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月別アーカイブ  [ 2012年04月 ] 

欧州中銀金融政策理事会を控えて

今週木曜日のECB金融政策理事会は、フランクフルトではなくスペイン・バルセロナ での開催となります。

そのため、理事会後の  ドラギ総裁定例記者会見に参加する記者達からの質疑応答では、より多くのスペインに関連した質問が飛び出す可能性があると私は考えています。

*記者会見での見所は?

これは私が勝手に選んだ項目ですので、話半分でお読み下さい 

・先週行われた欧州議会でのドラギ総裁による証言で、注目を浴びた 『成長協定』の提案 に関して、一歩踏み込んだ発言が聞けるか?

・リセッション入りする国が増えているので、2012年Q2以降の景況感に関して

・定例記者会見の冒頭でドラギ総裁が発表する声明文ですが、先月は『景気見通し』に対して “uncertainty”(不安定、不確実)という言葉を省略していました。しかし今月はこの言葉が再度返り咲きとなると予想します。

・今月は政策金利変更なしという予想ですが、この決定は理事全員の満場一致の決定なのか?利下げに票を投じた理事がいたのか?

・3回目LTROの有無に関してのドラギ総裁の見解  そもそもLTROは一時的措置なので、そう何度もやってられないよ~ という内容になるのか?はたまた 現在のユーロ圏景況感を少しでも盛り上げることが可能であれば、LTROの継続は可能である という内容なのか? それとも先月同様 「まだ過去2度に渡るLTROの効果を見ている最中である」 と語り、3回目実施に含みを持たせるのか?

・ユーロ加盟国の国債買い支えプログラム(SMP)の再開について

などがすぐに頭に思い浮かびました。
いずれにしても、債務危機がスペインを襲っている現状を考えれば、あまり楽観できる内容にはならない  と思います。

すみません、月曜日なので算数教室のお手伝いへ行って来ます 。また帰宅後にでも記事を書きますね 




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[ 2012/04/30 20:32 ] ECB 欧州中銀 | TB(-) | CM(2)

スペイン、リセッション突入

おはようございます  イギリスは連日豪雨  にみまわれ、洪水の報道を多数耳にしました。先週の豪雨は強風を伴ったため、私も運転中に近所の歩道に植えてある木がズバッと折れ、車道に倒れているのを2回見かけました。非常に危ない  です。

日本はGWに入り、皆さんもごゆっくりされていらっしゃることと思います。お天気はどうですか  どうぞごゆっくりされて下さい。

*スペイン2012年第1四半期GDP発表

2011年Q4  -0.3%  2012年Q1 -0.3% (前期比)  -0.4%(前年対比) 
という結果となりました。予想は前期比-0.4%だったので、予想よりも若干良かった  とも言えますが、あまり喜んでいられる数字ではありません 

スペインGDP 2012Q1

これはスペイン統計局が発表したスペインGDP推移です。赤い棒グラフは前期比、青いグラフは前年対比となっています。

*リセッション入りが確定した国は?

ユーロ圏
ベルギー、アイルランド、イタリア、オランダ、ポルトガル、ギリシャ、スロベニア、スペイン

EU
英国、デンマーク、チェコ

 英国とスペインは2012年Q1GDP発表一番乗りですので、今後発表する国が改めてリセッション入りする可能性はあります。ですので今後もリセッション入りした国の数が増える可能性大 



ユーロ圏、EU両方で現在11ヶ国がリセッション入りが確認されました。昨年のギリシャ債務危機の動向を見る限り、ドイツが主張する『財政均衡を達成するための緊縮財政政策』が欧州の景気回復の芽を完全に摘み取ってしまったことが判ります。週末の英FT紙でもサマーズ元米財務長官は’’今、欧州に必要なのは財政均衡よりも経済成長促進策である’’と寄稿していました。

*スペイン系銀行格下げ
本日のスペインGDP発表直後、格付け大手:S&P社が11のスペイン系銀行の格下げを発表。そのうち2行はジャンク債扱いとなっています。

この写真は昨日日曜日にマドリッドで行われた教育費・医療関係費削減に反対する抗議デモの様子です。
マドリッド抗議デモ

フランスの大統領選第一回目投票では5人に1人の有権者が極右:国民戦線に投票しました。そして今週末に実施されるギリシャ総選挙では極左、極右それぞれの政党:2党の奮闘が期待されているそうです。

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[ 2012/04/30 19:29 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

イタリア国債入札結果

昨日のスペイン格下げを受け、入札結果が待ちに待たれたイタリア国債入札。結果が出ましたので書きますね。

*イタリア国債入札結果

・10年物
入札額: 25億ユーロ
応答利回り: 5.84% (前回3月末: 5.24%)
応答倍率: 1.48 (前回: 1.65)

・5年物
入札額: 約25億ユーロ
応答利回り: 4.86% (前回: 4.18%)
応答倍率: 1.34 (前回: 1.65)

・4年物
入札額: 4億9,300万ユーロ
応答利回り: 4.29% (前回: 4.18%)
応答倍率: 2.63

・7年物
入札額: 5億3,700万ユーロ
応答利回り: 5.21% (前回: 4.18%)
応答倍率: 2.27



市場では上記4つの入札合計総額が50億ユーロを下回った場合、危険信号ピカピカ  だったそうなので、その意味から言えば「思ったより良い入札結果」  と判断してもよいそうです。

ただし、応答利回りが今年1月以来の悪さ(高さ)  となっている点が気になります。

*スペイン国債利回り

昨日の格下げを受け、ドイツ国債との利回り格差が拡大したスペイン国債。

S&Pによる格下げ後のスペイン格付けは、イタリアと同じBBB+  あと3ノッチ下がるとジャンク債扱い  となります。

今年1月の格下げでジャンク債扱いとなったポルトガル ですが、ジャンク債となった途端、同国の10年債利回りは約2%も一気に上昇(=国債価格下落)  となっています。ここからのスペイン国債の動向、気をつけましょう。


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[ 2012/04/27 19:17 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

ユーロ

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[ 2012/04/27 19:01 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

がっかりのスペイン

昨夜のスペイン格下げ でもう十分なのに、今朝は失業率と小売売り上げ高の数字が発表されました。両方とも最悪  の数字となっています 

*失業率

2012年第1四半期失業率: 予想は23%  実際に出た数字は 24.4%  
ちなみに2011年第4四半期の数字は 22.9%

本日発表された24.4%という数字は1990年代の初めと並ぶ最悪のもの
当然ユーロ圏でも最悪であるだけでなく、先進国中最悪の部類に属する数字となってしまいました。

スペイン民間・公的失業率
これはスペインの失業率に関するチャートです。

上のものは、失業者総数: 560万人中、2年以上失業している人は150万人を越えたという内容を示しています。

2番目のチャートは、公的部門(オレンジ線)民間部門(青線)それぞれの雇用率を2001年から遡って示したものです。
・民間部門  リーマン・ショックが起きた2008年から一気にマイナス(=失業者増)となっているのが確認出来ます。
・公的部門  民間とは打って変わって、ずっとプラスで推移していましたが、昨年中盤から下がり始め、とうとうマイナスとなっているのが判ります。

スペイン若年層失業率
これは若年層の失業率です。上記の民間部門同様、リーマン・ショック以降一気に失業率が上昇してしまい、とうとう50%を越えてしまいました 


*小売売り上げ高
3月分 -3.7%(前年比) 21ヶ月連続下落 


*スペイン: Banco Popular 第1四半期:企業収益発表
不動産投資の焦げ付きをカバーしたため、マイナス46%の収益減 
そして来期も更に収益減が予想されると付け加えています。

これを受けて、スペイン銀行セクターの株価は3.4%下落

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[ 2012/04/27 18:31 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

スペイン格下げ後

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[ 2012/04/27 09:52 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

スペイン、格下げ

皆さんも既にご存知と思いますが、米格付け大手:S&Pがスペインの格付けを A  BBB+ (2ノッチ) 格下げ  し、見通しをネガティブにしました。これは、今年1月の格下げに続き、今年に入ってから2度目の格下げです。

しかし....... いつも思うんですが、どうして格付け会社が悪いニュース(=格下げ)を発表するタイミングって、こうも悪いのかしら?今日の発表はニューヨークが閉まる午後5時。マーケットの流動性カラッカラに乾いてる時狙うなよ~って思います。

dealers.jpg

*大手2社の格付けは?

・ムーディーズのスペインの格付け
A3  これはS&Pが決定したBBB+より1ノッチほど高い筈、見通しはネガティブ

・フィッチのスペインの格付け
A  これはS&Pが決定したBBB+より2ノッチほど高い筈、見通しはネガティブ




たぶんこの2社もS&Pに続いて格下げするのは、時間の問題なんじゃないでしょうか?もしかしたら、金曜日のマーケットではこの2社がS&Pの決定に追随するという前提で同国の国債利回りが高騰する危険性があるかもしれません。

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[ 2012/04/27 09:17 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

ドラギECB総裁からの提案

おはようございます  朝から豪雨、そして私のAOLメイルが開けずイライラしたまま3時間も無駄にしてしまいました  今やっとメイルのチェックが出来たので、一安心してブログを書く事にしました。

その前に、最近ポンドがグングン上昇しており、それに関する質問をメイルフォームなどを通じて何通か頂いております。個人的には実効レートを元にして考えると、この上昇は今すぐ折れるものでないと思っています。もちろん為替に『絶対』はありませんが、この動きはGDPがマイナスだから....というようなファンダメンタルズからの動きではない点は注意したいところですね。

さて、昨日  ドラギECB総裁が欧州議会で証言しました。その内容について考えてみたいと思います。

 ドラギ総裁『成長協定』を提案

昨年12月、英国が拒否権発動して英国中が揺れに揺れた欧州『新財政協定』、ここでも何十回も繰り替えし書いているので皆さんもよくご存知かと思いますが、これはユーロ圏加盟国に財政赤字削減を厳しく義務付け、違反国に制裁金を科すなど財政規律を強化するための新条約です。英語では Fiscal Compact と呼びます。

ドラギ総裁は昨日の欧州議会証言で、(財政面での『新財政協定』だけでなく) 欧州には景気浮揚を促す 『成長協定』 (英語では Growth Compact) が必要だ  との考えを示しました。

それではどのようなステップを踏んで加盟各国の景気浮揚を可能にするのか  という肝心な点では明言を避けた  ものの、一つの例として同総裁は各国政府に対し経済や雇用市場での構造改革を挙げました。

同総裁からの提案は更に続き、『成長協定』は『新財政協定』同様、設定された条件に造反した国に対しての制裁金を課す  ことにも触れています。それくらい強い決意で望まなければ、いつまでたっても域内の競争力がつかず各加盟国がなすべき責任を明確にするため  ということが前提にあるようです。

ユーロ圏の景気減速は厳しく  予想よりも長期化する可能性を踏まえ、現在までにECBが行ってきた一時的な緩和措置を中断することも含めた’’出口戦略’’について考える時期ではないとも語っています。

*メルケル首相の考え方

欧州1の財政再建国  であるドイツは、極端な言い方をしてしまえば先行きの景気動向よりも財政再建努力を強いるようなイメージを受けます。メルケル首相も例外でなく、ギリシャが倒れようがポルトガルが転がりようが  財政赤字削減をビッシビシと要求してきました 

しかしそんな同首相の姿勢にも若干の変化が見られてきた今日この頃。
ドラギ総裁が提案した『成長協定』に同首相も賛同の意  を示し、欧州を悩ませている債務危機は財政再建だけで解決出来る問題ではない。」とした上で「その場しのぎに過ぎない一時的な景気対策は政府の赤字を増やすだけである。やはり安定的に経済成長を助ける構造的な改革が必要である。」とも語っています。メルケルさんは常日頃から’’景気浮揚策の財源を赤字依存してはいけない’’  と語っていますので、それを改めて強調した形になりました。

*オランド仏大統領候補の考え方

独メルケル首相とは違い、オランド候補は「景気浮揚のためなら一定額の財政支出はやむを得ない」 という考え方を持っています。

そしてここでも書きましたが、同候補は 『新財政協定の内容変更』 を要請しており、そこには成長と雇用創出に関する条項の追加を求めています。現在判っている範囲では、大統領に選出されたらすぐにEU加盟各国全てに対し、この条項追加を求める書簡を送ることを約束、そして欧州の南と北をひとつにし’’新ヨーロッパ’’という枠で欧州をひとつにまとめ、一緒にこの危機を乗り越えようと提案するそうです。

オランド候補が掲げている景気浮揚策はズバリ ’’ユーロ共同債の実現’’
ただし、この共同債の使用目的は加盟各国の財政赤字の穴埋めをするためではなく、

1)欧州内のインフラ整備の財源確保
2)製造業界に対する投資
3)雇用促進
4)欧州投資銀行(EIB)の資本強化

いずれにしても、オランド氏が大統領に選出された後の独仏関係の進展には非常に興味があります 

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[ 2012/04/26 21:52 ] ECB 欧州中銀 | TB(-) | CM(0)

国民投票を示唆したサルコジ大統領

フランス大統領選の第1回目投票を終え、5月6日の決選投票を控えた現大統領であるサルコジ氏とオランド候補。

本日サルコジ大統領は再選された場合、国民投票の実施の可能性を示唆しました。

話しは2009年の年末まで遡ってしまう  のですが、その時のEU財務相会合でEU加盟27ヶ国の約半分の国はある一定の年までに財政赤字対GDP比を3%未満に削減する『財政均衡化ルール』を発表しました。
私も自分のブログのどこかできちんとした記事を書いた記憶があるのですが、さっぱり見つかりません 
もしかしたら書いたつもりが実は書いてなかったのかもしれないので、改めてここで書きます。

*財政均衡化ルール

2009年12月、当時EUの議長国であったスウェーデンで開催されたEU財務相会合の席で、EU加盟27ヶ国のうち半分の13ヶ国が財政赤字対GDP比を3%未満に削減する’’目標年’’を設定しました。これを財政均衡化ルールと呼びます。

・2012年までに削減する国
ベルギー、イタリア

・2013年までに削減する国
ドイツ、フランス、スペイン、オーストリア、オランダ、チェコ、スロバキア、スロベニア、ポルトガル

・2014年までに削減する国
アイルランド

・2014/15年までに削減する国
英国

今見ると笑ってしまうほど前向きな決定でしたが、この’’目標年’’達成が遅れた事が理由でオランダでも月曜日に首相が辞任に追い込まれしまうなど、EU加盟各国は現在も必死でこのルールを守ろうとしています。

*フランスの場合

フランス下院は2011年夏、財政再建のために数年間に渡る歳出上限を設定した予算計画を義務付ける『財政均衡化ルール』の憲法改正案を可決   憲法改正案を成立させ憲法上で明文化するためには、両院合同協議会の決議を経る必要がある  フランスの野党、特にオランド候補が所属する社会党はこの案に大反対  しており、現在でも議会での採決はされていません。

*サルコジ氏が計画する国民投票とは?

憲法での明文化を支持しているサルコジ大統領は、フランス議会で採決されなかった場合、直接フランス国民に財政均衡化ルールの憲法上の明文化の是非を求める国民投票を実施すると発言したのです。

そして国民投票で国民の支持を得られれば、年末までに必ず明文化させるとも付け加えています。

*オランド候補の態度

社会党はこの案に反対の立場を取っています。
同氏は財政再建の必要性に関してはサルコジ大統領と同じくらい前向きに考えていますが、憲法に均衡財政に関する規定を明文化させる部分には反対  その代わりに、各財政年度ごとに赤字削減目標を義務付ける緊縮財政政策案を設定することを希望しているようです。


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[ 2012/04/26 00:19 ] 政治 | TB(-) | CM(0)

英マイナス成長について

先ほど帰宅しました。先週後半から雨模様  が続いていますが、今日は雨足が非常に強く帰宅後30分のうちに2度もインターネット接続が中断しました 。 トレードには少し危険な状態です。

このすぐ下の記事で私はこう書いたのですが.... 
なんか普通に生活している私にとって今年1~3月期がマイナスだったという印象、ないんですよね、実は......  だから非常に困っています

そうしたらやはり英産業連盟(CBI  日本で言うと経団連ですね..)とErnst & Youngが同じ感想を述べていただけでなく、英統計局の数字の正確さに疑問を投げかけていました。

・英産業連盟(CBI)
今年第1四半期の英GDPが前期比でマイナス0.2%であったと知り、とても驚いている。
我々が知っている限り、英国における景況感はここにきて改善しているだけでなく、(ギリシャのデフォルト懸念が高まった)昨年秋以来、英景気を支える土台がしっかりしてきたという印象を持っている。
特に今回の統計の中ではサービス業界の弱さを示唆する内容となっているが、サービス業に対する数多くの調査によると第1四半期は向上しているという結果となっている。

・Ernst & Young ITEM Club
今年第1四半期がマイナス成長であったとは信じがたい 。 景気関連の調査をいくつも実施しているが、サービス業界と建築業界でもそこそこの回復を示していたではないのか?

もし (今回のマイナス成長の数字が) 来月と再来月に発表される改訂値と確定値で、かなり大幅に上方修正されなければ、それは本当の驚きに値する。

とりあえず英国が直面している次の問題点は、6月に女王陛下即位60周年記念式典の為に、国民休日が一日増えるので、それが原因で第2四半期もマイナス成長となってしまうのか?  という点であろう。
もし3期連続(2011年Q4,2012年Q1、Q2)のマイナス成長となれば、個人消費はぐっと冷え込み、せっかく芽生えてきた景気回復の芽を完全に摘み取ってしまうかもしれない。

*2003年からのGDP対比

GDP比較 2003年から
ロイターに載っているチャートですが、米欧英の2003年のGDPを100として、現在までどのように推移してきたかを示すものです。(米国黄色の線ユーロ圏水色の線英国赤線

・米国
2007~8年にかけての景気の天井期をとっくに追い抜き、上昇中 

・ユーロ圏
2008年の景気の天井期を越えることは出来なかった 

・英国
2008年の景気の天井期を越えることは出来ないだけでなく、2010年以来ずっと横ばい/低空飛行が継続している 



この『2010年以来』という言葉を聞いて、 と思った読者の方はいらっしゃいますか?貴方は相当の英国通です 

2010年は保守党と自民党が連立を組んだ年、つまりキュ~キュ~の緊縮財政政策が始まった年です。このブログでも何度も書いているように、新連立政権は、英国のトリプルA格付け維持を最優先  景気浮揚よりも財政再建をとことん優先しました。

そのお陰で英国は現在でもトリプルA格を維持 (2社は見通しをネガティブに変更しています) していますが、景気低迷の長期化というツケを払っている状態。過去3年に渡るユーロ圏債務危機問題の深刻化  もあり、企業投資がとことん控えられているので少し気の毒な気もしますが、数字だけをとれば連立政権発足後の8四半期の間に英国が遂げた経済成長率はたったの+0.4%   同じ時期に英予算責任局が発表した経済成長予想率は+4.3% 

どんだけ差があるんだよ~?

*私の感想

くどいんですが、普通に生活している限り、昨年までの度重なるガス・電気料金値上げ  もないし、政府の決定に添い過去2年間カウンシル税(日本で言う住民税と固定資産税が一緒になった税金)も据え置きされているので、昨年ほどの悲壮感は個人的に持ち合わせていません。

最近のガソリン代値上げによる食料品の値上げはありますが、そんなもの昨年も一昨年もその前もあったので、特に今年の状態が著しく極端な訳でもありません。もう少しくらいの値上げには不感症になったわ、私。

Ernst & Youngが語るように、改訂値とかでグ~~~ンと上方修正されて、「実はリセッションじゃなかった 」と嬉しい悲鳴をあげるのかもしれませんし、それを期待しています。

ただし数字が出て以来、テレビでもラジオでも「リセッション」という言葉が第一報で報道されるので、個人だけでなく企業の投資も一時的に引いてしまうことは十分に感じられます。もしかしたら来月とかに発表される景況感指数が本日のマイナス成長を引きずって、本来ならプラスの数字が一気にマイナスにならないとも限らず、本日の負の影響は計り知れないですね

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[ 2012/04/25 22:24 ] 経済 | TB(-) | CM(2)

リセッション入りの英国

たった今、英2012年Q1のGDP速報値が発表されました。

予想: +0.1%(前期比) +0.3%(前年対比)

実際の数字は -0.2% (前期比)

2期連続のマイナス成長が確認されたため、英国は正式にリセッション入りしたということになりました。

Q1速報値をマイナス化させた最大要因は
建設部門 -3.0% (2011年Q4 -0.2%) 前期比のマイナス度は2009年Q1以来の悪さ

 念の為に付け加えておきますが、『速報値』は英経済全体の42%をもとに計算された数字です。この後には改訂値、確定値と続きます。

*金融政策
私ももうちょっと注意しておけばよかったのですが  今月の英中銀MPCで唯一QE2増額に票を入れたマイルズ理事 が昨日ブルーンバーグのインタビューで「水曜日のQ1速報値がマイナスと出ても少しも驚かない。」と発言していました。

もしかしたらこのオッサン、数字知ってたのかな?

英国がリセッション入りしたのであれば、当然英中銀のQE2の継続だけでなく増額が話題にのぼって来るでしょう。偶然(?)にも来月5月は四半期インフレ・レポートが発表される月ですので、金融政策の変更が置きやすい月でもあります。

個人的には最近のガソリン代高騰を考えると安易なQE2増額は避けてもらいところです。なんか普通に生活している私にとって今年1~3月期がマイナスだったという印象、ないんですよね、実は......  だから非常に困っています

*政治面
速報値発表直後にオズボーン財務相が発言しています。それは
「Abandoning deficit reduction measures would only make UK situation worse. Conditions are very tough and recovery is taking longer than had been envisaged.
財政赤字削減策をここで中止することは、英国の置かれた立場を悪くするだけである。英経済を取り巻く環境は決して良いものではなく困難を極めているため、英景気回復に要する期間は予想以上に長期化するであろう。」

ただし、最大野党の労働党:陰の財務相:エド・ボールズ氏は、お喋りオウムのように何度も何度も
「現在の連立政府はあまりにも財政再建を急ぎすぎ、それが景気回復の腰をおってしまうという悪い副作用を及ぼしている。」と繰り返しており、この意見に同調する人間が徐々に増えてくることが考えられます。

英リセッション入りは、ここからの政局運営に相当強い向かい風となることは間違いありません。


私事で恐縮ですが、先週土曜日に足をおかしくして、歩けない状態でした。土曜日はうまく立てない状態だったのが、日曜日には伝い歩きが出来るまでになりました。でもまだ階段の上り下りや段差のあるところを歩く時には一歩づつ止まりながら行かないと痛くて叫んでしまいます。
これからその治療に行ってきます。2時間で戻れます。
その時にまた何か出ていたら詳しく書きます!それでは後ほど 

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[ 2012/04/25 18:04 ] 経済 | TB(-) | CM(0)

FOMC予想

明日水曜日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に関する各大手銀行の予想をまとめてみます。
バーナンキさんが 「少なくとも2014年遅くまでフェデラルファンド金利を低水準に維持する」とか言うのを聞いても、しっくり来ないんですよ、私は.... 

ちなみにFOMC前にブルーンバーグ社が行ったエコノミストを対象にしたアンケートでは「FRBは2014年遅くではなく、同年6月までに利上げに踏み切る」と見る人が多数いたことが判っています。

・仏クレディ・アグリコレ銀行
FOMCが不必要なヴォラティリティーをマーケットに与えるような結果を出すとは思っていない。
今回も3月時同様 「少なくとも2014年遅くまでフェデラルファンド金利を低水準に維持する」 というスタンスを継続するであろうが、’’2014年の年初に利上げ’’に票を投じるFOMC理事達の人数が増えるのではないか?と予想している。

・英バークレイズ銀行
金融政策面での大きな変化はないと見ているが、FOMC理事達の間で若干タカ派的な意見が増える可能性を見ている。

・加スコティア銀行
ごくわずかであるが失業率の低下、そしてインフレ率の上昇を組み入れたスタンスへのシフトがなされると予想している。しかし依然として「少なくとも2014年遅くまでフェデラルファンド金利を低水準に維持する」というコメントには変化がないであろう。これはドルのサポート要因には全くならない。

・仏BNPパリバ銀行
3月の米雇用統計は明らかに市場に落胆を与えた。少なくとも当行のエコノミスト達は、数字を見てガッカリしたものだ。しかしFOMC理事達は単月の数字で一喜一憂することもないであろうから、(当行のエコノミスト達ほどの)落胆を示さないかもしれない。
当行は依然として「少なくとも2014年遅くまでフェデラルファンド金利を低水準に維持する」というスタンスの継続を予想している。6週間前と比較して、原油価格は若干下落しているが、ユーロ圏債務危機問題は逆に激しくなりつつあるからである。

・米ウエルズ・ファーゴ銀行
FOMCの結果で何か特別な変化があるとは予想していない。つまりQE3の可能性は依然として残る訳である。

・デンマーク系ダンスケ銀行
FOMC声明文からは、QE3の可能性を示唆する内容には、ならないと予想している。
しかしバーナンキ議長が行う記者会見の席で、同議長はQE3の可能性は依然として残っていると改めて語るのではないか?
最近の原油高の影響でインフレの可能性に懸念を示す理事達が増えるであろうから、内容は若干タカ派的になる可能性も残っている。



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[ 2012/04/25 07:20 ] 米国関連 | TB(-) | CM(0)

オランダ暫定政権

昨日のルッテ首相辞任により、現在オランダは暫定政権により運営されています。その長は依然としてルッテ首相

ルッテ首相
(議会まで自転車 通勤するルッテ首相。同国は欧州の自転車大国と言われ、政府が率先して自転車専用路線などを積極的に導入しているエコ大国としても有名です)

*来年度予算案提出期限

暫定政権が必死でまとめようとしている予算案ですが、2009年12月2日EU財務相会合で2013年までに財政赤字をGDP比3%以下に削減するよう勧告に添い、同国は ’’財政赤字対GDP比を3%未満へ削減する内容を盛り込んだ’’ 2013年度暫定予算案を4月30日までに欧州委員会へ提出する義務があります。

既に残された時間は今週いっぱい  となってしまったため、是が非でもまとめなければなりません。とりあえず現在わかっていることは、現地時間午後2時にルッテ首相が議会で演説するようです。

*総選挙の日程

現在一番有力視されている総選挙日は6月27日
しかし過半数以上の議員は9月実施を希望しているそうです。

オランダの選挙法によると、各党による立候補者名の提出期限は内閣解散後40日目、それから43日後が通常総選挙の投票日となるそうです。

*オランダの不安

オランダはドイツと並び財政面では強硬派  として有名です。
ギリシャが倒れた時も 『財政赤字対GDP比3%未満』 の達成を強く主張しました。

しかし今度は自分の国がその達成が出来なくなりそうです 

オランダ国民は一連の連立政府崩壊を受け 「ギリシャが倒れた時には我々の税金を使って助けてあげた。しかし我が国が倒れそうになったら、一体誰が助けてくれると言うのだろうか 」という不安を隠しきれない様子。

一部の政治家からは、現在の単一通貨:ユーロを2つに分ける (北欧州ユーロと南欧州ユーロ  これは債務危機を乗り越えるために選択すべき、私が以前からずっと考えているユーロの姿です) または3つのユーロ(具体的にどういう形に分けるのかは不明)に分けて、今回の困難を切り抜けようという意見が出てきはじめているそうです。


これはあくまでも私個人の意見なんですが、暫定政権が4月30日までに暫定予算案を渡せなかったり、渡せたとしても内容が不十分であった場合、オランダのトリプルA格付け剥奪 または 見通しを下げるという動きが起こるような気がしてなりません。そうなるともちろん同国の国債利回り高騰が起こりますが、それ以上に深刻なのは、EFSFの保証国からまたトリプルA格の国が減り、ドイツ・フィンランド・ルクセンブルグだけとなってしまう点ではないでしょうか?今年1月に格付け会社:S&Pが "欧州9ヶ国の格下げを実施" したことを受け、EFSFの格付けも"AAA"から"AA+"へ引き下げとなりました。ここで欧州強硬派のオランダがトリプルAから外れると、EFSF債発行時の利回りが更に上昇する可能性もあります。


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[ 2012/04/24 21:34 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

ユーロ/スイス

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[ 2012/04/24 20:30 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

スペイン・イタリア入札結果

スペインとイタリア、それぞれの短期債入札結果がやっと出揃いました。

*スペイン

入札目標額: 10~20億ユーロ  入札総額: 19億3,000万ユーロ

・3ヶ月物
入札額: 7億2,000万ユーロ
応答利回り: 0.634% (前回: 0.381%)
応答倍率: 7.6 (前回: 3.5)

・6ヶ月物
入札額:12億1,000万ユーロ
応答利回り: 1.580% (前回: 0.836%)
応答倍率: 3.3 (前回: 5.6)

3ヶ月物は応答倍率が前回の2倍となり盛況なイメージがしますが、利回りは3ヶ月・6ヶ月ともに前回の2倍くらいまで跳ね上がっていて、ちょっと心配になります 

*イタリア

・3年物ゼロクーポン債
入札額: 25億ユーロ
応答利回り: 3.355% (前回3月27日: 2.352%)
応答倍率: 1.80 (前回: 1.86)

・5年物インフレ連動債
応答利回り: 3.88 

・7年物インフレ連動債
入札額(5年物との合計) : 9億4,300万ユーロ
応答利回り: 4.32 

今回の入札全体の平均応答利回りは、今年1月の入札時以来最高に高くなってしまったようです 

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[ 2012/04/24 18:52 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

オランダ入札結果

アレレ?
オランダ国債の入札結果はロンドン時間午前10時くらいに出ると聞いていたので安心していたら、もう出てました! 

昨日のルッテ首相辞任を受け、本日の国債入札に対する投資家動向を懸念する声が高かったのですが、結果としては心配していたよりずっと良かったようです。

報道によると、通常入札開始してから入札総額が全部埋まるまでに10分とか15分かかるらしいのですが、本日はたった2分で完売  だから発表が早まったようです 

*入札結果

入札目標額: 15~25億ユーロ  本日の入札総額: 19億9,500万ユーロ

・2年物国債
入札額: 10億ユーロ
応答利回り: 0.523%

・25年物国債
入札額: 9億9,500万ユーロ
応答利回り: 2.782%

応答利回りの比較が出来ない  のですが、先月行われた30年物入札時の利回りは1.37%なので、それと比較するとあまりよい結果とは言えないでしょう。しかし入札に応じた人達が相当多かったという点は評価すべきかもしれません。とりあえず今のところはドイツとの利回り格差は昨日よりも縮小しています。


スペインとイタリアも同時に入札しています。スペインは短期債(3ヶ月と6ヶ月債)の入札でしたが、応答倍率は上がったものの、肝心の利回りは前回比較で約2倍くらいに跳ね上がっています 

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[ 2012/04/24 18:10 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

火曜日のオランダ国債入札

下の記事を書いて疲れてしまったので、短めに行きます~

ルッテ首相辞任が決まり、総選挙実施が避けられなくなったオランダ です。

この決定を受け、格付け会社:ムーディーズは早々 「解散総選挙はオランダ格付けの見通しをネガティブにする要因となり得る」と発言しています。そしてそれを受けてドイツ/オランダ10年物国債の利回り格差も拡大  し、3年来の広さへ

*国債入札

そんなオランダが運悪く火曜日に国債入札を予定しています。 
3年物と25年物国債となっており、入札総額は最大25億ユーロとか?

本日の首相辞任  解散総選挙を投資家達はどう受け止めるのか?
火曜日の入札は、オランダの財政再建の道のりを占う上でも非常に大事な一歩となることは間違いありません。

ユーロも動くと思いますので、シートベルトを忘れずに!


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[ 2012/04/24 12:20 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

IMF融資原資増額についての質問

今晩は久し振りに娘が1泊だけ大学から帰ってくる予定でしたが、「提出が明日に迫ったエッセイをまるっきり忘れていて  今夜は徹夜になるから帰れない~ 」 と完全に泣きが入ったメイルが届きました。私は「これ幸い 」 と、この時間を頂いた質問の答えを書くことにあてようと思います。先週くらいからユーロ圏のゴタゴタ  が起こる頻度が増えたような気がするんですが.... 実際に日中のトレード回数が激減しています  ですのでマーケットがほとんど動かない夜にこうやって記事を書く時間が確保出来るのはありがたい~  

西原さんのメルマガ購読者の方と、このブログの読者の方からほとんど同じ内容の質問を頂きました。

IMF基金4300億ドル強化で合意と出ておりました。N20さんの過去記事を読み込んでいくと、
この金額では到底不十分なのでは?と感じるのですが

合意に達したということでユーロにはプラス材料になるのか、
あるいは金額が不十分だということでマイナス材料になるのか、
私では判断がつきづらいので質問させていただきました。


*IMF融資原資増額合意報道

先週このブログでも紹介しましたが (関連記事 その1 、その2 )先週末IMFはギリシャからスペインへと舞台を移したユーロ圏債務危機問題のこれ以上の飛び火  や拡大を防止するためにも、加盟国から追加資金を要請  しました。

現在のIMF融資可能額は3,800~4,000億ドル  出来れば6,000億ドルの増額を希望   合計で1兆ドルとなる  欧州救済基金(EFSF/ESM)が2014年中盤には1兆ドル規模(7,000億ユーロ)  IMFと欧州両方あわせて2兆ドル
 
ギリシャのデフォルト懸念が発覚した昨年秋以降、『投資家が納得するユーロ圏債務危機対策用の救済基金規模:2兆ドル』 という数字が一人歩き  しており、今回もIMFの分担として出来れば1兆ドル確保御願い  状態でした。

しかし今回のIMF増資額は4,300億ドルと発表されています。

ちょっとくどくなって恐縮  ですが、この「4,300億ドル」という数字はあくまでも『予定額』であり、BRICsのうち 中国、ロシア、インド、ブラジルの4ヶ国は、6月中旬に開催されるメキシコG20首脳会議で最終的な金額を明らかにする見込み  となっています。つまりこれらの国のいずれかが ’’やっぱ、や~めた~’’  とか言ったりした場合、増資額は更に減少してしまうのです。

*4,300億ドルでは不十分だと思いますか?

この質問への私自身の答え  「はい、不十分だと思います。」
そして更に付け加えてもよいのであれば 「この4,300億ドル増額合意というニュースは、ユーロ圏債務問題に対して若干のプラス材料にはなるかもしれないけれど、問題解決には何の寄与もしない点が問題である」と私は思っています。私自身の理由は後で書きますが、市場で心配されている点をいくつか挙げますと....

 IMFへのクォータ(出資割当)率や議決権の見直しなどの「IMF改革」が増資受け入れの前提条件となっている
新興国である中国、インド、ロシア、ブラジル、湾岸産油国などは、IMFにお金を出す代わりに自分の国の議決権  を増やしてくれ!と訴えています 

 IMFに於ける議決権  IMFでの決定事には加盟188ヶ国が投票します。この加盟国の議決権の大きさは、出資クォータ(出資割当額)と全加盟国が同数有する基礎票を合わせたものにより、それぞれの加盟国の議決権の比重が決定される仕組みとなっています。つまりクォーター=議決権=発言/影響力という認識となります。

 米加の強~~~烈な反対
米オバマ大統領もガイトナー財務長官も、ユーロ圏救済目的でのIMFへの拠出金増額には反対姿勢を貫いており、今回の増資も断っています。

しかし更に強硬姿勢に出たのが他でもないカナダのフレアティ財務相でした。まぁ、この方はギリシャ危機が悪化した頃から欧州各国の対応の遅さにしびれを切らしていた  のは知っていました。しかし先週のIMF増資の話し合いの場では、カナダは増資に参加する意思はないことに加え、 ユーロ圏救済に関してIMF加盟国のユーロ圏以外の国に対し拒否権を持たせることを提案  したのです。つまりIMF加盟188ヶ国のうち、ユーロ圏加盟国以外の全ての国に対し 『IMFがユーロ圏債務危機で財政的困難に直面した国に対し、IMFは金融支援すべきか否か 』 を問うつもりのようです。これはあくまでも提案で決定ではありませんが、予想以上に厳しい発言内容で私も驚きました。

そしてこの財務相はラガルド専務理事に対して、ユーロ圏の債務問題により金融支援を受けている国の財政状態をチェックするトロイカ調査団 (EU/IMF/ECBから成る) にIMFが加担することは、IMFの本来のあり方にそぐわない行為ではないのか?トロイカからIMFは抜けるべきだ とも提案したそうです。

 ドラギECB総裁の言葉
"Both structural reforms and fiscal consolidation have to be in place. If that is not in place, there is no firewall that is enough to cope with the unavoidable fluctuations of the market."
(ユーロ圏加盟各国政府は)構造改革と財政再建をしっかりと実施しなければいけない。もしそれがきちんと実行されていないのであれば、どれだけ莫大な欧州救済基金が設定されようと、マーケットの予期せぬ変動には対処不可能となる。

厳しい言葉ですが、真実が隠されていますね。つまり有権者の反対であったり、政府内での意見の調整がつかなかったりと理由はいろいろあるでしょうが、加盟各国が本気で財政再建努力をしない限り、援助資金なんていくらあったって足りないんだよ...という事なんでしょう。

*私が4,300億ドルでは十分ではないと思う理由

・ギリシャ
第一次金融支援額: 1,100億ユーロ
第二次金融支援額: 1,300億ユーロ

GDP規模: 2,370億ユーロ
債務残高: 3,488億ユーロ

・アイルランド
金融支援額: 850億ユーロ

GDP規模: 1,640億ユーロ
債務残高: 1,220億ユーロ

・ポルトガル
金融支援額: 780億ユーロ

GDP規模: 1,680億ユーロ
債務残高: 1,526億ユーロ



既に金融支援を受けている上記3ヶ国が受けた金融支援額は、(ギリシャを除き)それぞれの国のGDP規模の約半分ほどの額となっているのが判ります。しかしここで注意したい点は、アイルランドとポルトガルの公的債務残高の規模はGDPよりも少ない額となっているのに対し、ギリシャのそれはGDP規模よりも大きくなっている点でしょう。

それでは最近話題になってきたスペインとイタリアはどうでしょうか?

・スペイン
GDP規模: 1兆520億ユーロ
債務残高: 7,004億ユーロ

・イタリア
GDP規模: 1兆5,300億ユーロ ユーロ圏で3番目、世界で8番目に大きな経済規模
債務残高: 1兆9,000億ユーロ    ユーロ加盟17ヶ国の債務残高合計の25%を占める



スペインはアイルランドやポルトガル同様、債務残高はGDP規模よりも小さいです。
しかしイタリアとなると、GDPよりもはるかに大きな債務が残っているのが判ります。

現在市場ではスペインでの債務危機は同国だけの問題として捉えておらず、必ずイタリアが引き合いに出されます。
もし両国の長期金利が7%を越え、長期債の入札だけでなく短期債でも国家財政のやりくりが出来なくなってくる場合 『市場が十分だろうと思っている2兆ドルの救済基金』だけではとうていスペインとイタリア両国を支え切れないでしょう。そしてこの時には両国の格付けもジャンク債扱いになっているかもしれないので、利回りも急騰し、財政赤字額はますます増加。

オランダの財政再建案が合意出来ないこともあり、もはやユーロ圏債務危機問題はPIGSと呼ばれる’’南欧州’’各国だけでなく、ドイツと並ぶ’’北欧州’’の強硬国へと拡大してきました。

個人的には今年の6月か9月がひとつの山になるのではないか?と思っています。その理由はまたいつか

この記事を書くのに3時間かかりました 
ちょっと疲れてしまったので、読み返さず更新します。また明日の朝にでも読み返します!

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[ 2012/04/24 08:10 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(2)

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[ 2012/04/23 20:23 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

オランダ、総選挙か?

いつかは来るかな...と思いながら、記事を書かずにいた罰が当たりました 
過去数週間、オランダ連立政権が危ないという話しはずっと報道されていたのですが、まさか総選挙になってしまうかもしれないところまで来ているとは思ってもみませんでした。

まずオランダの議会から説明します。

*オランダ議会
オランダ下院
オランダ下院 (合計:150議席) は細かい党がいくつも入り乱れています。2010年の総選挙以来、中道右派の自由民主国民党とキリスト教民主アピールに加え、閣外協力という立場で極右政党である自由党が与党として政策運営してきました。

*この週末の出来事

自由民主国民党の党首であり、オランダの首相であるルッテ氏は、ドイツと並びユーロ圏の強硬派として知られ、欧州中銀(ECB)の加盟国国債買い支えプログラム(SMP)などに反対の姿勢を貫いている人物です。

そのルッテ首相が財政赤字削減を盛り込んだ予算案内容への合意が取り付けられず、この週末緊急閣僚会議を招集したようです。最終的には自由党:ウィルダーズ党首がユーロ圏の新財政協定に沿って推進されている同国の赤字削減内容に合意せず、協議は決裂した模様。

そもそもこの極右:自由党という党は、ユーロ懐疑派で、昨日もウィルダーズ党首は
「I can not support the €16bn of cuts needed to meet the 3pc target. I wouldn’t allow Dutch citizens to “pay out of their pockets for the senseless demands of Brussels” 財政赤字対GDP比を3%未満にするために政府が提案している160億ユーロ規模の支出削減策を支持することは出来ない。そもそもブリュッセル(欧州委員会)のばかげた要求にオランダ国民が自腹を切ることは絶対に許さない。」
と反対理由を語っています。

現在伝えられているところでは、ルッテ首相は本日中に辞任し、解散総選挙にもつれ込むようですね。

今までずっとドイツと足並みを揃えて『ユーロ圏の番人』の役目を負っていたオランダに於ける政局不安は、欧州に新たな心配種を蒔いてしまうかもしれません。

*オランダの財政状態

ドイツと並ぶ強硬派なだけに、スペインやイタリアと比較すると頑張っています。

・公的債務残高対GDP比
2010年 63%
2011年 66% (前年よりも増えてしまいました  )  ユーロ圏全体の平均 88%

・財政赤字対GDP比
2012年目標 4.5%  ユーロ圏全体の平均目標値 3.4%
2013年目標 3.4%  ユーロ圏全体の平均目標値 2.6%

*経済成長

2011年の実質GDPは+1.3%(年率)となっていますが、年前半はプラス成長だったのに対し、年後半はマイナスに落ち込んでいます。そのマイナス成長を今年に入っても引きずっており、今年に入ってからの消費者信頼度指数は2007年の米サブプライム時代の低レベルまで下落。

今回の財政赤字削減策のキーポイントは支出減となっており、その中には公務員解雇なども含まれており、ますます消費者の財布の紐は固くなるばかり

景気回復が遅れれば、その分赤字削減のスピードも当然遅れます

先週、格付け会社:フィッチは 「赤字削減策が遂行されなければ、オランダのトリプルA格の格下げの可能性もある」と警告してますし.........

*最後に

この極右:自由党はオランダのユーロ圏脱落を問う国民投票の実施を要求しています。先ほど上に書いたように党首自身がユーロ圏に留まる以上、PIGS各国への金融支援をし続けなければならない  離脱する方が財政的に楽になるという意見のようですね。

いずれにしても、オランダという国は総選挙なんかやってる場合じゃないんですが、このままでいけば

1)財政赤字削減目標が達成出来ない 

目標達成が不可能となる場合は、スペイン政府が行ったように、欧州委員会の協力を得て、財政赤字対GDP比3%達成年を1年先送りする方法があります

この場合、同政府は(スペイン同様)先送りする理由をしっかり伝え、欧州委員会が納得しなければなりません。

過去3年に渡りギリシャ・アイルランド・ポルトガルなどが金融支援を要請した際に、オランダはドイツ同様、それらの国の放漫財政に相当苦情を述べてきた過去があります。果たして今度は自分の国が目標達成できないとなると、欧州委員会も多国以上に厳しい目をオランダに向けるかもしれません。

2)新財政協定の批准の遅延 

いずれにしても、総選挙が実施され新政権が誕生するまでは、暫定政権が置かれます。この暫定政権は財政再建措置を実行することは出来ないでしょう。

そうなるとますます赤字削減の時期が遅れることになります。

現在ユーロ圏でトリプルA格なのは、ドイツ・フィンランド・ルクセンブルグ そしてオランダ。
この中で一番先に格下げ 又は見通し変更されるのはオランダであることは疑いの余地がなさそうです。



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[ 2012/04/23 19:21 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

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[ 2012/04/23 08:59 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

フランス大統領選・第2回目投票まで

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[ 2012/04/23 07:57 ] 過去のパスワード必要記事 | TB(-) | CM(-)

フランス大統領選挙・開票結果

フランス大統領選第1回目投票 が本日行われました。ロンドン時間夜8時には3割程度の開票結果が流れ始め、つい先ほどは8割の開票結果が出ました。
順を追ってお伝えします。

ちなみに本日の投票率は81%  5年前の大統領選挙の時より低いそうですが、イギリスに住んでいると総選挙でさせ投票率6割がせいぜいなので、8割以上の投票率というのは物凄く高く感じました。

*ロンドン午後8時、30%の開票結果

・英BBCテレビ
オランド候補 28.6%
サルコジ候補 27%
ルペン候補 19%

・英スカイTV
オランド候補 27.5%
サルコジ候補 26.6%
ルペン候補 19.9%

・米CNN
オランド候補 28.4%
サルコジ候補 25.5%
ルペン候補 20%

*ロンドン時間午後10時、80%の開票結果

・英スカイTV
オランド候補 28%
サルコジ候補 26.9%
ルペン候補 19%


どのテレビ局でも、5月6日第2回目投票では、オランド候補が当選するであろうという予想を立てているようです。第1回目の投票で現職大統領が他の候補者より得票率が低かったのは、はじめての事だとテレビで言っていました 

そして今回の選挙でフランス人自身も驚いた  こととして、有権者の5人に1人が極右:国民戦線に票を入れたこと  出口調査によると、18~24歳の有権者の間では、 3人に1人が国民戦線に投票したそうです。

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[ 2012/04/23 07:24 ] 政治 | TB(-) | CM(0)

スペイン、シュンゲン協定一時停止

ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する協定をシェンゲン協定 と呼びます。

この協定が出来て以来、欧州内での移動がほぼ完全に自由化されたので、労働者の移動も活発になりました。中東や北アフリカからの違法移民者も、協定に属している国に入り込んでさえしまえば、他の欧州各国への移動が容易になるという弊害を生みました。それらの地域に近いスペインやイタリアは特に違法移民者に仕事を取られてしまい  自国の失業者が増加してしまうことも問題となっています。

英国は海を隔てているので安全だろう!という考え方は残念ながら通用しません 。 一旦入国してしまえば社会保障補助金取得が欧州内でも一番簡単であるイギリスに是が非でも辿りつきたい違法入国者は後を絶ちません。最悪のケースは、フランスとイギリスを結ぶ高速鉄道:ユーロ・スターの貨車の下側にず~っと張り付き無事イギリスへ入国という話しも耳にしました。

*スペイン、1週間だけシュンゲン協定を停止

次回の欧州中銀金融政策理事会は5月3日にスペイン・バルセロナで開催される予定となっています。

ユーロ圏債務危機問題の深化  も手伝い、スペインだけでなく欧州各国の国民達は政府が断行している財政赤字削減策のお陰でかなり厳しい生活  を強いられているだけでなく、将来の年金受給年齢が遅れたり、年金取得額の減少を既に言い渡されたりと疲れています 

そういう鬱憤が溜まった欧州の人達がECB理事会が開催されるスペイン・マドリッドまで押しかけて、大規模なデモを繰り広げる可能性が高まってきたようなんです。

それを察知したスペイン政府は急遽ECB理事会が開催される5月3日にかけた1週間の間、シュンゲン協定を一時停止することを決定し、欧州各国からの抗議デモ目的の入国者を制限しようと試みるようです。

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[ 2012/04/20 20:00 ] ECB 欧州中銀 | TB(-) | CM(2)

フランス大統領選挙

2010年からずっと隔週火曜日に担当させて頂いておりましたセントラル短資FX(株)さんのコラム すこしFX ☆ なが~くFX が、2011年4月より隔週金曜日に マーケット・ビューでも連載させて頂く事になりました 

明後日22日に投票を控えたフランスの大統領選挙 。 同じヨーロッパなのにイギリスでも関連報道はほぼゼロ 、なんだか11月に行われる米大統領選挙の陰に隠れてしまったイメージを受けました 

FXをやる私達には誰がフランスの大統領になるかは、今後のユーロ圏債務危機問題  とも密接に関わるだけに非常の気になるところです。

本日のコラムでは、その「フランス大統領選」に関しあらゆる視点から自分なりにまとめてみました。

どうぞごゆっくりお読み下さい 

このブログの左上 すこしFX ☆ なが~くFX バナー をクリックして是非お読みください! 
よろしく~

最後になりますが、このリンク  をクリックして頂くと私が書いた全ての過去記事が読めますので、是非ご活用下さい 
[ 2012/04/20 18:49 ] 政治 | TB(-) | CM(0)

有料記事パスワード変更のお知らせ

昨夜、有料記事のパスワードを変更いたしました。
購読者の皆さん、メイル  が届いているかどうぞご確認下さい。

私は本日日本時間夜9時からずっと外出しております。
もしメイルを頂いても返事をするのが遅れますこと、あらかじめお詫び致します 
[ 2012/04/20 18:17 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

ラガルド発言 その2

下の記事の続きですが、ラガルド専務理事は結構際どい発言  をしています。

EFSF/ESMなどの欧州救済基金の役割についてですが、同氏はスペイン国内の銀行など困難に直面している金融機関に対し、資本増強という目的で欧州救済基金が直接融資を行うことを提言しました。

これはドイツが真っ向から反対している  動きであり、今後数々の憶測や議論を呼びそうです。

ドイツはEFSFによる’’直接的な’’銀行支援には強く反対しており、その背景には 「EFSFが救済しなければならないほど、その国の銀行システムは衰弱しているのか?   投資家がパニックを起こし、その国の金融関連株を売り逃げようとするので、株価の暴落  に繋がる恐れがある」  ということがあるようです。

そういう反対もあって、現在までECBが加盟国の金融機関に対して最後の貸し手となったり、加盟各国の国債買い支えプログラム(SMP)を実施してきたという訳ですね。

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[ 2012/04/19 22:49 ] マーケット | TB(-) | CM(2)

ラガルドIMF専務理事スピーチ開始

明日から始まる世界銀行とIMFの春季総会を前に、ラガルドIMF専務理事がスピーチを始めます。
これは会見を待つ記者団やカメラマン達の風景
ラガルド記者会見待ち

*IMFへの国別追加拠出額

この記事で詳しく書きましたが、ユーロ圏債務危機がスペインへ飛び火  しつつある今、IMFによる融資原資の増額はここからの市場動向を左右する非常に大事な決定事となります。

IMFの希望としては出来れば6,000億ドルの追加原資が欲しいところですが、現在確実に追加拠出金を出しますよ!と手を挙げているのは下記の表の通り
IMFへの追加拠出額

単純に合計すると3,200億ドルの拠出表明があったことになり、希望する6,000億ドルの約半分 

ただ、たった今ラガルド理事ご自身の口から「この週末に加盟各国は勇気ある決定をするであろう」と語っているので、まだまだ金額が増えると期待しましょう。

とりあえずこの発言を好感した形でユーロが戻っています。

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[ 2012/04/19 22:18 ] マーケット | TB(-) | CM(0)

ムーディーズの分析

このすぐ下の記事に載せたリンクをクリックすると、こんな表が目に入ります。

デフォルトになる長期金利表

最初の数字は公的債務残高対GDP比の限界レベル、そして2番目の数字はデフォルト懸念が生じる長期金利(=10年国債利回り)の限界レベルとなっています。

ここでは2番目の『デフォルト懸念が生じる長期金利(=10年国債利回り)の限界レベル』に的をあて  ''現在の10年国債利回りレベル''を 赤い字で書き添えてみました。

黄色の枠で囲んだ国々  スペイン、アイルランド、イタリア、ポルトガル そしてギリシャは、安定的に国債市場から資金調達をしながら国家財政を賄う限界を超えているのが判ります。

皆さんもご存知のように、ギリシャ・アイルランド・ポルトガルはとっくの昔に国債市場には参加せず、EU/IMFからの金融支援で食いつないでいます。

そうなると、現在でも普通に国債市場で入札しているスペインとイタリアがヤバイ  ってことになりますよね.... 

実際の数字をみると、

イタリア   4.2% 
スペイン  5.7%

ということは、スペインよりイタリアの方がずっと深刻じゃないの  ????

ちょっとこの分析結果に関して、欧州の誰かがイチャモンつけるかもしれませんね。タイミングが悪かったなぁ~、せっかく今朝の入札を乗り越えて安心しきっていたからね... 


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[ 2012/04/19 21:23 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)

ユーロ下落、イールドスプレッド拡大

たった今Twitterで呟いたのですが、5分くらい前に英テレグラフ紙に小さく載った報道によると、格付け会社:ムーディーズの国債分析部かなんかのおじさんがおかしな事言ったようです

「スペイン、イタリアともにデフォルトの心配あり。スペイン長期金利(10年物国債利回り)が今後ずっと5.7%以上で推移するのであれば、将来的にデフォルトの心配が出てくる 。」

この発言は同社が毎月行っている各国の国債動向の分析結果をもとに行われている様子。
その分析によると、スペインとイタリアの10年国債利回りは、両国が問題なく安定的に国債入札から資金調達出来るレベルを超えてきたと見ているようです。

そして同社が使用している経済的な分析手段とそれぞれの政府の赤字削減に対する姿勢とを重ねると、スペインの公的債務残高は対GDP比でもう少し高くなる糊代は残されているとしながらも、国債利回りだけを見る限り、10年債利回りが5.7%以上で推移する限り将来的にスペインがデフォルトに追い込まれる可能性は著しく高まる

という内容みたいです。



これが理由なのかどうか判りませんが、スペインやフランス、イタリア国債利回りとドイツ国債利回り格差は拡大

同時にフランスの格下げの噂も出ているようで、ユーロ急落

取り急ぎ更新します

ps テレグラフ紙がちゃんとした記事にしました。リンクです


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[ 2012/04/19 20:51 ] ユーロ危機 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

N20   (松崎美子)

Author:N20   (松崎美子)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18ヶ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年 シティーにある米系投資銀行に転職。肉体的・精神的に限界を感じ、2000年に退職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。たまたま英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

口座残高ゼロ経験あり

セントラル短資FX (株)さんで 連載スタート
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2012年11月16日より毎週金曜日に連載を担当することになりました。 皆さん是非ご覧下さい !
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