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民主主義の崩壊か?

ブログ記事の更新が大変遅れたこと、お詫びします。昨日の昼から水漏れが起こり、たった今修理の人が帰ったところです。給湯システムで沸かしたお湯が一時的に保存されるタンクからの水漏れなのですが、水圧/湯の温度など調べる箇所がたくさんあり、ひとつひとつ点検していこうということで今日は終わり。イギリスの水関係の修理屋さんは目が飛び出るほど高い修理代を取られるので、出来るだけ自分で確認できることは自分でし、本当の問題が起きたらそこだけを集中的に修理してもらうのが一番です。コールアウト料金(家に来てもらうだけの為に支払う基本料金)がだいたい60~75ポンド、それプラス部品代と時間給。時間給はいろいろあるようですが、安い人で60ポンドくらい、高い人になると100ポンドというのもありです。私は2010年12月の大雪の時に同じタンクから水漏れし、誰も修理が出来なく3箇所の工務店に頼んで修理したら、最終的にウン十万円という金額になってしまった苦い経験があります。その修理代で新しいタンクが3つ買えました  最初からそれだけ修理費が掛かると判っていれば無駄金使わずに済んだのに...と今でも悔やんでいます 

*ギリシャの大統領発言

ギリシャの金融支援にからみ、とうとうパプリヤス大統領が登場してきました。昨日私はTwitterでつぶやきましたが、同大統領は自国の赤字を少しでも減らす事に貢献したいため、年間40万ユーロのお給料を受け取らないと発表。

ギリシャ大統領

同大統領はユーロ加盟国、特にドイツからのギリシャの財政均衡努力に対する不満や命令的な言い方に対し「ショイブレ財務相がわが国に対して発している侮辱の言葉を一人のギリシャ人として絶対に容認できない。我が国をあざ笑うかのような発言を繰り返すショイブレ氏とは一体なにものなのか?ショイブレ氏だけではない、オランダ人は?フィンランド人は?」

パプリヤス大統領は第二次世界大戦中、ナチスと戦った経験者なだけに感情はひときわ強いと思います。

*民主主義を貫くべきなのか?

これについて既に私はブログに記事を書いていたのかどうか覚えていませんので、2重になってしまったらお許し下さい 

いつだったか詳しく覚えていませんが、ドイツ最高裁判所のエライ方が 「一連のギリシャ救済を巡り、ユーロ加盟国とギリシャ政府の間でいろいろなやりとりが繰り広げられている。ユーロという通貨を巡り、欧州の民主主義が傷つけられないことを切に望む」 という内容の発言をしたのを聞いたことがあります。この時に’’本当にそうだな....’’  と私も思いました。

そもそも単一通貨:ユーロの誕生に関して、
・ドイツは最初に財政/政治統合をし、それが完全に機能したら通貨統合へという段取りで考えていたとされています。
・それに対し、フランスとイタリアは、ドイツ連銀の存在をつぶすためにも(?) なにがなんでも通貨統合を急ぎ、欧州中央銀行(ECB)というものを作り、自分達の国からECB総裁を選出したいという野望  があったとも言われています。

多数決での判断なのかは知りませんが、結果として仏伊の思った通りに通貨統合が最初に出来上がり、順調な滑り出しを見せました。たぶんドイツは戦争に於ける責任を感じ、自分達の意見を大声で主張しなかったのかもしれません。

しかし誕生から10年を迎えようという矢先にギリシャ債務危機が勃発 。 そこからは私が説明するまでもなく、ユーロ加盟国間の関係が大きく変わってきました。

持てる者/持てない者、北欧州/南欧州、規律を守れる者/ルーズな者など、いろいろな色分けが出来ますが、結局その両者の間は縮まるどころか、どんどん拡がってしまいました。

一番支援金負担  の多いドイツにしてみれば、「ドイツ式の財政規律重視型」をギリシャだけでなく加盟国全部に守ってもらわなければ国内の納税者に納得してもらえないし、この財政規律重視はドイツ人にとっては当たり前  のことなので、どうして他の加盟国がドイツ人と同じように順守出来ないのか  理解出来ないのかもしれません。

しかし最近になってからは、イタリアのモンティ首相でさえも「ギリシャに対するユーロ圏からの要求は、たぶん既に度を越しているかもしれない」という内容の発言をしはじめました。この’度を越している’という部分は、ドイツが主張した「ギリシャへ予算監視機関を送り込む」ことを指しているのかは、私には判りません。今まではある意味中立的な立場をとっていたイタリアがこのような発言をするからには、私達が知らない部分でいろいろなことが起り、聞きたくもない発言が交し合っているのかな?とも想像させられます。
モンティ首相

私自身、民主主義も終りかな.... と思ったのは、ギリシャとイタリアが「テクノクラット」と呼ばれる国民が選挙で選んだ人ではない官僚が政局を運営した時点でした。しかしこの単一通貨:ユーロという前代見ものの’実験’を成功  させるには、この選択もいかしかたないのかも...と自分を納得させました。

そしてここにきて、今度はドイツとフランスがギリシャに予算監視機関を送り込む必要性を訴えはじめた  のです。いつまで経っても埒が明かない交渉を継続させらえる加盟国にとっては、もう時間がないから仕方ない選択だったのかもしれません。ただしギリシャ国民にとっては主権を剥奪されたも同然。もちろん最初に財政統合を優先  ブリュッセルに「ユーロ財務省、予算省」などを設立  単一通貨:ユーロ誕生ということであったのならば、加盟国全てが’’ひとつの欧州政府’’設立に向け、みんな平等に国家主権を捨て『連邦政府』という形で経済統合と民主主義を両立出来たのでしょう。しかし今回はギリシャだけが孤立した形になってしまい、非常に残念ですね。

予算案を決めるという主権をギリシャだけが奪われた、そもそもギリシャ内閣は自分達有権者の手で選ばれた人間でもない、一体我々ギリシャ人の尊厳/主権はどこへ行ってしまったのか  こう考える人が出ても全く不思議ではありません。あの鬼みたいな顔したベニゼロス財務相はこの提案に対して「国家の尊厳」に関わるとして拒否。そしてここにきてとうとう大統領が代表してそれを代弁してしまったのです。

皆さんも昨年パパンドレウ前首相が突然「国民投票の実施」を要求し、結局それが原因で首相の座から引き下ろされたことを覚えていると思います。あのタイミングで突然の国民投票実施は少し無理があったのかもしれませんが、本来の民主主義国家であれば、当然国民による国民投票の実施と結果の順守はあって然るべきことです。

果たしてギリシャはユーロ圏から追い出されるのか?それとも来週月曜日に控えているユーロ圏財務相会合でなんらかの解決策が決定され、とりあえず3月20日のデフォルトは避けられるのか?私には判りません。

数年に渡りギリシャ債務危機に関する記事を書いてきた私ですが、最近の展開はもう通貨という枠組みを越えてしまった感が強く、書いていても切なくなってしまい筆がなかなか進みません。


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[ 2012/02/16 22:14 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)
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N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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