昨日夕方、格付け大手:ムーディーズが欧州各国の格下げや見通し変更を発表しました。
夕べから今朝にかけて、英国ではこの見通し変更発表を受け相当動揺している様子です。
*発表内容
文字で読むと頭に入ってこないので

簡単な表を作ってみました。
イタリア、マルタ、ポルトガル、スロバキア、スロベニアは1ノッチの格下げ
スペインは2ノッチの格下げ
オーストリア、フランス、英国は最上位の格付けは維持出来ましたが、格付け見通しが「ネガティブ」となりました。
通常12~18ヶ月以内に改善が見られない場合は、ネガティブ見通しは直接の格下げにつながります。その可能性は30%
*発表のタイミングに 
ユーロ加盟国の格下げや見通し変更は特に違和感ないようですが、英国の見通し変更に関しては「タイミングがおかしくないか?」という指摘が国内でされています。
「米国の景気回復に若干希望が持てるようになった直後、英国から発表された経済指標でも大きな改善が見られた。依然としてユーロ圏債務危機問題の行方には不透明感が漂っていることは事実であるが、英国の国債イールドも全く上昇していない点を考えると、このタイミングでの見通し変更は少し疑問を持たざるを得ない。」というのがその代表的な見解となっています。
*ムーディーズからの警告 
昨日の見通し変更発表はオズボーン財務相に対し、政治的にも個人的にも相当打撃

を与えた筈です。同財務相は常々「英国のトリプルA格付けは、我々が断行している緊縮財政政策が正しいと認めている証拠である。

」 と語っていたからです。
昨日の発表直後に行われた動財務相へのインタビューでも、同氏は「現在ユーロ圏や他の地域を直撃している債務危機問題の深刻化を受け、英国も赤字削減に対しますます真剣に取り組まなければならないと再確認している。」と緊縮財政政策の続行を確認。

ムーディーズは今回の変更見直しの理由として
1)今回の見直し変更の最大の要因は、英国のマクロ経済を取り巻く環境が不安定になったこと。この環境のもとで2015/16年度までに財政均衡を達成することは厳しいものとなるかもしれない。
2)英国はユーロ圏には属していないが、ユーロ圏債務危機の悪化が顕著となった場合に英国が受ける経済/金融/政治的ショックは計り知れないものがある。
3)公的債務残高がトリプルA格付けの国でも高い点も見逃してはならない
昨日の発表を受け、現在でもS&P/ムーディーズ/フィッチ3社ともにトリプルA格+見通しが安定的である国は
オーストラリア、カナダ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、シンガポール、スウェーデン、スイス の8カ国
もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ

御願いします!
人気blogランキングへ
にほんブログ村
こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!