先週のEUサミットで内容が合意された「新財政協定」に対する
国民投票の可能性を探り始めたアイルランド。
昨日アイルランド野党が「国民投票の実施はアイルランド憲法で守られている」旨を、同国の大統領へ伝えに行ったようです。もしここで国民投票を避けた場合、政府は国民の信頼を裏切ることになるので、それは避けなければいけないというのが理由。
アイルランド議会にテクニカル・グループというものが設置されているそうで、それは16名の野党議員から成り立っているものだそうです(どうして野党議員だけなのかね

)。そのグループが主張している点は ’’同国憲法27条によると「議会の3分の2の賛成があれば、大統領は国民投票実施を決定する権限がある」’’ ということ。当然16名からなるこのグループは、他の議員へも声をかけて3分の2以上の賛成を集め国民投票実施へ結びつけようとしているようです。
アイルランド政府はこの動きを受け、政府付きの弁護士達に対し、果たしてこの憲法27条が新財政協定に対する国民投票の必要性に適用されるのか、調べてさせ始めた模様。
ケニー首相は、これ以上の混乱を避けるためにも、国民投票の実施には大反対。しかし最大野党のフィアナ・ファイルとシン・フェイン党は国民の意思に基づき公平に国民投票を実施すべきという意見を譲りません。そこにこのテクニカル・グループの動きが出てきたので、ますます国民投票に向かう可能性が高まりつつあることになります。
国民投票を出来るだけ避けたい理由としては、ただ単に混乱を避けるというだけではなく
2008年6月にリスボン条約に関する国民投票を行い NOという投票結果となり、16ヵ月後に2回目の国民投票を行い、やっとYESが出たという苦い思い出

があることも手伝っていると私は思っています。
この記事でも書きましたが、新財政協定によると、この協定を批准した国のみが、ESM(欧州安定化メカニズム)からの金融支援を受ける資格を有するとなっています。アイルランドは来年にでも市場で国債入札を行い自力で資金調達をしたいと切に希望

していますが、万が一それがうまく行かなかった場合はまだまだ欧州からの金融支援に頼らなければならない可能性を残しているだけに、今回の国民投票実施の是非は
この国の存続にもかかわる重要問題 
へと発展しかねません。
*アイルランド中銀、GDP下方修正10分ほど前に、アイルランド中銀がGDP下方修正を発表しています。
2011年GDP: 当初の予想 +1.0%

今回 +0.8%
2012年GDP: 当初の予想 +1.8%

今回 +0.5%
2013年GDP予想: +2.1%
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