先週のECB理事会での驚きの政策金利カットについて、ドイツやイギリスからの報道です。

欧州で最大の購読数を誇る独Bild紙によると、ECB金融政策理事会のドイツ人メンバーである
ドイツ連銀のバイトマン総裁とアスムセンECB理事は、ともに、利下げには反対票を投じたと報道されているようです。そして反対票を投じたのは、この2人だけでなく、他にも4人の理事がいたそうです。
ドラギ総裁は「追加の政策金利カットも可能である」と記者会見で答えていらっしゃいましたが、英FT紙の取材に匿名で応じた某ユーロ加盟国の中央銀行総裁によると、今後の金利カットに対して、ドイツはとことん反対してくるだろうから、(追加のカットは)無理だ

と思うと答えているようです。

ドイツ国内では、ECBに対する信頼性が徐々に薄れてきており、最近では【反イタリア】のセンチメントがドイツの市場関係者の間で高まっているとも伝えられています。ドイツのビジネス誌Wirtschaftswocheは、(ECB総裁がイタリア人であることを例に挙げ)「ユーロ圏はイタリア中銀によって支配されている」という内容の記事を載せているそうで、それを読むと「ドラギ総裁は、特に南欧州の加盟国に対して、普段なら手に出来ないような低金利の融資を提供するという手段を使い、ユーロ圏の金融システムを乱用している。」と非難しているようです。

英テレグラフ紙のエコノミストは、ユーロ圏のデフレ傾向は強まる可能性を指摘。特に、域内の賃金上昇率の鈍化、生産者物価指数の低下、そして通貨:ユーロのトレンドを例に出しています。

ドラギ総裁は
「ECB is ready to do whatever it takes to preserve the euro
ユーロを救うために、権限の範囲内でどんな手段でも使う用意がある」
と以前発言して、マーケットを驚かせましたが、デフレ対策のひとつとしての政策金利下げに、これだけ多くの(特にドイツからの)理事達が反対に廻った以上、金融政策理事会全体が一丸となり解決に向けて力をあわせることが無理となったと言ってもいいでしょう。そうなると、ここからのデフレ対策について一体なにが出来るのか?不安になります

しかし、日本の「失われた10年」からも判るように、中央銀行がデフレ対策に躊躇すればするだけ、悪のワナにはまってしまうという面はドラギ総裁自身、よく判っていらっしゃると思います。
果たして、ユーロ圏の現状を『デフレ』と呼ぶべきなのか?ディスインフレと呼ぶべきなのか?よく判りませんが、いずれにしても、低インフレ+低成長がかなり長期化することは確実のようで、この傾向の継続は加盟各国の赤字対GDP比削減目標をますます困難にすることは間違いありません。
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