Googleでニュースを探していたら、たまたま眼に留まったフォーブス誌の記事
おもしろいので、ここでご紹介します!
タイトルは
「ユーロ圏債務危機に絡む代表的な5つの誤解」 というもの
ルクセンブルグとベルギーの区別もつかないような ’’にわかユーロ圏債務危機専門家’’ がアメリカのメディアを通じて自分なりの解決策を披露している。ユーロ圏について馴染みが薄い一般視聴者に対して、この5つの誤解を説明したい。
1)長期金利(10年物国債イールド)が7%を越えたら、その国は破産同然とみなされるユーロ加盟国の10年物国債イールドが7%を越えた時点で、ポルトガルやアイルランドは金融支援要請に動いた。そしてポルトガルとイタリアの首相は、7%を越えた直後辞任を決意した。この「7%」という数字は一国の将来を左右するまで絶対的な意味を持つのか?
米国を例に取ってみると、1981年に米10年債イールドは15.8%に達し、1980年代を通じて(10年債イールドは)7%以上で推移。
欧州では、地中海沿岸諸国のイールドは1990年代のほとんどの間、7%を越えていた。しかし現在でも米国やそれらの国は破産していない。
2)イタリア財政は既に破産しているイタリアは(国債利払いを除く)政府の歳出分以上の税収がある国である。この状況は欧州大陸の中でもイタリアを含めて4ヶ国しか存在しない。つまり、もしイタリアが自国の国債に対して不履行という状況に陥ったとしても、税収がある限り公務員給与を支払う事が可能であるという意味である。
そもそもブラジルは歴史上、9回も債務不履行となったが、現在は完全に立ち直っている。
もしイタリアがデフォルトしたら、(国債利払いがゼロになるため)財政黒字化するのでイタリア国債の魅力度は増すであろう。
3)ドイツはユーロ圏から脱落できるドイツはタイムマシーンに乗って時計を逆回しにし、ドイツマルクに戻ることは出来ない。リスボン条約では、(EU加盟国によるEU脱退の権利は認めているものの)ユーロ加盟国の離脱についての規定はない。条約改正には複雑な手順を要し、長い時間がかかる。
米国のヘッジファンドの連中の間では、ルーズベルト大統領が行ったニューディール政策に習い、ユーロ圏加盟各国はある特定の日を「国民休日」に設定し、その日のうちに既存のユーロ紙幣に「(国名が明記された)造幣局」のスタンプを押し、翌日から’’ドイツ・ユーロ’’ や ’’ギリシャ・ユーロ’’が市中で流通、為替市場でもそれぞれ違う値が建つというやり方で旧通貨を使用することが可能になるのではないか?という見方が出てきている。
しかしこれは彼らのファンタジーに過ぎず、EU委員会は特定の一日を国民休日に設定する権限も、造幣局が勝手にスタンプを押し新通貨を設定する権限も持ち合わせていない。それどころか、それらの行為はEU法や加盟各国の法律を破る行為である。
4)ギリシャやポルトガルのデフォルトは、ユーロ終焉を意味する投資家達はユーロ加盟国の一部がデフォルトにおちいれば、単一通貨:ユーロの継続は難しくなり崩壊以外の手段はないと思いがちである。しかしEU条約の中では「ユーロ加盟国のデフォルトはユーロ崩壊を意味する」という明記はない。
アメリカのいくつかの州がデフォルトしても、米国自体が崩壊するなどということはあり得ない。これと同様に、ユーロ加盟国がデフォルトしても、ユーロが崩壊すると考える根拠がない。
5)欧州加盟各国政府による債務再建の達成は不可能である欧州のほとんどの国は財政赤字を垂れ流している。つまり政府の歳出額は歳入額よりも多いという意味である。
しかしフランスを例に挙げると、あの国はフランス預金供託公庫(以下Caisse des Dépôts)という1816年設立の公共金融機関を盛っている。ここの資産規模は2,700億ユーロにのぼると言われている。
フランス以外の国も国有林、お城、インフラ整備など財政赤字穴埋め用の資産をワンサカ保有している。
*まとめ5つの誤解を書いてきたが、これを読むと現在世界を震え上がらせているユーロ圏債務危機問題は思ったほど深刻ではないように感じられる。しかしだからと言って、債務危機が一朝一夕で解決に向かうと考える者はおらず、たぶん収束には数年を要するかもしれないし、その間にはいろいろな影響がマーケットを襲うであろう。
ユーロ圏債務危機解決に向けた今後の課題・欧州の基本条約の見直し・改正を早急に行う必要があるのではないか?
・欧州中銀(ECB)の役割の見直し、特に「最後の貸し手」となり得るのか?
・今後ずっとユーロ加盟国が安定協定(財政赤字対GDP比3%以内など)を順守し続けるという保証を、どのような形で市場に提示出来るのか?
・特に南欧州のユーロ加盟国にとって、経済成長促進を最優先した構造改革を打ち出すためには、どうしたらよいのか?
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