コメント欄で どうして イギリスの大学授業料が 英CPIの押し上げ要因になるのか? という質問を西原さんから受けました。
どうしてなんでしょう...

考えた事もなかったです(かなり無責任)
まず 大学の授業料の話しに入る前に うちの娘の学校の話しを 短くさせて下さい。娘は 幼・小・中・高等学校一貫の私立女子高へ通っています。いまから5年くらい前までは どの親御さんも 娘さんをオックスフォード大学か ケンブリッジ大学 (オックスブリッジ)へ行かせたがったものです。子供達も そういう野心を持っていました。ところが ここ数年は オックスブリッジへ行ける実力を持った子が ロンドン市内の一流大学(Imperial カレッジ-理科系、London School Of Economics(LSE)ー経済/金融、 University of Londonの各カレッジ)への進学を選ぶ傾向が出て来ています。理由は
自宅から通学可能な為 在学中の生活費がかからない=大学卒業後 借金返済に苦しまずに済み その資金を住宅ローンに向ける事が出来る就職する際 以前も今もオックスブリッジ卒は就職にとても有利です。しかし 最近 何かの新聞で読んだのですが オックスブリッジと同等にロンドン市内の大学卒者を選ぶ企業(特にシティー)が どんどん増えているそうです
うちから歩いて5分くらいのところに 娘と同じ学校へ通っている3歳年上のお嬢さんが いらっしゃいます。この子は うちの娘と違い 品行方正・勉学優秀で オックスブリッジへ推薦が決まっていたようです。つい 最近 このお嬢さんのお母さんと立ち話をする機会がありました。驚いた事に オックスブリッジは止めて 自宅から通学出来るLondon School Of Economics(LSE) (あのジョージ・ソロス氏が修士課程を取った大学です。でも もっと可笑しいのは ローリング ストーンズ

のミック・ジャガーも この学校に在籍していました。ミック・ジャガーって 単なる薬中ではなかったんですね....)へ行く事に決めた と仰ったのです。彼女は 後々シティーで働きたいらしいので LSEを出た方が有利な事がある事に加え 借金返済に追われずに済む というのが理由だそうです、やっぱり...って感じですよね
まず イギリスと日本の大学の違いから説明します(と言っても 私もそんなによく知りませんが...)まず この国には私立の大学は ひとつだけしかありません。それ以外は全て国立大学です
イギリスの大学進学率は日本ほど高くなく 1980年代で20%弱に過ぎませんでした。<大学>というものに慣れ親しんでもらおうという意図もあり、1992年に大学編成改革が行なわれ 理工系の専門学校も 大学に含まれる事になりました。このため 1990年代中盤には 大学進学率は30%台へ上昇、政府は この改革により 2010年度には大学進学率50%以上を目指そうとしたそうです
英国の大学授業料は ずっとタダでした。(調べるニュースにより 年月に違いがありますが)2002年辺りから 大学授業料 一律 1,175ポンド/年になりました。この<大学有料化>への反感は凄まじいもので 私もニュースを見るたびに 大学生達による抗議のデモがイギリス全土で行なわれいたのを生々しく覚えています (でも この写真のお兄さん達 少しニヤケテますね(笑)

英国で私立校で教育を受けるのは 5~7%の子供達だけ、つまり 93~95%の一般イギリス人達は小・中・高校と無料で教育を受けていますので いきなり大学に行って 教育費を払わされる事に抵抗を覚える気持ちも わからないではありません。
しかし 大学進学者が増加するのと同時に物価も上昇した為 政府の大学教育への負担が大きくなりすぎました。そこで 2006年9月新学期から 大学授業料制度改革を実施。変更内容は 今迄 一律 1,175ポンド/年だった学費 を ゼロ~3,000ポンドとしました。この3,000ポンド上限は 2009年まで継続、2010年度に 上限を繰り上げる必要があった場合は 議会で審議するようです。Googleでいろいろ調べたのですが 学費ゼロというのは 本当にまれで その学生の両親の収入がゼロ とかいう極端な場合に限ったもののようです。試しに各大学のホームページを調べたところ
どの大学も全て 学費 3,000ポンド(一部の大学は 3,070ポンド)と横並び状態です。
しかし ここで ひとつ 抜け穴を発見
一律 1,175ポンドだった時は 新学期開始時点で授業料全額前払いが条件でした。それが
3,000ポンドになった途端 大学在籍中は支払わなくてもよく 卒業し その生徒の年収が1万5千ポンドになった時点で 毎月 自動引き落としにより返済するようです。
Googleで各大学のホームページを気をつけてチェックしてみたのですが 在籍中に授業料を支払いたい人はどうするか に関しては 全く 書かれていません。ようやく BBCのニュース一覧で ’払いたい人は 在籍中 払う選択も可’という但し書きを発見。
ここで 西原さんの どうして イギリスの大学授業料値上げが ここまでCPI押し上げ要因になるのか?ですが これは 単純に 1,175ポンドだった授業料が いきなり 3,000ポンドになったからでは ないでしょうか?単純計算すると 155%+の値上げ率。在学中に払う人は いきなり 155%のインフレ率を負う事になる。
卒業後支払う方法を選んだ人の授業料は イギリス政府(又は 地方自治体)が大学へ仮払いします。つまり 政府(地方自治体)の負担金はやはり155%+増加します。これは 凄い事ですね

詳しくは調べてませんが 国や地方自治体、又は 一般の金融機関による大学生用のローンは 各種さまざまです。
平均的な大学生は 大学卒業時点で 1万1千ポンドの借金を抱えて 社会に巣立って行きます。この大学時代の借金返済が重荷になり いつまでたっても 自分の持ち家(アパート)が持てないというのも 社会問題になっています。
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ためになります。。ずっと疑問だったんですよね
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