今月のECB理事会は、可もなく不可もなく終了しました。しかし市場参加者は、ECBの緩和政策が先月の予想外の利下げだけで終わるとは、考えていないようです。
ドラギ総裁は記者会見のたびに、「あらゆる手段を導入する用意がある」

と語っておりますが、たぶん23名の理事達の意見が統一せず、「どの手段を使うことで、コンセンサスが取れるのか?」 に時間がかかっているのかな

とも、思っています。
ここでは、今月の理事会を終え、各行のエコノミスト達がどのように感じたのか?をご紹介したいと思います
*クレディアグリコレ銀行 Ducrozet氏今月の理事会後に開催されたドラギ総裁の記者会見を見た限り、当行が予想している「2014年の追加緩和策導入」のシナリオが再確認されたと思っている。ただし、どの手段をどのタイミングで導入するのか?については、予想が難しい

フォワードガイダンスの強化と共にLTROの再導入というものが現在のところ、可能性が高いと見ている。もし、更にインフレ率や成長率が下がっていくようであれば、レフィ金利のカットもあり得ると考える。
ドラギ総裁は記者会見の席では、ハト派な発言に終始したが、’’先月の理事会と比較して、より一層ハト派となったか? ’’ については、そうとは言えないかもしれない。市場参加者にとっては、新しい追加緩和/流動性供給策の発表がなかったことで、失望を覚えた人たちがいるかもしれないが、我々の受けた印象では、EONIAやEuriborの上昇を止める方法について、理事達の間で、これ!という一致した見解が見つからないかったのかもしれない。
最終的には、ドラギ総裁は緩和政策継続を前提として、先月の利下げがここからのマーケットにどう浸透していくのか、見守りたいであろうし、今後のマクロ経済指標の動向も見極めたいのであろう。
*BNPパリバ銀行 Wattrett氏追加緩和策の導入は、かなり近い将来に発表があると予想している。
私が心配していることは、ECBは何らかの変更決定をする時に、時間を使いすぎる気がしている。もし資金供給量を増やしたいのであれば、ECBは資産買い入れを通して、バランスシートの拡大に動くべきであろう。しかし、ECBはその選択をせず、他の方法でどうにか切り抜けようとしている印象を受ける。
*RBS Barwell氏12月の理事会後の記者会見からのメッセージは、クリアーだ。「ECB理事会は、フォワードガイダンスの枠組みに沿って、あらゆる手段を使う用意がある」ということである。
ドラギ総裁は「長期LTROは、実際経済の改善よりも、国債市場の改善のために役立ったという認識を披露し、次回もし同じようにLTROを再導入することになるのであれば、その懸念を市場に伝え、内容を改めることになるであろう。たぶん英中銀が実施したFLSと似たものを念頭においていると見受けられる。
*IHSグローバルインサイト Archer氏ECBはフォワードガイダンスの枠組みに沿って、必要とあれば、あらゆる手段を使う用意があるとはっきり宣言した。今月発表されたスタッフ予想を見る限り、GDPもインフレ率も芳しくなく、現在のユーロ圏はECBが「必要」と考える状況であることが確認されたはずである。
そのため、ECBは近い将来、次の手段を披露すると予想され、その場合には、銀行融資に特化したLTROとなる可能性が高い。
*DZ銀行 Reicherter氏2年後のインフレ見通しがあまりにも低かったことに、驚いた。

このままで行けば、デフレ懸念というテーマが中心となってくることもあろう。
来年のECBであるが、年初いきなり追加緩和導入に動くとは考えていない。しかし、FRBのTaperingの時期が近づけば、来年の春頃から、ECBの次の一手に対する期待とプレッシャーは高まるに違いない。
*モルガンスタンレー Bartsch氏記者会見を聞く限り、特にこれ!と決められるような緩和手段について、深く協議したようには、思えなかった。追加の金利カットについても、あまり話し合わなかったであろう。
当行は、2014年第1四半期に、ECBはレフィ金利のカットをもう一度行うと予想しており、それに伴い、デポジット金利のカット(マイナス化)の可能性も高まってくると考えている。そのきっかけとなるのが、ユーロ圏GDPの悪化であろう。
*コメルツ銀行 Kraemer氏ECBは追加緩和策として、特にこれ!というものを見つけていないようだ。そうなると、早急に追加緩和が必要だと考えていないことにもなる。
市場が考えているような長期LTROの再導入についても、今のところECBは導入を急いでいないようで、ドラギ総裁はそのことについて、「LTROによって得た資金は、国債購入(加盟国政府の赤字削減対策)に充てられるのではなく、経済のために使われるべきだ」と語っていた。この言葉からも、もし今後LTROの再導入となった場合は、銀行からの融資に特化した条件がつけられるであろう。
*ING銀行 Brzeski氏ドラギ総裁はECBはいかなるデフレ傾向とも戦う用意があると強調したが、ECBがどのような手段でどのタイミングで何をするのか、はっきりしていない。

ECBが使うと予想される手段についてドラギ総裁は、「ECBは、数多くの手段を保有している」と語っているが、実際に使用可能な手段はそれほど多くないのかもしれない。

ざっと思いつくものとしては、
・いかなる種類によるQE
・条件付きのLTRO (英中銀のFLSと似た内容となるであろう)
・不胎化
などがあるが、ECBはこれらのどれを導入するかについて、決定していないような印象を受けた。



ブログのメールフォームを通じて、何人かの読者の方から、「どうして、ユーロはこんな買われるのか?」という質問を受けています。今週金曜日の
セントラル短資FX(株)さんのコラム で、自分なりの考え方を書きたいと思っております

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