久しぶりにこの話題です。
この週末、英国のディリーメール紙日曜版に、驚くような記事

が載りました。それは、「欧州の難民問題が発覚してから

英国民のEU離脱に向けた国民投票の投票配分に変化がおきた」 という内容でした。
*難民受け入れに対する考え方の違い「戦後最大の危機に襲われている…」

ヨーロッパ各国の新聞が、このようなヘッドラインをつけて報道している難民危機。
9月1日の過去記事 でも書きましたが、難民の国籍は、中東・北アフリカなどさまざま。
この問題に一番理解を示しているのが、ドイツのメルケル首相。ドイツは、2年に渡り80万人までの難民を受け入れると発表しています。それに対して、難色を示しているのが、英国のキャメロン首相とハンガリーのオーバン首相。特にハンガリーは既に国境閉鎖に近いことをやっています。
*難民受け入れ割当制度への反発が強い英国民英国は、2017年末までに「EU離脱の是非を問う国民投票」を実施します。それに先駆けて、キャメロン首相は欧州各国を廻り、根回しに必死です。
その中でも、今回の国民投票に対して非常に理解を示してくれていたのは、他でもないドイツのメルケル首相でした。しかし、この難民受け入れ割当制度を巡り、メルケル首相とキャメロン首相の考え方の違いが鮮明となり、メルケル首相は、「英国とドイツの国交問題に大きな亀裂が入る可能性がある。」

と警告しています。そして、オーストリア政府も英国が割当制度に参加し、より多くの難民受け入れを認めない限りは、英国が進めようとしているEU改革には断固として拒否するとも語っているようです。
*難民受け入れ数欧州統計局の数字を見ると、2014年の難民受け入れ数は、ドイツが約4万人、スウェーデンが約3万人、イタリアが約2万人。これに対して、英国は約1万人に留まっています。
しかし、難民と移民は別のもの。不法・合法を問わず英国に入国した移民数は、数え切れません。ロンドンだけに限っても、不法入国した移民数は、最低見積もりで30万人。くどいですが、これはロンドンだけの、そして不法入国者のみに限った数字です。
*英国民の難民受け入れに対する見方と、EU国民投票への影響週末に発表された世論調査結果によると、今年6月の時点では、EU残留を望む人が54% / EU離脱を望む人が46%

しかし、難民問題が過熱してきたこの週末には、EU残留を望む人が49% / EU離脱を望む人が51% と、離脱派が優勢となりました。

(クリックすると拡大します)
そして、今回「残留希望」を支持した人のうち、2割以上が、難民問題が悪化すれば、「EU離脱」に変更する可能性があると語っています。
*強硬姿勢を崩さないハンガリー難民受け入れ割当制度を支持するドイツやオーストリアに強硬に反対しているのが、ハンガリーのオーバン首相。同首相は、「ハンガリーは今年に入ってから既に、不法侵入してきた16万人にもおよぶ難民が現在も国内に住んでいる。先週の議会では、難民指定地域以外で難民を見つけたら、即刻投獄することが可能になる法案が可決したばかりだ。これは9月15日から実行に移される。そして、9月22日には議会で、国境地域に軍隊を駐在させる法案を協議する。ハンガリーから難民へのメッセージは、簡単である。ハンガリーに来ないで欲しい。」とストレートに反対の意を示しています。
今回の難民受け入れ割当制度の是非はさておき、英国のEU国民投票に限って考えると、この難民問題が起きたタイミングが悪すぎますね… 今年5月の総選挙の時も、移民問題が有権者の3大関心ごとのひとつになっていたくらい、国民の関心は高いです。しかし、今度は難民危機… 受け入れるとすれば、英国の割当数は、シリアからの難民だけでも、約2万人。受け入れ場所や補助金などの財政支出。問題は深刻です。
労働党はこの週末に新党首が決まりましたが、党首選に出場しているある議員は、「英国のそれぞれの街が、シリア難民10人を受け入れるようにすればよい。」と語っていました。
果たして、この問題が今年後半どのような展開を見せ、それが来年か再来年に実施される国民投票の行方をどのように変えてしまうのか… 少し恐いですが、観察しようと思っています。
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