGDP予想の下方修正

財政均衡達成年度の遅延

赤字削減の遅れ
これらを全部ひっくるめて考えると、一番懸念される問題として 『英国のトリプルA格付けからの格下げ』

が考えられます。
たいしてパッとしない経済・財政状態にもかかわらず、英国がトリプルA格付けを維持している理由として、政府の「赤字削減に対する真摯な姿勢」が挙げられいます。しかしQ4にはまたリセッションに逆戻りする可能性も出てきている今、GDP値が低迷する限り政府がどれだけ赤字削減に意欲を見せたところで、削減達成は遠のくばかりであることは明白な事実

です。
もし今回の報告内容が不十分なものと判断された場合、格付け大手3社のいずれかが格下げに動く可能性が高まるのは当然の動きとも言えるでしょう。



ただし、格下げ後のリアクションに関しては意見が分かれており、数少ないトリプルA格を失うことは英国への投資魅力が減少するので、株・債券・通貨全てが売られるという見方がまずひとつ。

もう一つの見方は、アメリカやフランスは格下げ後も債券は順調に買われており

為替面でも格下げだけが原因でその国の通貨が大きく売られる局面はありませんでした。株価も下落していない点を考慮すると、格下げだからポンド・Gilts・英国株全面安という単純なシナリオにはならないとする人達もいます。

個人的には、ユーロと比較してポンドの上昇率は穏やかなものとなっていますが、GDP下方修正も含め、報告書内容はほぼマーケットに織り込まれていると思います。
ただし報告書発表後に行われる野党からの質疑応答の時に、何かアクシデント

があれば、それがポンドや株価の下落に結びつく可能性は依然として残っているでしょう。
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