ロンドンに戻って2日目となりました。本当に少しづつですが、体調が戻りかけています。やはり自分のデスクからいつもの景色を眺めながら、自分のペースで仕事が出来るのは、ありがたいと思いました。
*カーニー総裁のインタビュー6月28日、カーニー総裁は北アイルランド:ベルファストを訪問し、ベルファスト・タイムス紙のインタビューに答えていました。そこでの質疑応答の部分をご紹介します。これを読む限り、
少なくともカーニー総裁は現在のポンドのレベルに対し、警戒感を抱いているようには、感じませんでした。Q: 今週、英中銀は
金融安定報告書*を発表し、ロンドンの住宅市場の過熱感を冷ます内容の対策を発表しました。この対策は、ここ北アイルランドの住宅をも冷やすことになるのでしょうか?北アイルランドはロンドンとは違い、2008年の金融危機以降、最近になってやっと住宅価格の穏やかな上昇が確認できたところです。
A: 我々の決定内容は、住宅市場が回復してきたばかりの北アイルランドやそれ以外の地域には、害が及ばないよう配慮している。そしてこの点は特に念を押したいが、英中銀が注意を払っているのは、住宅価格ではない。住宅売買件数や、それぞれの地域で実際に起きている住宅市場を取り巻くひとつひとつの動きである。そのため、新築住宅件数やどのくらいの人数の人達が移動し、その移動により負債などが発生しているのか?に注意している。数年前の金融危機以降、誰もが苦しい思いをしてきた。なので、同じ過ちを繰り返さないためにも、あまりにも急激に不動産市場が動いたり、負債が膨らみすぎたりしないために、英中銀は全力を尽くしたいと考えている。
Q: 当然といえば当然ですが、住宅価格が上がれば、家を保有している人達は、素直に喜びます。これは、間違っているという意味ですか?
A: 自分の家を所有したいという気持ちは、万国共通だ。ただし、英中銀が特に心がけている点は、住宅ローンを組んだ人達が、ローン期間が終了するまで、無理なく返済出来るということだ。忘れてならないことは、家を購入した人・賃貸している人・両親と一緒に住んでいる人、どの人にとってもそれぞれが置かれた立場で《自分の経済》を営んでいるので、短期的な住宅価格の上昇で一喜一憂するのではなく、経済という観点から長期的に安定することを心がけることが大切である。
Q: 先日の議会証言で、貴方は
「移り気であてにならないボーイフレンド」** という指摘を受けました。この発言には傷つかれましたか?意外な方向からパンチを受けたような気分になりましたか?
A: 私は(総裁という立場から)金融政策理事会(MPC)と金融安定理事会(FPC)両方の理事達と、それぞれの目的を達成することに集中している。MPCでは、物価の安定を達成するために努力しているが、最近になってやっと、(2008年以降の) 景気後退から脱出し、経済活動に元気が出始めてきた。FPCでは、金融安定を通して、なるべくリスクを軽減することに努めている。

全然質問の答えになっていないと感じたのは、私だけ
Q:政策金利は、いつ上がるのでしょうか?
A: それは、誰にもわからない。この手の質問をよく受けるが、その場合には、こう答えるようにしている。
政策金利を動かす時に注意しなければいけないこととして、①世帯の負債規模 ②政府の負債規模 ③英国の最大の輸出先であるユーロ圏の経済回復が遅れている点 ④ポンドの強さ ⑤金融システムの変化 これらの全てを考慮して、政策金利の変更を行なう。今後金利が上昇するとしても、そのペースは穏やかで、限定的なものとなるだろう。
利上げの正確なタイミングは、今後の経済活動の内容に影響される。
Q: 最近のポンド高により、被害を被っている産業や人々に対して、一言
A: 最近のポンド高は、英国経済が強いことを反映している。ただし、もしこれからもポンド高がずっと継続するのであれば、英国の産業は生産性を向上させなければならない。当然、企業投資が非常に重要になるであろう。つまり、各企業は自己の生産性を高める努力を怠ってはならず、必要な計画を立てることが大事である。通貨は時間が経てば、一番居心地のよいところに落ち着いてくるであろう。
*金融安定報告書リンク記事最後の【まとめ】の部分を参照**移り気であてにならないボーイフレンド6月24日に財務省特別委員会では、5月に発表された英中銀四半期インフレーション・レポート内容について、議会証言が実施されました。その時に、委員会に出席していた女性議員が、最近のカーニー総裁は政策金利上げの時期に関して、コロコロと発言内容を変える傾向にあるため、「英中銀の最近の発言を聞いていると、移り気であてにならないボーイフレンドのようだ」と発言し、話題になりました。
この議員が言わんとしていることは、6月12日のマンションハウス・スピーチで、あれだけ利上げ時期を前倒すことを示唆したタカ派色の強かったカーニー総裁が、この日の議会証言では、結構地味な発言に終始していたため、カーニーさんの発言は市場を惑わすだけ、一体なにを伝えようとしているのか判らない!という手厳しい指摘でした。

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