明日は待ちに待ったECB金融政策理事会での発表があります。7月末に「Blieve me」

と発言し、市場の期待を膨らますだけ膨らませたドラギ総裁。しかし8月の理事会では、発言とは裏腹に、スペインやイタリア国債の利回りを下げる具体策は何も発表されませんでした

今月はどのような発表があるのか?各銀行のエコノミスト予想をご紹介します。
・米JPモルガン銀行当行は、明日の理事会での発表は、内容不足となり失望する結果となると予想している。しかし、我々は理事会後にECBは驚くような

行動に出るとも予想している。
それは(金融支援を受け、先週トロイカ調査団が四半期の見直しのために訪れた)ポルトガルの2~3年物国債をECBが流通市場で購入するという行動に出る可能性が高まっていると信じているからである。
当行の予想が外れ、ECBが(理事会後に)ポルトガル国債購入に動かなかった場合はひとつ理由が考えられる。
それは、ポルトガル国債利回りの高さは、市場参加者が(ギリシャに続き)ポルトガルも債務再編対象国になると見ている証拠であると考えている場合である。そうなると仮にECBが購入に動いたとしても国債利回りの低下は限定的となるであろうから、ECBは下手に動かないのかもしれない。
当行の予想が当たり

ECBがポルトガルの短期債購入に動いた場合、その額は無制限となるであろうが、購入期間は最小限に留められると予想する。その場合、ECBは不胎化介入 (sterilized intervention) という手段を取ると予想する。つまり国債購入で市場に流れた資金は最初のSMP同様、今回のSMP2も資金吸収オペ(たぶん期限1週間のオペ)により不胎化を図るであろう。
・英RBS銀行当行は、ECBが国債購入に動いた際に「特定の利回りターゲット」を発表するとは思っていない。
優先債権者問題に関しては、今後中央銀行もある程度の損失をかぶる可能性がある。
・英バークレイズ銀行ECBは独立した中央銀行であるため、9月12日のドイツ憲法裁による判決結果を待たずに、6日の理事会でSMP2の詳細を全て発表すると予想している。
もちろん常識的に考えれば、独憲法裁の判決を待つ

ESMの有効性が確認される

国債購入用の資金額が判明してからの方がより効果的であることは判っているが、ECBによる購入額は特に設定されないであろう。
加盟国の国債利回り、特にECBが購入対象とする3年物までの利回りに関しては、ECBが具体的なレベルを特定しないと困るであろうし、効果も半減してしまうであろう。
・独ドイツ銀行6日のECB理事会で発表されるであろうSMP2に関する内容を、当行は以下のように予想する。
1)2~3年物国債より長い期間の国債が対象となる可能性もある
2)購入額の制限に関しては、かなり柔軟に対処するであろう
3)非不胎化介入となる可能性がある
4)優先債権者問題に関しては、決定を先送り
・仏ソシエテジェネラル銀行ECBは12日のドイツ憲法裁の判決を待ってから、SMP2の詳細について最終決定すると予想する。つまり6日の理事会では、何も決定的な発表がないかもしれない。
当行としては、SMP2の中に国債利回りのバンドや上限を含めた「ターゲット」を設定することは、ECBの責務外となってしまうと考えているため、そのような動きはECBは取れないであろう。万が一取ってしまうと、ECBの独立性が危ぶまれる
・蘭ING銀行基本的な内容としては、ECBは短期(3年物まで)国債を対象に購入するとされているが、それが長期国債の利回りに好影響を与えることを期待せざるを得ない。
国債利回りの上限設定は、やらないと予想しているが、利回り上昇に対しては断固たる姿勢で介入する

ことを示唆すると思われる。
・米シティー銀行当行はECBが国債利回りの上限設定の発表や、購入額の設定をするとは思っていない。短期債を対象にするという発表は既にされているが、市場で言われているように3年物までという期間を、2年物までに短縮する可能性があると見ている。
6日にECBがSMP2の詳細を発表したとしても、実際の行動に移す時期は、早くても9月下旬となるであろう。その理由は、国債購入を要請する国はドイツ最高裁の判決を確認してからでないと動けないからである。
当行はスペインが真っ先に手を挙げる

と思っている。
・加RBC銀行当行は6日の理事会でECBがSMP2に関する最終決定事を発表するとは思っていない。
理事会としては、ある程度の柔軟性を残しておきたいであろうし、12日のドイツ最高裁の判決を待たずに先走った行動を取る印象を与えたくないとも考えているであろう。
・独コメルツ銀行当行は、ECBは市場が予想しているよりもっと実質的なアプローチをしてくると予想している。たぶん国債購入額に制限を設けるようなことはせず、短期債を中心に一定の国債利回りに落ち着かせるよう努力する筈だ。
加盟各国の長期金利上限またはバンド設定に関しては、もしかしたらECB内部は何らかのターゲットを想定をしている可能性はあるが、それは公表しないであろう。それを一旦公表してしまうと、ECBが問題解決に挑む際、柔軟性が損なわれるからである。
そしてバンドを設定したとしても、どの国も共通したバンドには、ならない。加盟国や国債残存期間により、相当違いが生じると思われる。
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