昨年12月に実施された3年物LTROに続き、
水曜日には第2回目の3年物LTRO が実施されます。
この結果はここからのユーロの行方に大きく影響を与えるため、市場での関心が異常に高まっています。
*最大の関心事
オペ金額いくつもの見方が出ており、私自身も一体何を信じてよいのか混乱しています

具体的な額の予想とその見方に関しては有料記事とさせて頂きますので、ご了承下さい
*オペ金額の持つ意味具体的なオペ金額の大小を占う前に、LTROが持つ
2つの側面について考えたいと思います。
3年物LTROとは形を代えた
「量的緩和策」である

つまりオペ金額が多ければ多いほど、市場にばらまかれるユーロの量が増加する

ユーロは売られやすくなる




為替の世界ではこの議論だけが前面に出てしまい、「LTRO額が予想より高ければユーロ売り」 というシナリオを唱える人が目に付きます。
しかし私自身はもうひとつの側面を見逃してはいけないと考えています。それは「
ポートフォリオへの組み入れとしての側面」です。

3年物LTROの金額が大きければ大きいほど、ユーロ圏加盟国、特にPIGS各国の国債 (短期債が中心となるでしょうが.....) にからんだキャリー取引 (下記

参照) が盛んになるという考え方は間違っていないと思います。

キャリー取引増加

PIGS各国の国債利回りの低下

ユーロ圏国債を取り巻く環境の改善


他の地域からユーロ圏国債への投資増加
というシナリオが考えられます。
これは最初に書いた「量的緩和策と同じ効果

ユーロ売り」というシナリオとは正反対の内容。そのため、LTRO総額が予想以上であった場合、ユーロは量的緩和という側面にスポットライトがあたり売られるかもしれませんが、その後徐々に中長期的な視点に移行すれば、ユーロに対して好材料となり得る点を忘れないようにしたいものです。
*誰がLTROに参加するのか?
(クリックすると拡大します)
このグラフは仏系銀行のリサーチ部が作成したグラフですが、左から順に
・今回の3年物LTROには参加しない

英バークレイズ銀行、独ドイツ銀行、スイス・CS銀行など
・今回のLTROから得た資金は銀行債の償還に充てる

いろいろな銀行の名前が挙がっています
・今回のLTROから得た資金でキャリー取引

をする予定

イタリア系銀行の名前が目立ちます
・わからない/コメントなし

いろいろな銀行の名前が挙がっています

キャリー取引とは、3年物LTROを通じて 1%の固定金利で借りた資金でユーロ圏加盟国の国債で運用し、金利差を得る
*キャリー取引への興味
このグラフは米系投資銀行のリサーチ部が作成したものですが、X軸はユーロ圏加盟国の銀行 (黄色グラフ

スペイン系、赤グラフ

フランス系、緑グラフ

イタリア系、そして青グラフ

ドイツ系)

各銀行とも薄い色と濃い色の2本の棒グラフが描かれています。

・薄い色のグラフ

昨年12月の3年物LTRO時のキャリー取引への興味度合い
・濃い色のグラフ

今回の3年物LTRO時のキャリー取引への興味度合い



これを見る限り、全ての銀行に共通している点として
1)昨年12月時点より、今回のLTROではキャリー取引への興味が低下している
2)黄色(スペイン)と緑(イタリア)系銀行のキャリー取引への関心が著しく低下している
ことが挙げられると思います。
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