WSJ紙に面白い記事があったのでご紹介します。それは中国企業による欧州企業買収に絡んだ話。
*新興国や中東オイルマネーによる投資フローの変化中国に代表される新興国や中東オイル・マネーに代表されるSWFによる企業買収を含めた貿易/投資資金の流れは21世紀に入り随分と変わってきたと考えられます。そしてこれらの国/SWFによる投資は今後活発になることはあっても、減少することは考えにくくなっています。
中国では今年3月に採択された第12次5ヵ年計画で「科学的発展観」を主題とし、「経済発展パターンの転換加速」を訴えました。その中には先進国が支配する市場を獲得することが経済成長を持続するための前提条件となるとも謳われており、先進国が保有する世界的ブランドを買収し、世界の販売網を一挙に獲得することを優先付けています。
*買収/投資のターゲットは米国よりも欧州企業どうして欧州なのかな?米国よりも魅力的な企業が欧州に集中しているという訳でもないよね

と首を傾げながら記事を読んでいた私です。
2003~2005年の間に中国が欧州へ投資した金額は8億5,300万ドル、5年後の2008~2010年の間には

50倍以上の440億ドル規模にまで急増化

。この結果、中国企業は118の欧州企業を支配下に収めたそうです。

そしてある米国のコンサルタント会社は今年~2020年までの間に中国が海外に投資する金額は1兆ドル以上

に達するだろうという予想を出しているようです。それらの投資先のターゲットの筆頭に挙がるヨーロッパ。
その理由は国家安全保障の点から海外からの投資に対し非常に厳しい制約を設けており、外国投資委員会(CFIUS)が外国直接投資に伴う取引を阻止できる

米国と違い、欧州規制当局では米国並みの厳しい規制は設けておらず、中国に取っては投資や買収先を見つけ易いという利点があるからのようです。

この表は中国が買収した欧州系企業の一覧表 (中国のショッピング・リスト) です!
しかし欧州内でも特に南部に位置するスペイン、フランス、イタリアでは中国からの投資や買収により、企業のテクノロジーを盗まれる事に対し懸念を示す国があることも事実。それ以外のEU加盟国からも米国並みの投資を阻止する権限をEUに持たせ、CFIUSの欧州版を創設すべきだという意見も出始めてきました。
次回は果たして英国では中国や中東基盤のSWFによる投資/買収に対してどのような姿勢を取っているかを書いてみます。
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