昨日開催されたユーロ圏財務相会合の席で、ギリシャに対する第2次支援策を最終的に承認しました
。 これでギリシャ債務危機が100%完全に解決された
と信じている市場参加者がたくさんいるとは思えませんが、とりあえず今後数ヶ月はギリシャという耳にタコができるほど聞き飽きた名前から解放されるだろうな... と思っていることはたしか。
そこで市場の関心にのぼってきたのが、他でもない「スペイン」です。
*スペイン、財政赤字削減目標達成不可能か?昨年11月の総選挙で新しく首相に就任したラホイ氏。就任早々、労働市場改革や国内銀行再編など数々の改革を断行してきました。しかし先月くらいから同首相が発する発言が弱気になってきているんですよね...
その最大のものは、「2012年度財政赤字削減目標達成は無理であろう」 という諦め発言
昨年の総選挙前まで政権を握っていたサパテロ前政権は、2012年度財政赤字を対GDP比で4.4%に削減することで合意していました。しかしラホイ首相は「サバテロ前政権の2011年度財政赤字削減の取り組みは目標を大きく下回っていた。なのでEUと合意した2012年度削減目標も順守できない
」 と発言、2012年赤字対GDP比を5.8%へと緩和。これと並行して、2011年の同比率は8.5%とし、サバテロ前政権の目標だった6.0%を大幅に上回ったことも明らかにしました。
ただしEUがユーロ加盟国全てに求めている’’2013年までに財政赤字対GDP比を3.0%に削減する’’という目標については「守る」としているようです。
*ユーロ圏財務相からの要請上でも書きましたが、スペインは2012年度財政赤字対GDP比を当初の4.4%
5.8%へと緩和したことに対し、ユーロ圏の財務相達は「5.3%への削減」を求めたとされています。2013年に3.0%まで削減することが現在のユーロ圏加盟国にとっては最優先事項
であるため、今年5.3%まで下げないと達成不可能となるという逆算みたいです。
今回の赤字削減目標の緩和について、スペインのデギンドス経済相は 「スペイン政府の見解を述べると、2011年度の財政赤字削減対GDP比目標が当初予定されていた6%から2.5%も離れた8.5%までしか達成出来なかった点、そしてスペインの経済成長を取り巻く環境が著しく悪化
したことが、2012年度の対GDP比緩和の理由として挙げられるであろう・」と発言
(デギンドス経済相の首を冗談で絞めるユンケル議長
)
ここからのスペイン政府の取る行動としては、
1)今月末までに2012年の予算を承認
2)4月末までに欧州委員会に対し、ここから数年間に及ぶ予算計画を提出。
3)これと並行し、労働市場/銀行部門の改革を含めた経済改革計画報告書を提出
たぶん今年の6月くらいまでかかるようですが、これらの計画や報告書をもとに、EUとスペイン政府間での協議が継続される予定です。
*スペイン、テストケースとなるのか?ギリシャが一段落した今、ユーロ圏が導入した
新財政協定を守らなかった国は、どういう扱いとなるか?という事に関して、スペインはテストケースになるのではないでしょうか?
先ほど書いたように、2013年財政赤字対GDP比3.0%目標達成というものが’’最優先事項’’となり、逆算してスペインの今年度の比率は5.3%かそれよりも良くならなければいけない ということになると、スペインは今年1年間に置いて赤字削減を相当急がなければなりません。
欧州で最悪の失業率を誇る同国は、雇用対策も練らなければならないでしょう。不動産バブルの後始末がまだ終わっていないことを考えれば、銀行の資本強化や、住宅市場の活性化にも着手しなければなりません。
ここですぐ、ギリシャの次はスペイン!となるとは思いませんが、ポルトガルとスペインを見つめる市場の厳しい目はますます厳しくならざるを得ないと私は思っています。
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