長いタイトルになってしまいました

こういうのを、スキッと短い言葉でインパクトあるようにまとめられる能力が、私には欠如しています・・・・

読者の方から、イギリスがアメリカとフランスとともに、シリアを攻撃する場合、英国議会の承認が必要なのか?という質問を頂きました。
結論から申し上げますと、法律上は 承認必要なし です。
これも話すと長くなるのですが、2007年 当時のブラウン首相が、軍事攻撃に関する首相の権限縮小を図ろうとしたのですが、翌年からの世界金融危機の影響で、そういうこと決めてる余裕がなくなり、そのままたち切れになった経緯があります。
そうはいっても、過去の軍事介入時には、例外なく首相は議会の承認を取り付けてから動いています。
* 2003年 イラク参戦 当時のブレアー首相は、議会での承認を取り付けた上での攻撃でした。
* 2011年 リビア軍事介入 当時のキャメロン首相は、議会での承認を取り付けた上で軍事介入に踏み切りました。
議会での投票結果は、軍事介入賛成 557票 vs 反対 13票となり、圧倒的に賛成リード

ただし、この採決が取られた時点で既に、米英仏軍は空爆を実施していたため、事後承諾という感じです。
* 2013年8月 シリア軍事介入 当時のキャメロン首相は、夏休みで休会であった議会を臨時招集し、議会で協議し採決を取りました。
結果は、軍事介入賛成 272票 vs 反対 285票となり、わずか13票差で軍事介入見送り



この結果を受け、アメリカも断念し、キャメロン首相の信任がた落ち・・・
この時は本当にすごかったですよ、もう キャメロン辞めろ~という声がイギリス中に湧き出ていました。
* 2014年 ISIS(イスラム国)空爆当時のキャメロン首相は、議会での承認を取り付けた上で空爆に踏み切りました。
議会での採決結果は、空爆賛成 524票 vs 反対 43票となり、圧倒的に賛成リード
* 2015年 シリアにおけるISIS(イスラム国)空爆の延長当時のキャメロン首相は、議会での承認を取り付けた上で空爆に踏み切りました。
議会での採決結果は、延長賛成 397票 vs 反対 223票
* メイ首相 ここまでの動きシリアで化学兵器が使用されたという噂が立ったのが、先週末 4月8日(日曜日)だったはずです。
で、翌日の月曜日に、メイ首相はスカンジナビア各国を回りました。
このスカンジナビア訪問で、アメリカやフランスよりも、一歩遅れての決断となったのです。
当初、メイ首相は議会の承認なしに、軍事介入に参加する意向を見せていたようで、トランプ大統領やマクロン大統領とも電話で話し合っていたと伝えられています。
しかし、アメリカが動きださないこと。加えて、最大野党: 労働党のコービン党首や他の野党が、「首相の独断で決定するのはあり得ない。こういうことは、正式に議会で承認を取るべきだ。」と要求してきました。
そこで、メイ首相は木曜日に、イースター休暇中にも関わらず 閣議を招集し、最終的に全会一致で閣僚たちの承認を得ました。
* メイ首相 ここからの動き (予想)木曜日の閣議では、「議会での採決実施については、話し合われなかった」 というコメントでした。
一番気になっていることは、もし議会で採決を取ったとして、メイ首相が負けちゃったら、どうなるのか?
2013年のシリア軍事介入で、キャメロンさんが負けた時の、あれをもう一回やっちゃうのかな?
あの当時(2013年)は、保守党が連立組んでいて、とりあえず過半数議席以上獲得していたので、負けたことが相当屈辱的だったのかもしれません。
今の保守党は、過半数議席に足りないので、メイ首相は負けることもある と言う前提で考えれば楽なのかもしれません。
しかし、国を背負う首相たる者、負け戦 しないでしょ、さすがに・・・・
その意味で、メイ首相が躊躇しているように見えるのは、負けたらマズいからかもしれません。
まぁ、ここからどういう動きになっていくのかわかりませんが、米露が直接会話しているようですし、今日はマクロン大統領がプーチン大統領に電話したようですので、この週末は大丈夫なんですかね・・・
* トルコのエルドアン大統領私の苦手なエルドアンさん

過去48時間で、トランプ大統領とプーチン大統領それぞれと電話で話したそうです。
エルドアンさんは本日、「シリア攻撃についての最大の懸念材料は、シリアという国を使い、ロシアとアメリカが戦争を始めるつもりではないか?という懸念が強い。シリアを土俵にレスリングをするつもりなら、やめてくれ! 」 と発言しています。

昨日 メイ首相と電話で話すトランプ大統領
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