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上海合意の有無

マーケットで囁かれている「上海合意」。これは、2月末に中国・上海で開催されたG20会合でドル高是正に関して、なんらかの合意があったのではないか  という噂のことを指します。

それについて、Business Insiderに、BOAメリルのエコノミスト:ハリス氏の見解が載っていたので、ご紹介します。

その説明に入る前に、どうしてBOAメリルの見解をわざわざ紹介するのかと言うと、同行は上海G20の前に、「実現可能性は低い」と断りながらも、この会合でプラザ合意に匹敵する「上海合意」の必要性を訴えていたからです。


*BOAメリルのエコノミスト氏の見解
結論として、ハリス氏の見解は、「上海合意は、なかった」としています。その理由として、同氏は5つの根拠を挙げています。


1)金融政策と通貨との関係
今までのマーケットでは、ECBや日銀が金融緩和を通じた通貨安と、アメリカは金利据え置き(利上げ期待?)による通貨高が進行していた。

しかし今回の合意の噂によると、ECBと日銀は一方的な通貨安を目指すことは諦め、ドル安を受け入れたと言われている。果たして金融政策と通貨との関係は、突然シフトしたのか?


2)アナウンスメント効果
G20会合のようなアナウンスメント効果が高い会合では (コミュニュケなどを発表し) マーケットでの最大の効果を狙う。
しかし、「秘密の合意」では、その効果が得られない。


3)各国独自の金融政策の必要性
常々、アメリカの当局は、各国の中央銀行はそれぞれの国が抱えている問題や必要性を重視し、独自の金融政策を展開することを支持していた。アメリカは突然、この必要性を放棄し、ギア・チェンジをしたのか?



4)他のメンバーへの影響度合い
もし本当に合意があったとしたら、イエレン議長は、その合意の内容を秘密にしながら、どのようにしてFOMCの他の理事達を
納得させ、年内の利上げの回数(ドット・チャート)を低くさせることが出来るのか?




5)ドル下落のタイミング
昨年春くらいから、ドルの上昇は止まっていた。そして今年に入ってからのドル下落の半分くらいは、上海G20の前から既に始まっていた。それなのに、どうしてこのタイミングでドル高是正の合意が必要だったのか?



本当にこのような秘密合意が実際にあったのかについては、私たちのレベルではわかりませんが、本日あと数時間後に発表される3月FOMCの議事要旨、そして明日木曜日(日本時間ですと金曜日午前中)に 前代未聞の歴代4名のFRB議長によるディスカッション が続きますので、そこで何かヒントを得られるのかもしれません。

のちほど (たぶん 明日かな…) この上海合意と全く相反すると受け取れる発言を、ラガルドIMF専務理事がしています。それについて記事を更新しますので、ちょっとお時間くださいね~

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[ 2016/04/06 23:44 ] マーケット | TB(-) | CM(0)

『年初から約 7%ダウン! ここからの「英ポンド」戦略』

11月11日という縁起の良い日から、YJFXさんのご好意で隔週コラム記事を担当させていただくことになりました。 


YJFX用


過去の大きな下落(ポンド危機やリーマン・ショック)と比較し、年初から実効レートで約7%下落している「英ポンド」について、
その下落要因となった国民投票絡みの織り込み度や、投票日の6月23日までのタイムラインなどを分析し、今後の「英ポンド」についての動向を解説しています。

「ユーロ/英ポンド」や「英ポンド/米ドル」のチャート分析も網羅した本レポートをぜひご覧ください。


こちら から、お読みいただけます!

コラム全体のご紹介は、下のバナーをクリックしてください。そこからも記事が読めるようになっています。

               

Net Money

難民問題とシェンゲン協定

日本では報道されているかわかりませんが、3月のEU+トルコ難民サミットでの決定に基づき、ギリシャ国内の難民の移動が今週から始まりました。


*3月難民サミットでの決定内容
3月7日、そしてその翌週に渡り、EUとトルコそれぞれの首脳が集まり、 難民対策について協議 しました。

以前、ブログで記事にしましたが、その時の内容も含め、もう一度お伝えします。

念のために最初に書きますが、ここでいう「難民」とはシリア難民に限定しているようです。一部の報道では、シリアとアフガニスタンと書いてありましたが、UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)が認定した国の難民以外、難民とは認めないようです。


・ドイツなどに向けて移動するために、トルコからシェンゲン協定加盟国のギリシャの島などへ移動した難民を、もう一度 トルコに戻す
 書いてある意味がわからない方に、簡単に説明しますと…
ギリシャを含む欧州26カ国は、シェンゲン協定という協定を結んでいて、この26カ国のひとつの国に入国すれば、残りの25カ国内の移動の際にはパスポートのチェックがありません。

ですので、難民の立場になると、まずトルコに入ったら、すぐにギリシャに移動したいんです。そうすれば、そこから先は一切パスポートのコントロールなしに移動できるので…

まぁ、難民問題が悪化してから、シェンゲン協定加盟国の中に、国境監視をつけたり、国境を一部閉鎖したりする国が続々と出てきているので、今年に入ってからは、シェンゲン協定は名前だけになってしまっています 



・ギリシャ本土や島から、トルコに再入国した難民数と同じ人数の難民をEU加盟各国は受け入れる
(つまり、トルコに滞在する難民数は、常に一定となる。2,000人/日 を目標としているようです)

 これに関しては、私たちはEUサミットの全体会議で合意した内容だとばかり思っていたのですが、サミット翌日になってEU関係者が、「この合意内容は、ドイツとトルコが個別で行った2国間協議で決められたものである。」と語りました。

・ギリシャの各島に滞在する難民を一掃するのが目的

・トルコ国民は、シェンゲン協定加盟国への入国に際し、今まではビザが必要であったが、その必要がなくなる
(遅くても6月末までには実施予定)

・EUは、当初予定していた30億ユーロの2倍に当たる60億ユーロの難民対策費を、2018年まで3年にわたり支給する



などの交換条件に応じるようです。


*サミット後に発生した問題点
・毎日2000人規模の難民がギリシャからトルコへ移動し、それと同数の難民をEU各国は受け入れることになるが、この案を受け入れているのは、現在のところ ドイツとオランダだけ。ハンガリーは絶対に受け入れない姿勢を崩さない

・イタリアは、トルコの言論の自由や人権問題が解決されない限り、この条件はのめないと言っている

・フランスは、イスラムのトルコがビザ無しでシェンゲン協定国内を自由に移動できることに反対している

・シュルツEU議会議長は、今回のEU/トルコ難民協定と、トルコの EU加盟とは、全く別の問題だと強調している


*今朝の南ドイツ新聞の記事
本日、南ドイツ新聞が行った「シェンゲン協定の無効」についてのアンケートでは、衝撃的な数字が出ました 

ドイツ、フランス、イタリアそれぞれの国民に対して行われた調査では、実に6割以上 (フランスでは7割以上) が、シェンゲン協定の無効を支持   していることがわかりました。

欧 シェンゲン無効支持

フランスではテロがありましたので、理解できるのですが、ドイツでこれだけの高い数字が出るとは、ある意味予想外でした。

あと、日本ではあまり伝わっておりませんが、EUサミットで協議される難民とは、だいたい シリア、あと一部のアフガニスタンからの難民を指しておりますが、イタリアへは北アフリカ (リビア、モロッコ、アルジェリアなど) から大量の難民が押し寄せています。これについては、特に対策が立てられていない状態ですので、今回のギリシャ/トルコの難民対策にばかりEUの人々は時間を割いていることに、イタリア政府は不満を漏らしています 




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[ 2016/04/06 01:11 ] 欧州関連 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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