もう半年以上、いやもっと前から、いったいどうなるのか?と思われていた世界最古の銀行:
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ (以下、モンテパスキ) について、イタリア政府は、国有化を発表しました。
この記事は、自分の記録用のものです。
*EU イタリア政府の公的資金注入を承認EUでは、ギリシャ債務危機の時に、加盟各国が公的資金を使って銀行救済(ベイル・アウト) したため、一時的に財政赤字が大幅に増え、その結果 国債利回りが高騰した苦い経験から教訓を得て、現在は問題銀行の株主や投資家による損失負担 (ベイル・イン) を求めています。
それもあって欧州では、
欧州銀行再生破たん処理指令 が導入されました。しかし、その指令の中には、
「予防的 かつ 一時的な資本注入の場合、この指令が適用されない」 という例外規定を設定しており、今回のモンテパスキ救済には、この例外規定が適用されたため、EUはイタリア政府の公的資金注入(ベイル・アウト)を
承認すると発表。
*具体的な数字モンテパスキ銀行は、82億ユーロの資本不足と言われており、
・イタリア政府 39億ユーロ
・株主と劣後債保有者によるベイル・イン負担額 43億ユーロ
となりました。
ただし、個人投資家が保有する劣後債については別扱いとなるようで、その分 15億ユーロは、イタリア政府が損失補てんに動くとも言われています。
蛇足になりますが、イタリアでは、金融機関の劣後債に個人が投資するのが普通らしいのですが、もし個人にも負担を求めると、社会問題になりかねないため、政府が損失分を補償するやり方に変更したようですね。
私の記憶が間違っていなければ、モンテパスキをはじめとするイタリア系銀行のベイルアウト資金として、イタリア政府は昨年末に、200億ユーロ相当の【追加国債発行】を認めたはずですので、それようの資金は手元にあると勝手に予想しています。
公的支援を受けるに当たり、モンテパスキは261億ユーロに相当する不良債権を売却するとも報道されています。
これで、長年問題となっていたモンテパスキ問題は、解決ということなのでしょうかね?
この記事を書いている間に、ECB議事要旨が発表されましたが、それなりにタカ派的内容がありますね・・・
6月26日から、新興国通貨のスプレッドが大幅に縮小されました 


