fc2ブログ
2012 04123456789101112131415161718192021222324252627282930312012 06

明日に迫ったアイルランドの国民投票

アイルランドの 新財政協定に関する国民投票 が明日に迫り、ケニー首相は国民に対してYESへ投票するよう最後の呼びかけ  をしました。

ケニー首相
(ダブリン駅での演説風景)

同首相は 「新財政協定とは、財政赤字削減に対する努力をおろそかにする加盟国を罰する権限を持っている。
アイルランドがこの協定を批准するということは、我が国がEUに対し金融システムの安定を維持することを示すだけでなく、単一通貨:ユーロに ’’信頼と安定’’ をもたらす効果もある。」 と語っています。それに加えて 「(金融支援を受けたアイルランドが) 財政再建の手本となることも出来る。」とも語ったようです。

*国民投票でNOがでてしまった場合

アイルランドNO

アイルランドNO 
(アイルランドでのNO投票を支持するポスター)

この国民投票は別名 『メルケル投票』とも呼ばれています。その理由は、新財政協定の設置を強く押したのが他でもないメルケル独首相であり、ドイツが望んだ財政均衡を最優先目標にしているからに他なりません。

この記事の冒頭でつけたリンク記事でも書いた通り、新財政協定を批准した国のみが、ESM(欧州安定化メカニズム)からの金融支援を受ける資格を有するとなっています。アイルランドは来年にでも市場で国債入札を行い自力で資金調達をしたいと切に希望していますが、万が一それがうまく行かなかった場合は  まだまだ欧州からの金融支援に頼らなければならない  可能性を残しているだけに、今回の国民投票実施の是非は’’この国の存続にもかかわる重要問題’’  へと発展しかねません。

ただし、問題はこれだけではなく、今週のはじめにヌーナン財務相が語ったところによりますと

・NOという結果が出た場合、非居住者によるアイルランドへの投資が引く危険性がある
・経済成長の達成機能が麻痺する危険性がある
・ESMによる救済支援の道が閉ざされるということは、アイルランドの財政再建は国民の努力のみに頼らなければならなくなる (より一層厳しい緊縮財政策の起用が必要となる)
・来年度のキャッシュ・フローが厳しくなる

*更なる不安材料

もし明日YESが出れば、アイルランドはユーロ加盟17ヶ国中、5番目に新財政協定を批准した国となります。

しかしドイツもフランスも未だに批准しておらず、特にフランスはオランド新大統領が就任した直後、「批准時期を少し遅らす」 と発表しており、この事実が明日投票所に向かうアイルランド人達に不安を与えている  とも伝えられています。

もうひとつ、気になる材料としては、この協定に反対するシン・フェイン党の支持率が増加していることです。この名前は日本ではどのくらい馴染みがあるのか判りませんが、英国に住む私はあまり耳にしたくない名前です。

話すと長くなるので簡単に説明しますと、1922年にアイルランドは英国領から独立しましたが、カソリック教徒の多い北アイルランドはそのまま英国領にとどまりました。その後1960年代後半、アイルランド共和国への統合を目指すカトリック系武装集団IRA(アイルランド共和軍)がテロ活動  を活発化し、北アイルランド紛争  が口火を切りました。「統一アイルランド」建国を目指すIRA暫定派の政治組織が、他でもないこの『シン・フェイン党』なのです。私が渡英した1980年代後半は、IRAのテロ行為とも呼べる爆弾騒ぎが後を絶たず、つい最近までイギリス各地の駅や道路のゴミ箱は中身が見えるように透明のプラスチック袋が提げられていました。それはIRAが爆弾をゴミ箱に装置し、歩行者に死傷者が出たりすることがよくあったからです。

話しを国民投票に戻しますが、ギリシャの急進左派連合(SYRIZA)が反緊縮政策で人気を高めた  のと同じ理由でしょうが、アイルランドは国民投票を目前に控えシン・フェイン党は財政協定反対キャンペーンのおかげでアイルランドで2番目の支持率を誇る党にのし上がってきたのです。もう現在はテロ活動が収まっていますが、私自身はこの名前をあまり聞きたくない思いに変わりはありません。

もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ 御願いします!

人気blogランキングへ

にほんブログ村 為替ブログ 為替日記へ
にほんブログ村




こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!
[ 2012/05/30 23:42 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

財政赤字削減達成年の延期

先ほどから続いているレーン委員長やバロッゾEU委員長の記者会見ですが、さすがに聞くのも飽きてきました 

先ほどの勧告レポートが発表されて以来、加盟各国の『意見、言い分』が少しづつ漏れ聞こえてきていますね。

*スペインの赤字削減達成年の延長

話しが少し遡りますが、2009年末のEU財務相会合では欧州委員会の勧告を基に一部の加盟国に対し「財政赤字対GDP比を3%以下に削減する期限」を設定しました。例えばイタリアは 2012年、スペイン・ポルトガルはそれぞれ2013年に財政均衡を達成するという目標を仰せ付けられたのです。しかしその後の景気低迷は赤字幅の対GDP比増に直結し、財政均衡達成を再び軌道に乗せるには追加緊縮財政策を導入する以外、選択肢がないという悪循環に迫りました。

先ほどレーン委員長は
「スペインは2014年までに財政均衡を達成するための削減過程を示した報告書を提出すること。その内容が満足行くものであれば、(2013年ではなく)2014年までの削減期間の延長に応じる」
と発言 



ギリシャに対しても同様の措置が適用される可能性もあるとレーン委員長は語っていますが、まだ正式な発表はないようです。

*ユーロ圏17ヶ国による『金融統合』

これは私も以前から 「いつか出るかもしれないな....」  と密かに思っていたことなのですが、先ほどの勧告レポートの中で

Closer integration among euro area countries in their supervision of the financial sector is needed and that the 17 countries in the monetary union should move towards a "banking union."
金融システムの監視強化のためにユーロ加盟17ヶ国がより統合を深め、『バンキング統合』 という方向に動くべきである。



どうして私が 「いつか出るかもしれないな...」 と思っていたかと申しますと、欧州に限らず主要国の銀行は既に 「イギリスの銀行」とか「ドイツの銀行」という枠から飛び出して「グローバルな銀行」へと姿を変えています。例えばドイツ銀行はもうドイツの地元の金融だけを手がける訳ではなく、世界各地に支店を持ちグローバルなバンキングを行っています。同様に英国のバークレイズ銀行を例に取っても、全く同じことが言えますね。

しかしギリシャの債務危機  が起きて以来、PIGS各国の国債を大量に保有していたフランスなどのユーロ圏加盟各国を基盤とした銀行は、その損失処理に懸命に励んできました。

スペインの貯蓄銀行など地元色の濃い金融機関は別でしょうが、サンタンデール銀行などはイギリスでもバークレイズやHSBCと並んでごく普通にイギリス人が口座開設しています。私も持っています。

そうなるとたまたまスペインの銀行がヤバイ  となったとしても、その銀行のある国が国家財政を使って救済するという発想自体に無理が出てくるんじゃないんかな? それに替わる案として、「欧州各国」がお金を出し合って預金者保護をする、米国の連邦預金保険公社(FDIC)みたいな機関が出来てもいいんじゃないか?と思ったのです。

ただしこれも金融機関と一口に言っても、どこまでの金融機関を対象にするか?は問題ですね。

*ESMによる直接的な銀行への資本注入

ESMの権限強化 が提案され、これがユーロ高騰に繋がりました。

今 一息ついたところですが、まず
・フィンランドはそれが目的であればESMに資金を提供することを拒否  オーストリアも、ESMが直接的に銀行へ資金提供することには反対
・そもそもESMは加盟各国の財政均衡達成を前提に政府に対して金融支援を実施する目的で作られました。それが一歩踏み込み、加盟国の銀行救済に乗り出すことの是非
・ESMの役割変更は加盟各国政府による批准が必要となるかもしれない



*ECBの利下げについて

これはEUからの勧告とは全く関係ありません。

ロイター社が73名のエコノミストを対象にして行われたアンケートによると
73名中、27名がECBが年内の利下げに動くと予想していることが判りました。
意外と少ないので、正直驚いています 


もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ 御願いします!

人気blogランキングへ

にほんブログ村 為替ブログ 為替日記へ
にほんブログ村




こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!
[ 2012/05/30 22:20 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

ESMの権限強化か?

まだこれは最終決定ではありませんが、EUはユーロ圏の恒久的救済措置であるESMに対し、銀行の資本強化を目的とした資本注入の権限を与える方向で検討

これを受けてユーロは高騰しています。


加盟各国に対するViewは以下のようになっています。英語訳してる時間ありませんが、取り急ぎ更新 
また追記します



SPAIN In 2012, Spain's economic activity is expected to contract by 1.8pc, and by 0.3pc in 2013. Unemployment is foreseen to increase further to 25.1pc in 2013, also for the young.

FRANCE In 2012, France's economic activity is expected to grow by 0.5pc, before regaining momentum in 2013 to reach 1.3pc. Unemployment is foreseen to increase further to 10.2pc.
GERMANY In 2012, Germany's economic activity is expected to significantly slow down as compared to 2011. Real GDP is projected to increase by 0.7pc. Unemployment is foreseen to further drop to 5.5pc.

GREECE The recovery previously announced for next year will be further delayed with, at best, a stagnation of activity in 2013. It is only in 2014 that positive annual growth rates are expected to return.

IRELAND Ireland’s economy returned to modest, export-driven growth of 0.7pc in 2011. While employment contracted by 2.1pc in 2011 as a whole, it grew by a seasonally adjusted 0.6pc in the final quarter of 2011. Unemployment is expected to reach 14.3pc in 2012.

ITALY In 2012, Italy's economic activity is expected to contract by 1.4pc, and gradually recover in 2013. The unemployment rate is foreseen to increase further to 9.5pc this year and 9.7pc in 2013.SPAIN: In 2012, Spain's economic activity is expected to contract by 1.8pc, and by 0.3pc in 2013. Unemployment is foreseen to increase further to 25.1pc in 2013, also for the young.

EU adds that the 17 countries that use the euro should consider setting up a “banking union” that allows them to share the burden of bank failures.

To further stop expensive bank bailouts from pulling down governments’ own finances, allowing the eurozone’s new rescue fund to directly boost the capital of banks “might be envisaged,” the European Commission said.


もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ 御願いします!

人気blogランキングへ

にほんブログ村 為替ブログ 為替日記へ
にほんブログ村




こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!
[ 2012/05/30 20:10 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

EUからの勧告 その3

この記事の続編 となります。

*発表時間

ロンドン昼12時 (東京時間午後8時) みたいです

まだ確認できませんが、欧州委員会のレーン委員 (経済・通貨問題担当) が発表するという話しも聞こえてきます。

*内容

EU加盟27ヶ国に対し
・今までの財政政策の動き
・構造改革が必要とあればその提案
・財政再建に向け、どのような努力を行ってきたか?
・今後、どのような追加措置が必要なのか?
・財政均衡に対する努力を怠っていたり、財政赤字削減目標達成が危ぶまれる国に対しては、最大GDPの0.2%の制裁金を課すことも可能
など



これは域内が財政統合に向け、一歩前進したと受け止められます。



この記事で、私はスペインとイタリアに注目していると書きましたが、フランスを追加します。

よくよく考えたら、サルコジさんからオランド新大統領へ代わり、同国は財政規律重視の姿勢から成長重視の現実路線への転換を図ろうとしています。それに対し、今回のレポートではどのような「勧告」がなされるのか?
注目  してもよいと思います。



もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ 御願いします!

人気blogランキングへ

にほんブログ村 為替ブログ 為替日記へ
にほんブログ村




こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!
[ 2012/05/30 18:49 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

EUからの勧告

昨日 EU委員会による財政政策などに関する勧告 に関して記事にしましたが、本日それが発表される予定となっています。

肝心な発表時間なのですが、通信社により意見が分かれており 
ロンドン午前11時 (日本時間午後7時) 又は 12時 (日本時間 午後8時) とさまざま 

*注意点 

この勧告ですが、’’EUがギリシャ債務危機以来、加盟各国の財政政策の道筋を立てる権限’’  ’’加盟国の放漫財政に対し懲罰金を与える権限’’ を新たに与えられて以来はじめての発表となるので、過去にこれが発表されたことは一度もありません

つまり、一体どんな事が発表されるのか誰にも想像もつかないということです 

考えられる可能性としては

1)加盟国の財政政策に修正・改善の余地があれば、それをバシッと伝達する
2)加盟国の財政政策に何らかの『違反』が見られれば、それに対する懲罰金を要請する



昨日の記事でも書きましたが、私が注目しているのは
ギリシャはもうなんか疲れたので 

イチオシは スペイン 

意外性があるとすれば イタリアかな? イタリアに関しては、あの国の税収とかは他国と比較すると結構しっかりしているようなのですが、問題は国債残高がべらぼうに高い点。このあたりのファイナンス予定に対しなんか言うのかな?言ったら大変なことになるかな?という感じです。

何か動きが出たらまた記事にします。Twitterで呟く  かもしれません。
Twitterの口座をお持ちでない方は、このブログ右下にある私の呟きをご覧になって下さい 


もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ 御願いします!

人気blogランキングへ

にほんブログ村 為替ブログ 為替日記へ
にほんブログ村




こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!
[ 2012/05/30 18:07 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(1)

バンキア救済手段

おはようございます 

実はこの記事は昨日のロンドン午後に書き始めていたものです。しかし次から次へとニュースが出てしまい書きかけのままで更新出来なかったものです。とりあえず本日の部分も付け加え、更新することにしました。

***昨日の部分***

スペインの株価指数は現在までに2.6%下落しており、話題の中心:バンキア株の株価は12%の下落となっています。

*バンキアに対する資本注入の手段

先ほどからEUやスペイン政府それぞれが違った見解を述べているようです。
最初の案は、スペイン政府はバンキアに対し国債を直接注入  バンキアはその国債を担保として欧州中銀(ECB)から資金調達する  そうなるとECBは否が応でもバンキア救済に関与することになってしまい、これが現実に行われることになってしまうと、『欧州中央銀行(ECB)が各国の財政に直接関与した』ことになり、EUの条約に反する行動を取ってしまう結果となります  つまりECBが首を縦に振るわけがないという意味に取れるでしょう。

この案は、スペイン政府が単独でバンキアを救済することが不可能と認めたと市場は判断し、同行の株価は下落



それに慌てたのかどうか知りませんが、つい先ほどロイター社の報道で
「スペイン政府はバンキアの資本再編に向けて新発債を発行する。」と発表しています。

この新発債発行は、FROB(銀行再編基金)又は政府のいずれかが担当するようです。

***本日の部分***

上の記事から一夜明けた今朝、英FT紙がこれについて報道しています。一部を紹介しますと

本日のFT一面

The ECB told Madrid that a proper capital injection was needed for Bankia and its plans were in danger of breaching an EU ban on "monetary financing," or central bank funding of governments, according to two European officials

ECBはスペイン政府に対し、バンキアには正式な資本注入が必要であり、今回の計画はEUの条約で禁じられている『中銀による加盟国財政への直接支援』となる危険性がある

と報道しています。

これを受け、スペイン10年物国債利回り(イールド)は6.5%を越えて6.55%まで現在上昇、国債への保険に値するCDSは作日より21bps高の579bpsまで上昇 

イタリアの国債イールドも6%に乗ってきました。
イタリア10年債
(イタリア国債イールド)

私があらためてここで書くまでもなく、『10年物イールド 7%』というのがユーロ加盟国がEU/IMFに対して金融支援を要請するベンチマークとされているので、スペインは気が気じゃないでしょう 

もし この記事がお役に立ちましたら 3段攻めポチッ 御願いします!

人気blogランキングへ

にほんブログ村 為替ブログ 為替日記へ
にほんブログ村




こんな嬉しい賞を頂きました。受賞に恥じないよう 頑張ろうと思います。応援 よろしく!
[ 2012/05/30 17:42 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート 【PR】
Net Money
FXダイレクトプラス
2012年11月16日より毎週金曜日に連載を担当することになりました。 皆さん是非ご覧下さい !
フィリップ証券さんで連載始めました
フィリップ証券さんで
月2回 コラム始めました。
ロンドン発 松崎美子の
FXマーケットレポート

フィリップ証券

岡三証券
株価指数取引には、是非!


相互リンク
誠に勝手ながら 相互リンクは 現在 締め切っております。再開する時には またご連絡いたします。
ブログランキング
ポチッ!御願いします!

FC2Blog Ranking

マネポケ大賞

こんな嬉しい賞を頂きました。
受賞に恥じないよう 頑張ろうと
思います。応援 よろしく!
月別アーカイブ