昨夜、ボランティアから帰って来て、マーケットのニュースを調べていたら、どこもかしこも「欧州株、続落。特に金融セクターは大打撃」

という内容の記事ばかりでした。
なんじゃらほい?

と思い、調べてみると、ユーロ・グループ議長のダイセルブルーム議長(オランダ財務相)の発言がきっかけだったんですね。同議長は
「キプロス危機の解決方法は、今後ユーロ圏で同様の危機が起きた時の雛形となるであろう」と語りました。
この発言が何を意味しているのかと言えば、 「今後、加盟国の銀行に問題がおき、その銀行が自力で資本増強が出来なくなった場合、
(従来のように)ユーロ加盟各国政府や納税者が支援金の負担をするのではなく、その銀行の株主・債券保有者、必要とあれば預金保険対象外の預金者に負担を要請することになる」ということです。
見方を変えれば、ドイツとIMFの一人勝ち

とも受け止められますが、本当にこれが’’雛形’’になった場合、極端なことを言ってしまえば、ユーロ圏の恒久的救済機関であるESM(欧州安定メカニズム)が不要になります。
*今朝の報道同議長の発言から一夜明けた

今朝の欧州では、やはりECBの理事達の間から賛否両論の意見が出ています。
しかし、それ以上にこちらで話題になっているのが『キプロス・ユーロと他の加盟国のユーロ』との価値の違いです。
そもそもユーロ加盟各国の間では金・人・物資全てが’’自由に’’移動出来ることが前提となっています

木曜日から銀行営業が再開したら、キプロス政府は資本統制(資本規制)を布くことになっています
(先週、キプロス議会では銀行再編などを含む7つの法案を可決しました。そのうちのひとつが、資本統制)

資本統制とは、簡単に言ってしまえば、『キプロスの銀行からの送金や預金引き落としに対し、制限を加えること』
つまりロシア人などの大口預金者が銀行窓口に来て、「今すぐ50万ユーロをスイスの銀行へ送金したい」

と言っても、それが出来ない

ことを意味しています。

他の例では、キプロスの銀行にある預金を崩して、スペインに別荘を買おうとする人が出ても、預金引き落としが出来ないため、別荘を買えなくなります


つまり同じ『ユーロ』という仮面を被っているものの、キプロスのユーロはドイツやスペイン、はたまたギリシャのユーロと同じ価値を持っていないことになります。

今朝の報道では、「キプロス・ユーロの価値はドイツ・ユーロの50%くらいまで下がった」という議論まで出ていますが、これが通用するのは、
あくまでもキプロスが資本規制をしている間だけであり、一旦それを外せば、キプロスのユーロもフランスのユーロも同じ価値を持つことになります


それでは、果たしてどのくらいの期間、キプロスは資本規制を導入しているのでしょうか


キプロスのサリス財務相は本日、英国のラジオ局のインタビューで
「資本規制は数週間くらい続くであろう」と発言しました。しかし『くらい...』の部分が自信なさそうだった

と伝えられています。

2008年、やはり金融危機にあった島国のアイスランドでも資本規制が導入され、5年経った現在もそれが継続しています


果たして、キプロスは本当に数週間で規制を解除できるのでしょうか?
既に一部の金融機関は
「キプロスの資本規制が解かれるまで、(資本の移動が自由に出来ない)キプロスは、正式なユーロ加盟国とは、みなされない」という顧客レポートを出しているようです。
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