先週水曜日に発表された英中銀四半期インフレーション・レポート。その記者会見では、詰め掛けた記者達から、≪金融政策見通しに対し、英中銀(カーニー総裁)は口を開くたびに、違う意見を語っている。全然判ってないんじゃないのか?≫という散々な評価を下し、
Clueless という言葉を使い、それを表現していました。
*新たなClueless発言この週末日曜日の英タイムス紙のインタビューで、カーニー総裁は
「賃金上昇率がインフレ率より低くても、利上げをしてもよいのではないか? (いずれ、賃金上昇率は上がってくるだろう)」
という内容の発言をしています。
シティーのエコノミスト達は、さすがにこの発言には呆れている模様。そして、英中銀の信用性(Credibility)が、カーニー総裁の揺れ動く発言のお陰で、かなり痛んだと感じているようです。
*政治的思惑?写真のCityAMという新聞は、ロンドン地下鉄で配布される無料紙ですが、日曜日のカーニー総裁インタビュー内容を巡り、政治的思惑があるのではないか?という記事を今朝の一面でデカデカと報道しています。

書かれている内容は、
「来年5月に総選挙が実施されるため、カーニー総裁とオズボーン財務相は、なんらかの密約を結んでおり、それまで政策金利上げをやらないよう、カーニー総裁は発言内容を一転二転させて、時間稼ぎをしているのではないか?」
というもの。他の新聞社も追って記事を書いていますが、それぞれを読み比べてみた結果
・カーニー総裁は、発言内容をコロコロ変えて、時間稼ぎをするという危ないゲームを始めたかもしれない
・1997年に英中銀は独立したが、とうとうそれ以前の《財務相による政治的思惑いっぱいの金融政策》に逆戻りか?
・(経済の緩みに関する意見は多数あるだろうが)今後その緩みを使い切ったとして、インフレが上昇してきても、総選挙まで本気で待つつもりなのか?
・カーニー総裁の給料や諸手当は、キング前総裁の3倍に上る高待遇である。それなら、ここは断固として政治的思惑に一線を画し、オズボーン財務相と距離を置くくらいの配慮をしたら、いかがなものか?
*私の感想私の考えすぎかもしれませんが、先週水曜日のインフレ・レポートでのハト派色が強い発言から、日曜日のインタビューでのタカ派色の強い発言内容への豹変は、もしかしたら、水曜日に公開される8月英中銀金融政策理事会議事録で、2011年8月以来ず~~~~~~~っと《9対0》の全会一致で据え置き決定していた政策金利に対する投票で、1~2名の利上げ票が投じられたのではないか?と考えています。
カーニーさんなら、既に利上げ票を入れた理事がいるかどうかご存知ですし、いきなりマーケットを驚かさないよう、事前に少しだけ漏らす(?)方を選んだのか?と...
いずれにしても、英国中がというより、金融関係者はカーニー総裁に失望したのは、確かです。一度失った信用は、なかなか戻ってきません...

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