週末に米ワイオミング州ジャクソンホールで、カンサスシティーFEDが主催した「経済シンポジウム」が開催されました。毎年のことですが、今年はイエレンFRB議長が出席されない… ということで、市場関係者の関心はフィッシャーFRB副議長に集中していました。
まぁ、そうは言っても、私はロンドンに住んでいるので、まずはカーニーBOE総裁の発言からご紹介いたします。
*2016年の利上げ路線、変更なしか…最近の中国人民元の切り下げや株価下落

などを受け、アメリカにせよ、イギリスにせよ、利上げ時期見通しが後退していました。英国に限って言えば、
① 原油をはじめとするコモディティー価格の下落で、低インフレ懸念がある
② 中国の景気減速が本格化すれば、世界景気も鈍化する可能性がある
③ ポンド高の影響
こんな理由が、早期利上げ説を封じ込める要因となっていると考えられます。
しかし、カーニー総裁が2013年7月に総裁に就任して以来、「早期利上げ観測と受け取れる発言」を何度か繰り返しており、イギリスに住む私たちは、そのたびに梯子が外される経験を繰り返してきたのです。
すぐに思い浮かぶだけでも
1) 2013年6月 マンションハウスでのスピーチここで、カーニー総裁は、
「年内にも利上げするかもしれない」 という含みを持たせた発言 をし、イギリス中が蜂の巣を突っついたような状態



になりましたが、その後一度もカーニー総裁は利上げに票を入れていません
2) 今年7月14日の議会証言「英国の一般世帯は、金利が上がる方向で、家計の調整をはじめるべきである。」と、かなり強気の発言
3) 2日後の7月16日 講演イギリス北西部:リンカーンで行った講演 で、カーニー総裁は、「経済そのものに活気があふれてきて、それがインフレ圧力を徐々に高めるため、英国は政策金利を上げる必要性にかられるのだ。私は、このような政策金利上げの決断をする時期に関しては、年末頃により明瞭になるだろうと考えている。」と語りました。この講演を聞いた英国の報道各社の中には、早ければ年末から年初にかけて、利上げに動く可能性が出てきたと報道したところが出てきたのです。
これはBBCニュースのヘッドラインですが、
「Carney indicates interest rates may rise at 'turn of year' カーニー総裁は政策金利は年明けにも上がると示唆」と報道。同じく英テレグラフ紙も、
「Interest rates could rise around New Year, says Bank of England Governor Mark Carney 英中銀カーニー総裁:政策金利は新年にも上がるかもしれない」 というヘッドラインを載せたため、この講演の翌日の7月17日は、英国中が「とうとう来たか…」

と覚悟した瞬間でした。

しかし、こんなに何度も利上げを示唆しながら、議事録が発表されるたびに確認してみると、カーニー総裁は一度も利上げに票を入れてないんですね。もちろん、「年末頃に…」 というのであれば、年末まで待たなければならないのかもしれませんが、英国に住む人々は、「カーニー梯子外し発言」に慣れてきてしまいました。
以前のドラギECB総裁と同じですね、マイナス金利にする用意があるといいながら、何ヶ月も何も動かなかったあの狼少年時代…
とりあえず、カーニー総裁の言葉を借りれば、英国経済の強さが、ポンド高や中国からの影響を相殺するため、利上げ時期の変更は現在のところ必要ないようです。
ポンドはこの発言を受け、月曜日窓あけして始まりましたが、午後から落ちてきてしまいましたね…
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