3年物LTRO について書く前に、先ほど発表されたユーロ圏M3の結果をまず書きます。
*1月分ユーロ圏マネーサプライ(M3)伸び率上昇欧州中央銀行(ECB)が発表した1月分・ユーロ圏M3伸び率は、+2.5%(前年比)

予想は+1.5%~1.8%となっており、ロイター社がエコノミストを対象にして行ったアンケートの平均値は1.8%
その内容を見ると
1)一般家庭向け貸し出しは上昇を確認

2)民間企業向け融資は12月に過去最大の落ち込みを記録

1月は下げ止まり、安定に向かっていることを確認

1月の改善の背景には、
昨年12月に実施された3年物LTRO による大量の資金供給が寄与したとされています。この発表を受け、今週水曜日に予定されている第二回目の3年物LTROに対する期待は高まるばかりなのでしょうか?
*ネズミ講と囁かれるLTROユーロ圏の個人そして企業への貸し出しの安定化に貢献したと言われるECBによる3年物無制限資金供給オペ(LTRO)ですが、運用者の間では’’ネズミ講’’

というレッテルを貼られる始末です

12月のLTRO後、スペインとイタリアの銀行がまとまった金額のユーロ加盟国の国債購入に動きました。スペインの銀行がLTRO後に加盟国発行の国債購入に費やした金額は231億ユーロ、同様にイタリアの銀行は206億ユーロとなっています。これらを合計しても、12月のLTRO総額4,891億ユーロの10%程度であり、特に騒ぐ必要はないのでは

という意見もありますが、声高に

ネズミ講呼ばりするファンド連中がいるのも事実
両国の銀行が購入した国債がどの国の発行した国債か?に関しては不明ですが、12月のLTRO実施時期のイタリア10年物利回りは7%台でしたが、現在は5.5%まで低下。スペインは5.8%台から5%へそれぞれ低下(=国債価格上昇)していることを考慮すれば、LTROで得た資金を自国の国債買い支えに使用していると考えると辻褄があいます。
この国債価格上昇(=利回り低下)をネズミ講と決め付けてしまうことには少しだけ勇気が要ります

が、
ECBは ’’1%とタダ同然の低金利’’ で3年間に渡る長期間の資金供給を行う

この資金を使ってユーロ圏の銀行は誰も買いたくないPIGS諸国が発行する国債購入に動く

PIGS諸国発行の国債金利はLTRO金利(1%)より高いので、キャリー取引が可能となる

ある意味、ネズミ講と呼べる行為だ

このキャリー取り引きがPIGS各国の経済安定に貢献するという見方は長続きしないであろう

その最大の理由は、ユーロ圏の景気回復に対し何の特効薬にならないからだ
*英国からの参加過去記事で
昨年12月にECBが新たに導入した3年物無制限資金供給オペ に参加した欧州の主要金融機関とそれぞれの資金調達額 を紹介しましたが、そこでも書いたように英国からはRBS銀行が50億ポンド規模の資金調達をしました。
今朝の英FT紙によると、水曜日の3年物LTROに参加する英系銀行は2行と予想。
一行は前回同様、RBS銀行

金額: 50億ユーロ相当
もう一行はロイズ銀行

金額: 100億ユーロ相当
ちなみに現在予想されている3年物LTROオペ参加総額は7,000億~1兆ユーロという規模になっています。
それでは月曜恒例の算数教室のお手伝いへ行って来ます~

先ほども書きましたが、火・水曜日は夜以外家にいないので、記事の更新はロンドン時間深夜ころになる予定です。
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