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スイス中銀の決定: 各金融機関の意見

スイス中銀の決定 から一夜明けた金曜日、英国のニュースでは、アルパリUK破綻がトップニュースとなっていました。

しかし、これは 「FXが…」 という理由での報道ではなく、アルパリUKは、英サッカー・プレミアリーグのWest Ham というチームのスポンサーをしていたため、新たなスポンサーがどこになるのか?ということで、こちらでは話題になっています。

さて、今回のSNBの決定について、大手金融機関はどのように考えているのか?
かなりボリュームあるので、2回に分けますね。最初は こんな感じです。


ドイツ銀行
今回の発表を表面通りに受け取ると、SNBはこれ以上、外貨準備金の積み増しを望んでいないという意思表示と受け止められ、外準分散投資の意味からも、今まで介入で購入したユーロを売っていると考えるのが自然である。

しかし、この考えを元にすると、2つの疑問が生じてくる。

まず最初は、フロアー撤廃後のユーロ/スイスの動きを見る限り、スイス経済にディスインフレの影響が出てくることが考えられる。(それをSNBが放っておくとは考えられないため)SNBの介入は今後も継続すると考えるのが自然だろう。

次に考えるべきことは、ユーロ/スイスのフロアーが撤廃されたことで、ドルスイスの買いを持つ魅力が失われたことだ。このドルスイスの買いというポジションは、裏返せば、ユーロドルの売りと意味が似ている。


ゴールドマンサックス
スイス中銀は、フロアー制の撤廃という決断をし、マーケットを驚かせた。スイス高是正という観点から始まったこの措置であるが、今回の発表により、またスイス高方向へ持っていかれることになる。当行が算出しているスイス実効レートは、G10通貨に対して、2010年のスイス高のピークを上回るレベルにまで上がっている。SNBはフロアー制維持という目的のため、ユーロ購入をする機会が多い中央銀行であったが、それがなくなるのであれば、ますますユーロ下落圧力が増すとも考えられる。


UBS
フロアー撤廃後の最初の疑問は、ユーロスイスはどこに落ち着きどころを見つけるのか?ということだ。果たして、ここまでのマイナス金利になっても、投資家はスイスフランを買い続けるのか?地政学リスクがこの地球上に残っている限り、安全資産としてのスイスの地位は、ゆるがないものなのか?

SNBは、ユーロスイスを1.10レベルに落ち着かせることに成功すれば、スイス経済はどうにか頑張れるかもしれない。ただし、1.10近辺で維持するということは、SNBにとってもコストのかかる行為であろう。

コストといえば、今回の決定で、SNBのクレディビリティーが完全に損なわれたコストは高い。バランスシートのコストという面では、5000億ユーロの外準のうち、約半分がユーロである。そうなると昨年SNBが外準から得た収益:380億スイスに匹敵する規模の損失計上が必要になるかもしれない。


ソシエテ・ジェネラル銀行
SNBの決定を聞いて、最初に浮かんだ疑問は、「どうして今なのか?」「次は何が起こるのか?」であった。ギリシャ不安、ECBの追加緩和、ウクライナ問題、ロシア制裁など、数々の問題はあるが、特に金融市場の安定が崩れるほどの危機レベルでは、なかった。そこにきて、今回のSNBの決定である。

ただし、SNBがスイス安政策を諦めたとは思っていない。やり方を変えただけであろう。とりあえず、マーケットに残っていた莫大なスイス・ショートを根こそぎ振り払い、新しい環境で、あらためて1.20に向けてプライスが戻るよう、マイナス金利の幅も拡大したのかもしれない。そして、最終的には、ドルスイスも年末までには、もう一度 パリティー(1.0000)まで戻る可能性が出てきたのかもしれない。


ANZ銀行
SNBがマーケットに与えたショックは、半端ではなかった。とりあえずマーケットが今回のニュースを全部消化するまで待つのが得策だろう。SNBは外準で保有しているユーロをあらためて売ってくることも考えられる。そして、このタイミングでのSNBの決断を考えると、ECBのQE規模は予想よりずっと大きくなる可能性もある。

今 言えることは、2011年のフロアー設置以来、マーケット参加者は懲りずにユーロ/スイスを買ってきた。しかし、それが撤廃された後は、ユーロ買いの需要がなくなったことを意味している。そこに来てのQE発表となると、ユーロ下落リスクはますます増大してきたことを意味するのではないだろうか?当行は、QE + ギリシャ・リスクをふまえ、顧客にはユーロ売りを継続するよう推奨しているが、ドイツ国債利回りと原油価格を常にチェックすることは、怠ってはいけない。


クレディスイス銀行
今回のSNBの発表で、スイス企業、特に国外での収益(ドルやユーロでの収益)が大きい企業にとって、非常に厳しい内容となった。この問題は、スイスが得意のウエルスマネジメントビジネスに影響を与えることであるが、ユーロスイスが14%変動すると、今年の収益は7~16%程度の変動が起きると言われており、(これは、スイスの金融機関を例にとっている) スイス株式市場にとって、ネガティブなニュースだ。


まだ続きます。明日ね~



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N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

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