昨夜遅くというより、欧州時間の早朝、格付け大手:フィッチが米国をウォッチ・ネガティブに指定

財政協議がこう着していることを理由に最上級格付けから引き下げる可能性があると警告

結果としてドルの急落

を招きました。
これだけ頻繁に財政問題で与野党の攻防が繰り広げられていることを考えれば、いまだにトリプルA格付けを維持していることが、逆に不思議だ

と、私はずっと思っています。
今回、もし債務上限引き上げが遅れた場合、アメリカという国は、トリプルA格付け (ムーディーズは見通しも「安定的」のまま) にもかかわらず、テクニカル・デフォルトとなる可能性がある

という非常に理解しづらい展開となっています。
*フィッチからの発表昨夜のフィッチからの発表の特徴は、
今回引き上げ合意が成立しても、アメリカの格下げが起こる可能性が残る という点かもしれません。その理由としては、やはり債務上限引き上げ問題に関する交渉が長引いており、基軸通貨:ドルに対する信用性が揺らいでいることを挙げており、私も全くその通りだと思いました。
私はブログなどでもよく「Credibility 信頼性、信用性」という言葉を使い、中央銀行などは、Credibilityが非常に大切と書きますが、基軸通貨としてのドルの場合、Credibilityよりも、
faithという言葉が当てはまるかもしれません。
私もこちらに住むようになり、このfaithという言葉をよく耳にしますが、これにぴったりくる日本語が探せないでおります

少し信仰がかった単語ですが、『無条件・掛け値なしで信じる』という感じの意味かと思います。
*基軸通貨体制そもそも現在の米国の格付けが適正水準であるか?という疑問に関してですが、もしこれが(アメリカではなく)他の国であれば、これだけ頻繁に【デフォルトの危機】が語られる状態であれば、とっくにジャンク債に限りなく近い格付けになっていたことでしょう。なので、私的には昨日のフィッチからの発表は、しごくまともだったなぁと思いました。
そして、現在アメリカで続いている茶番劇を、今後も頻繁に繰り返すようなことが続けば、基軸通貨としてのドルの地位は徐々に揺らいでくるのではないでしょうか?
今まではユーロという通貨が、ギリシャなどの加盟国による債務問題の影響を受け、しっかりしていませんでした。一時は、「ユーロ崩壊説」

が当たり前のように囁かれていました。しかし、ここにきて、銀行同盟をはじめとする欧州統合が少しづつですが前進してきたことを受け、何か問題が起きた場合の安全網が整いつつあります。
私はアメリカに住んでいませんので、現在起きている財政問題についてきちんと理解していないのかもしれません。ただ単に報道を読むだけの表面的な理解で満足しているだけかもしれません。しかし、もし私がオバマ大統領だとしたら、やはり6週間限定の解決案は拒否したと思います。

今後も長期的解決案が見出せない限り、そして欧州の安定が継続する限り、基軸通貨としてのドルに対するfaithは崩れていくのかもしれません。基軸通貨の変更、またはドルとユーロの2本建てが本格化するには、何年もの時間がかかるでしょうから、すぐにドル売り/ユーロ買いを推奨する気はありませんが、常にこのことは念頭において、取引をしていきたいと思っています。
*中国からの発言今回のアメリカでの財政問題危機を受け、中国では「現在のドルの基軸通貨体制から、新しい基軸通貨導入を織り込んだ改正が必要ではないか?」という意見が出てきているそうです。彼らは世界で一番、米国債を保有しているだけに、非常に気味悪い気分です。


このチャートは、
IMFの世界各国の外貨準備高 の【新興国によるユーロの保有高】を示したもの。
欧州債務危機の影響を受け、新興国の中央銀行はユーロの配分を減らしてきました。
先ほどの中国の発言、気味悪い~ と言ったのは、中国は新興国の代表みたいなものであり、世界一の外貨準備を保有する国

ですので、あの辺りが本気でドルからユーロへ準備金の変更を行うようなことになれば、為替市場では物凄い大きな動きになるな...と、ぼそっと思ったんです。

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