今日は

今週に入ってからこちらのテレビでは英国に於ける貧困層の特集番組みたいなものをやっています。EU加盟国内で貧困層の数が4番目に多い英国なので、当然と言えば当然なのかもしれません。たしか火曜日だったかな?貧困層に属する子供達の現状を紹介する番組があったので何気なく見ていたら、落ち込んでしまいました

。番組内で紹介された政府が提供する低所得層向けの住居の質が異様に低いのは想定内でしたが、その中に登場してきた17歳の少女の言葉に愕然

としました。彼女はとても大人しそうですが判断力に優れた目つきをしている普通の女の子。学校の制服の一部である白シャツを買うお金がなく、父親のお下がりのシャツを着て通学していたら、シャツのあわせの部分が「男物」だとからかわれたのが始まりで中学に入ってからイジメに合いつづけ、14歳の時に大量のアスピリンを服用して自殺を図ったそうです。父親が発見して事なきを得たのですが、彼女が言うには 「貧困層に生まれたというだけで、自分の力ではどうにも出来ない差別にあい、自分自身に対する自信がどんどんなくなって行った。他の女の子達みたいに最新流行の服を着たいなどという希望はとっくに捨てたけど、私の家庭が貧困であるというだけの理由でさまざまな差別を受けて以来 自分にはこの世に生まれてくる資格がなかったのではないか?と自分自身の存在自体を否定するようになり、最後には生きている目的を失ってしまいました。生きている資格を自問自答するところまで自信をなくしてしまう、そこまで一人の人間を落とし込んでしまう貧困というものと共存する事は非常に難しいことなんです。」 この子には12歳になる弟がいますが、その子もイジメに合っています。
そして私がさらに驚いたことは、最近の食料品やガス/電気代の高騰にもかかわらず、政府からの補助金がカットされ、ここ2年くらいは食事を抜いて生活している事実でした。12歳の男の子と言ったら育ち盛りですよね。お金がないので朝食をカット、学校で給食を食べ、時には夕食も抜き。しかし学校が休みに入ると給食がないので、1日全く食事をしない時もあるそうです。最近は電気代も払えないので、電気を使う時だけ1ポンドを投入する特殊な電化製品に代え、テレビは週6時間(毎週6ポンド)などと決めながら生活しているそうです。冬でも暖房を入れられない日が続いているので、冬が来るのが嫌だと12歳の少年は言っていました。
この番組を見て、こういう世帯に対して私達が参加出来る何かの対策が練れないものかと考えてしまいました。うちの娘が通っていた小/中/高校では、年に1度だけでしたが各生徒が缶詰やお風呂関連用品(石鹸、シャンプーなど)を学校に持ちよりそれを学校がそれなりの機関に寄付するという習慣がありました。それと同様のことが個人ベースでも出来ないのか、考えてしまった私です。
前置きが長くなってしまいました

が、本日は
この記事 の続編という形で、英国に於けるアジアや中東基盤のSWFによる投資/買収に対する姿勢について書いてみます。
*RBS 中東歴訪の旅この禿げたオッサンは英政府がRBSのCEO ヘスターさん。この人が先週だか先々週に中東を基盤とするSWF歴訪の旅に出ました。目的はズバリ 「RBS株を買って下さい

」
2008年はリーマン・ショックで有名ですが、英国の銀行も一部国有化されました。現在 RBSは84%、ロイズ銀行は43%が国有化されています。政府は出来れば来年前半を目処に、現在保有している両行の株の放出を考えている模様。それに備えてこの禿げたオッサンはアブダビ、ドバイ、カタール、クウェートのSWF歴訪の旅に出た訳です。当然株式取得を勧める投資家の中には中国を含むアジアのSWFも含まれていると考えられるので、改めてアジア歴訪の旅を計画しているのかもしれません。
この歴訪の結果、カタールとクウェート両国がRBSとロイズ銀行両方の株式取得に前向きな姿勢を示しているとのことです。
*国民からの不満一部の英系シンクタンクは、2008年の世界規模の金融危機の際には、国民の税金でこれらの銀行を救済したのだから政府取得株は国民ひとりひとりに公平に分配すべきだ と吼えています。
2008年当時の政府が両行の救済に使用した金額は、RBS 455億ポンド、そしてロイズ銀行 203億ポンドでした。そしてその時の各行の株価は RBS 51ペンス、そしてロイズ銀行 74ペンス

ちなみに現在のそれぞれの株価は RBS 41ペンス、ロイズ銀行 47ペンスとなっています。
当たり前ですが、政府は両行の株価が取得時のレベルより高くならない限り、所有株の放出は絶対に行いません。
この英系シンクタンクが言うには、国民ひとりひとりに株式を分配し、「株価が RBS 51ペンス、ロイズ銀行 74ペンスを越えたらはじめて売却可能」という条件を付けたらどうか?としています。その場合、国民ひとりひとりが受け取れる株数は RBS 1,450株、ロイズ銀行 450株 計1,900株となるようです。
まぁ、このシンクタンクの計画が実行されるとは思えませんが、中東SWFだけに政府所有株の放出を実施するとなると、国民の反感を買うのは必須でしょう。ですので、一旦 計画が決ったら出来る限り多くの国民に対し両行の株式取得にかかわってもらえるよう何らかの発表があるのではないか?と思っています。
*放出の時期この記事 でも紹介した英銀行独立委員会(ICB、Independent Commission on Banking)が今年9月末までに英金融機関のあり方に関する最終報告書を提出、それに基づきRBSとロイズ銀行のあり方が決定

政府保有株放出手順の決定

実際の放出 となるようです。そして現在のところ、出来る限りその時期を2012年前半に持って行きたいと政府は希望しているようです。
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