昨日水曜日に
EU(欧州委員会)は加盟27ヶ国の財政政策に関する勧告レポート を発表しました。
私が特に気にしていたスペイン、イタリア、フランスに加え、英国やギリシャなどに対する勧告内容をざっと紹介します。
*スペイン・財政赤字削減に対して欧州委員会はスペインに対し、信頼が置ける財政計画の提出と引き換えに、
財政赤字削減達成年の1年延長 を認める可能性を示唆

財政均衡達成年の延長を認める理由としては、ユーロ圏内で今年と来年ともにマイナス成長が見込まれている点を挙げています。これにより、スペイン政府は今まで以上の真剣さで赤字削減を軌道に乗せる努力を強いられる形となりました。
・金融セクター資金注入などの問題を抱える銀行に対してユーロ圏の救済基金から直接支援をする可能性を示唆。

現在市場を悩ませているスペインの銀行問題に関しては、銀行再編や資本増強の必要性を訴えていますが、その手段を間違えば史上最悪の失業率を更に悪化する恐れにも直面することになるとの警告も忘れていません。
・税金関連増税に関しては、労働市場や企業経営に打撃を与える恐れがある直接税よりも、物品税などの間接税のアップを要求しています。
・年金関連年金受給年齢の引き上げ決定に対し評価したものの、ここ数年のマイナス成長により年金基金の減少などが起こり、今までの努力は水の泡となったかもしれないと警告しただけでなく、将来長期に渡り年金システムに支障が生じる可能性が出てきたと警告をしています。

スペインの代表的株価指数終値: 6090.4 マイナス2.6%
*英国・経済成長今年のGDP予想は+0.5%

2013年より景気回復速度が早まりGDP+1.7%を予想
・政府の対応について厳しい経済状態にもかかわらず、緊縮財政政策を続行している点を評価。
ただしあまりにも財政赤字削減に熱心なあまり、児童福祉や住宅市場支援策の不足や、イギリスに必要なインフラ設備投資がおろそかになっているとの懸念を表明

英国のFTSE100終値: 5297 マイナス1.7%
*アイルランド・金融支援受け取りに対する引き換え条件の達成度合い欧州委員会は、同国は食料品・医療薬・化学製品などの輸出以外、特に頼るべき産業もないことに加え、長引くリセッションに苦しんでいるにもかかわらず、赤字削減に対する多大な努力に高い評価を示しました。
・木曜日の国民投票についてYESという結果を予想する。
・これ以上の金融支援を必要とするのか?EUは、若年層が職を求めて国外へ出ることを止めるためにも、インフラ設備の充実を示唆

その財源として、2回目の金融支援を要請する可能性が残っているとしています。

アイルランドの代表的株価指数終値: 3103 マイナス1.3%
*ギリシャ・経済成長2011年の-7%という厳しい経済成長率をそのまま引きづり、今年も厳しい1年となる
・経済・財政・金融政策の状態EU27ヶ国の中で一番厳しい状態が続いていることに変化なし。今後は更に大胆な構造改革が求められる。

ギリシャの代表的株価指数終値: 185.51 マイナス3.7%
*イタリア・経済状態失業率は更に増加し、リセッションは少なくともあと18ヶ月程度継続すると予想。
・税制改革富裕層に対する納税強化
・財政政策公的債務残高の減少が必要

イタリアの代表的株価指数終値: 13813 マイナス1.8%
*ポルトガル・経済状態今年のGDP予想は-3.3%、失業率は現在の15%から更に上昇するであろうと予想
国民はEUからの金融支援頼みとなる危険性を指摘
・労働市場同政府は労働市場改革に取り組むことが遅れている。そして新規ビジネスを始める際のコストが高すぎる。

ポルトガルの代表的株価指数終値: 4518 マイナス1%
*フランス・経済成長今年は+0.5%

2013年は+1.3%を予想
・財政赤字削減に対して政府歳出カットに対する努力は評価するものの、財政均衡目標年の達成は難しいかもしれない
・政府の対応について過度ともいえる福祉支給金や年金支給金に関して再考することを提案

社会党出身のオランド大統領が果たしてどこまでこの課題に前向きに取り組めるか、EUも疑問を抱いている模様
・労働市場雇用創出をスムーズにするためにも、労働保護法による拘束を緩和する必要性を示唆

若年層の失業率を低くするためにも、老年層の労働者に対する保護を緩和する必要性を示唆

フランスの代表的株価指数終値: 3015 マイナス2.2%
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