このすぐ下の記事でも書きましたが、今週木曜日に英中銀金融政策理事会(MPC)が政策金利と量的緩和枠に関して発表をします。
「政策金利 0.5%据え置き」は全員一致した見解ですが、量的緩和策(QE2)の増額に関して少し議論を呼びそうです。
すぐ下の記事で紹介した3種類のPMIの数字が出るまでは、2011年Q4マイナス成長に続き、下手すると2012年Q1もマイナスとなり

英国はリセッション入りする危険性

が増してきた

英中銀は2月のMPCでQE2増額をせざるを得ない という見方を疑う者はいませんでした。増額幅に関しては、
昨年10月に驚きのQE2増額を決定した時と同じ750億ポンドの増額というのが一般的な見方だったと思います



しかしサービス/製造業両方のPMIが強かったことを受け、一部のエコノミストは「MPCでのQE2増額なし」と言いはじめているようです。とりあえず現時点での一般的なコンセンサスとしては「QE2 500億ポンド増額」となり750億から500億ポンドへ増額幅が縮小してきました。
*QE2増額予想に変化がない理由PMIの数字が良かったのに、それでもまだQE2増額が必要なの

据え置きでもいいんじゃないの

当然こういう疑問が湧いてきます。しかし少なくとも英国内のエコノミストの間では’’QE2増額は当然の動き’’と見る人達が多いのですが、それはなぜでしょう?
それは
私が書いた過去記事の中にヒントがあります。そこから一部抜粋します
現在5%台に乗っているインフレ率は来年末までに一気に2%を下抜けるという大胆な予想となりました
(中略)
2009年12月から2年以上に渡りインフレ・ターゲット:2%をずっと上回り推移したインフレ率は、2012年中盤を境に今度は2%を下回って推移し続けると英中銀は予想しているのです。どうして英中銀にとって、このような急激なインフレ率下落予想が可能となったのでしょうか?中国の景気減速予想が声高に叫ばれている今、商品市場の価格調整(=下落)はある程度予想されますが、それだけではここまでドラスティックなインフレ率下落を英中銀が事前予想出来るとは思えません。
英国では2011年1月よりVAT税率が17.5%から20%へ上がりました。それによるCPI押し上げ要因が2012年1月からゼロとなるので、CPIが一気に下落することはエコノミストの間では共通した認識となっています。しかしそれにしても、今後12ヶ月以内に5%のCPIが2%割れまで下がるだけの影響力はないと思われます。
これはあくまでも私の考えですが、ここまで大胆なインフレ率下落を予想するからには、「英中銀は来年も相当大規模な量的緩和策を実施する用意がある」という宣戦布告とは取れないでしょうか?もしこの考え方が正しかった場合、QE2の買い入れ枠が増額を続ける限り、ポンドという通貨の上昇は押さえられます。この点は来年もしっかり頭の中に留めておくべきでしょう。*待たれる英中銀四半期インフレーション・レポートもし私が赤くハイライトを入れた予想が間違っているのであれば、2月15日に発表されるインフレーション・レポートで英中銀の考え方の変化が確認出来ます。
果たしてこれだけ強いPMIの数字を見ても、英中銀はQE2増額に踏み切るのでしょうか?
もし増額なし、現在の枠を据え置くという決定がなされた場合はポンドがいきなり上昇する可能性が高まりますので、ご注意

下さい。
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