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欧州統合のロードマップ その1

ファンロンパイEU大統領、バロッゾEU委員長、ドラギECB総裁、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長の4名が作成した『欧州統合に向けた10年間のロードマップ(工程表)』

その内容について、このブログを通して2度に渡り一緒に考えて行きたいと思います。

*欧州統合の基本

ここでいう『統合』には4つの分野  銀行(金融)・経済・財政・政治 の4つのブロック統合を10年かけて実行するという壮大な計画であり、現在ユーロ圏を悩ませている債務問題解決の即効薬とはならない点は理解しておくべきでしょう。

全てのブロック統合の詳細が出た訳ではありませんが、現在判っている点としては 「金融・財政上のリスクや責任を国家から欧州の統合体レベルへ移管する  それが最終的に政治統合へと導かれる」ということのようです。私の理解が間違っていなければ、これだけ大きな改革がEU内で実施されるに当たり、EU条約の改正  加盟各国に於ける憲法改正が必要となる場合も出てくる  一部の国では是非を問う国民投票の実施の可能性も浮上することになるでしょう。

*銀行(金融)・経済統合

ここでは特に1)金融機関の監督 2)預金保険スキームと銀行破たん処理 3)段階的な共同債の導入にスポットライトが当たります。

1)金融機関の監督 (保険会社を除く)

昨日の時点では、EBA  又は 欧州中銀(ECB)に監督権限が与えられると報道されていたのですが、今朝になるとEBAの名前はどこにも見当たらず、ECBに与えられることになってきたようです 

 EBA (European Banking Authority 欧州銀行監督機構)とは?
欧州連合(EU)加盟各国の銀行監督当局を統括するEUの機関のこと。EU各国の銀行監督当局を統括するとともに、域内の金融機関を直接検査・監督し、金融機関や各国当局へ要請や要求を行う


EBAはその名の通り、EU加盟国の銀行監督を任務としていますが、スペインの銀行危機をしっかりと監督出来ず  最終的にスペイン政府は銀行支援をEUに対し要請せざるを得なくなったため、その監督責任能力が疑問視  されていました。それに加え、EBAはロンドンに設置されており、特に銀行監督が必要なユーロ加盟17ヶ国から離れすぎた場所にある点、そしてこれはもっと大事な点ですが、これだけの権限を持つ機関を欧州大陸ではなく、英国に設置するという事は、フランクフルトの重要性が著しく損なわれる  という意見が多かったらしく、最終的にECBに権限を一本化する案が優勢となってきた模様。

ひとつ不明な点として私が頭を悩ませている  のは、この監督権限はユーロ加盟17ヶ国のみが対象となるのか?EU加盟27ヶ国全体が対象となるのか?なんです。もしEU全体となった場合、ユーロに加盟していない国もECBの監督下に入るという意味なのかしら?

2)預金保険スキームと銀行の破たん処理

EU加盟27ヶ国全体を対象とした預金保険スキーム/銀行の破たん処理の財源として、恒久的措置となる欧州安定化メカニズム(ESM)が 『預金保険・破綻の整理基金』を支える案が出ています。

文頭でも明記しましたが、このロードマップによると ’’EU加盟国に籍を置く銀行に何らかの問題が生じた場合は、欧州レベルでの対応となり、破綻処理によってその国の財政に負担がかかることを防ぐ’’ ことに主眼が置かれます。

ECBなどの監督当局が、経営不振に陥った域内銀行に直接介入する権利を得ることも提唱されているようです

財源が不足した場合は、加盟各国 又は 金融機関に対する課税などを通して共同で負担する案もあるようです 

ただし、ドイツは『銀行同盟は財政同盟の議論なしにはあり得ない』という姿勢に徹しており、主権の移譲についてもっと真剣に話し合う必要があると指摘しています。

私自身も少し疑問に思った点は、このロードマップを作成した4名の中に、危機対応で一番お金を出しているドイツが含まれていないことでした。近々退任する予定となっているユーロ・グループのユンケル議長の後任人事としては、ドイツのショイブレ財務相が100%ほぼ間違いなし!と太鼓判を押されていたのですが、オランドさんがフランスの大統領に就任した途端、「その後任人事、待った!」  と待ったをかけ、フランスから後任を選出してくれと因業オヤジのようなことを言い始めています。

3)ユーロ共同債

バロッゾ委員長の言葉を借りれば、ユーロ共同債の導入は’’中期に渡り段階的’’な導入となるようです。まずは財政同盟に向けた欧州通貨同盟の規制枠組みの包括的改正が行われた場合のみ、加盟国全体がユーロ共同債を通じて財政の切り盛りをしていくという考え方のようですね。


ユーロ共同債構想に対しては各人それぞれの意見があります。この構想に対し賛成組と反対組を書き出してみますと

反対組:ドイツ・チーム 

メルケル首相
バイトマン独連銀総裁/ECB理事
シン氏・IFO総裁
ファイマン・オーストリア首相
ルッテ・オランダ首相
カタイネン・フィンランド首相
タスク・ポーランド首相

賛成組:フランスチーム 

オランド大統領
バロッゾEU委員長
モンティ伊首相
ラホイ・スペイン首相
シュルツ・EU議会議長
オバマ米大統領
ラガルドIMF専務理事
ゾエリック世銀総裁

わからないチーム 
ドラギECB総裁


財政面に関しては、その2でお伝えします 


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[ 2012/06/27 20:23 ] 政治 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

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