毎月中旬になると、英国では ① 消費者物価指数(CPI) ② 雇用統計(賃金上昇率が重要) と、2日続いてポンドが動きます。
今月は、昨日
消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI) についてブログで記事をアップしました。
そして、本日は雇用統計、特に賃金上昇率に注目

でした。
* 7月 英雇用統計失業率6月 4.5%

7月予想 4.5%

結果 4.4%
賃金上昇率Total Pay(ボーナス含む) 6月 1.8% (1.9%に修正)

7月予想 1.8%

結果 2.1%
Regular Pay(ボーナスなし) 6月 2%

7月結果 2.1%

(クリックすると拡大します)
* ポンド上昇が止まった理由賃金上昇率の予想が 1.8%に対し、実際の結果は、2.1%となったことを受け、ポンドは上昇しました。
しかし、その上昇も志半ばでジリジリと下げています。
その理由はいくつかあるので、ここに書き出してみます。
・失業率 4..4%、失業者数 15万7000人減となっても、賃金がさほど上がっていない
・雇用率は史上最高の75.1%に達していても、賃金がさほど上がっていない
・予想より良い賃金上昇率が発表されても、大型小売店の株価は上がっていない

消費者センチメントは弱いまま
・Brexitによる先行き不透明が賃金を抑えている可能性
・雇用市場がしっかりしていても、Brexitがクリアーにならない限り、賃金が大幅にアップすることは難しい
・英中銀が8月のインフレ・レポートで予想した「賃金上昇率はじきに3%に達する」という予想は、楽観しすぎ
・常識的に考えれば、ここまで失業率が低くても賃金が大幅に上がらないということは、今後も2%前後の上昇率が継続するかもしれない
ご覧のように、ほぼ完全雇用に近い状態であるにもかかわらず、Brexitが大きな重石となっているのがわかります。
6月26日から、新興国通貨のスプレッドが大幅に縮小されました 


