皆さん、GWがスタートして、ゆっくり楽しんでいられることと思います。私が住むロンドンでは、来週月曜日(5月4日)がメイデーの振り替え休暇となっておりますが、私は本の原稿書きの最後の追い込みで、あまりゆっくり出来そうにありません

朝起きて、ニュースをチェックしていたら、ブルーンバーグが載せていた「ギリシャのデフォルト」に関する記事が目に留まりました。非常に判りやすく書いてあったので、皆さんにもご紹介いたします!
*ギリシャのデフォルト、徹底解説Q: ギリシャの債務残高は、どのくらいの額になるのですか?A: ギリシャの債務残高は、約3,130億ユーロです。償還が集中しているのは、2021年以降ですが、これに銀行や民間企業の債務を追加すると、その額は約5,000億ユーロとなってしまいます。
目先の返済スケジュールを見ると、5月に国際通貨基金(IMF)向けの償還が待っていますが、本当の山場を迎えるのは、7月と8月に控える合計約70億ユーロにのぼるECB向けの償還でしょう。
Q: もしIMFへの返済が出来ない場合は、どうなるのでしょう?A: 当日に返済が無理な場合は、30日間の猶予期間(グレイスピリオド)がスタートします。2週間経っても返済が行われない場合には、ワシントン(IMFの所在地)から「即刻返済せよ。この返済が滞った場合、返済義務の不履行という深刻な事態に陥る」という伝達が入ります。そして、それから更に2週間経っても返済がない場合は、専務理事が履行期限が過ぎたことを理事会に報告します。
ギリシャの場合、このグレイスピリオドが終わっても返済出来なかった時に、本当の意味での「深刻」な状況

となります。この状況は「クロス・デフォルト/クロス・アクセラレーション (Cross-default/Cross-accelaration」と言う呼ばれ方をしています。
Q: クロス・デフォルト/クロス・アクセラレーションとは、何ですか?A:
クロス・デフォルト条項*というものがあり、IMF向けの返済が出来ずデフォルト(債務不履行)となれば、この条項に基づき、欧州救済基金を含む他の一部債権者もデフォルトを宣言できるほか、アクセラレーション(期限の利益喪失)条項に基づき、債務の残り全額を直ちに支払うよう要求できる権利も生じます。そうなると、他の貸し手もその後追随する可能性が出てくることが考えられますが、アクセラレーションの発動は自動的には行われず、それぞれの債権者が個別に判断します。
クロス・デフォルト条項*債務者の借り入れの一つが満期になっても返済されず、デフォルト(債務不履行:債務者が正当な事由がないにもかかわらず債務の本旨に従った履行を行わないこと)となった場合、債務者が抱える残りのすべての借り入れについても返済期日が到来していないにもかかわらずデフォルトになったものと見なされ、債権者は債務者に返済を要求できるというもの
Q: 格付け会社の反応は?A: 格付け大手3社とも、ECBやIMFは通常の債権者とは異なるため、期限までに返済義務を履行できなかった場合でも、デフォルトとは判断しないとの立場をし示しています。ただし、ムーディーズはIMFへの返済不履行ケースについては同様の見解ですが、ECBについては異なる立場を示しています。ECBが保有するギリシャ国債は市場性証券である可能性があるため、他の市場性証券と同様の扱いになる可能性があり、デフォルトと判定するとしています。
Q: CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は、どうなるのでしょう?A: 格付け会社がデフォルトと判断しなくても、国際スワップデリバティブ協会(ISDA)がデフォルトと見なせば、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の支払いが発生し、他の債券にも「クロスデフォルト」が波及する可能性があります。
現在ギリシャ向けのCDSは622件にのぼっており、総額約6億ドル規模だということです。
Q: ギリシャがデフォルトした場合、ギリシャ国内の銀行への影響は?A: それは、ギリシャのデフォルトに対し、ECBがどのような態度を示すのか?あと、デフォルトの内容によるでしょう。
先週、ドラギECB総裁は、ギリシャ国内の銀行に支払い能力がある限り、緊急流動性支援(ELA)を継続すると語りました。
もし、ギリシャが7~8月に予定されているECBへの償還が出来なくなると、ギリシャ向けELAも停止される可能性が高まるだろうというのが、現在の一般的な見方です。その理由は、デフォルトになれば、ギリシャが現在実施している短期債の入札に対し参加者が集まらず中止せざるを得なくなるでしょう。そうなると、銀行の資金繰りが停止するため、(銀行の返済能力がないと見なされ)ELAも停止されるということです。
いかなる理由にせよ、ECBによるギリシャ向けELAが停止した場合、国民による預金引き出しでパニック状態になるため、資本規制がしかれるでしょう。
Q: 資本規制はどのように行われるのですか?A: キプロスでも2年前に実際に資本規制がしかれましたが、ギリシャの場合は、キプロスほど成功しないと考えられます。その第一の理由は、キプロスは島ですが、ギリシャは国境を越えて国民が移動することが考えられるからです。つまり、ギリシャ国内の銀行のATMが止まって現金引き出しが出来なくても、他の国から引き落とす人達が出てくるからです。
Q: ギリシャ国内の企業への影響は?A: 国家がデフォルトをすれば、国内の企業も無傷ではいられません。このような問題を避けるためにも、ギリシャの株式市場で時価総額が最大の飲料会社、コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングは、3年前に本社をアテネからスイスのチューリヒ近郊に移転させました。それと同時に、株式を上場する市場も、アテネからロンドンに移したのです。
ギリシャ国内の企業への影響として他にも考えられることは、海外支店の収益を本国(ギリシャ)へ移管することや、配当支払いの禁止などの措置が講じられると考えられます。
Q: ギリシャはデフォルトをしても、ユーロ圏に残留できるのですか?A: 現在の通貨統合の仕組みは、ユーロ圏から離脱するということは、EU(欧州連合)から離脱して、はじめて可能となるという仕組みのようです。つまり、EUの一部としての通貨統合となるので、通貨統合に一度入ってしまうと、そこから抜けても、そのままEUのメンバーとしては残れるという仕組みには、なっていないというのが専門家の見方です。

まとめると、ギリシャがユーロ圏を離脱するということは、EUからの離脱をも意味するため、時間がかかる長い工程を経てはじめて可能となります。さしあたりは、6月末に現在の支援延長期限が来ますので、それまでに問題が解決されるのか、注目が集まります

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